~裏銀座からダイヤモンドコースへ、北アルプス展望と花の旅~
タイトル
えぼしだけからくろべごろうだけ 2002.7.25.~28.
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三俣蓮華巻き道コース
三俣蓮華巻き道コース
シナノキンバイお花畑
シナノキンバイお花畑

●酷暑の中を新穂高温泉へ下山(7月28日)
今日が北アルプス最後の日。テントには朝露がびっしりと付いていた。朝露の量は天候のどんな変化を表しているのだろうか、今一つ分からない。

テントを撤収し、新穂高温泉への下山となる。もう2度歩いている道だが、今回は三俣蓮華岳下(2723m)から、双六小屋までの巻き道を使うことにした。
槍・穂高を横に従えてハクサンイチゲ、シナノキンバイ、コバイケイソウなどの群落の中を進む、贅沢な道である。随所に沢や雪田があり、水には不自由しない。巻き道とはいっても意外と起伏があり、体力の消費度からすれば稜線コースとそう変わらない気がする。

やがて双六岳山頂からの下り道に出会う。振り返ると、鷲羽岳が朝日に輝いている。もうかなり距離が開いてしまった。目の上の双六岳のスロープはいつ見ても美しい。

弓折分岐付近
弓折分岐付近
朝から賑わう双六小屋(2547m)を後にする。笠ケ岳と再び再会。弓折岳方向への緩い登りとなるころ、クロユリを発見。初めて見ることが出来た。黒い色は稜線では目立たないので、咲いていても見過ごすことが多いと言う。今日は気づくことが出来た、というべきか。

黒部五郎や三俣蓮華岳付近のように、1つか2つの種が群落をなしているお花畑と違って、このへんに咲く花は実に多種多彩である。ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、ハクサンフウロ、ミヤマダイコンソウ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマキンバイ、クルマユリ、ミヤマカラマツソウ、ヨツバシオガマ、トリカブト、アキノキリンソウ、ヤマハハコ、コイワカガミ、ダイモンジソウ、入れ代り立ち代りどんどん登場する。思わず歩みが遅くなってしまうが、帰路のことを考えるとあまり長居は出来ない。
しかし弓折岳前の雪田のところは、おととし以上のシナノキンバイ、ハクサンイチゲの大群落であった。

槍ケ岳の上空ではしきりにヘリの爆音がしている。事故かと思ったがどうやらそうではなく、新聞社などの取材ヘリであったようだ。翌日の読売新聞、1面に「涼を求めて・・・」のキャプションで賑わう槍の写真が掲載されていた。

クロユリ
クロユリ
シナノキンバイ
シナノキンバイ
ダイモンジソウ
ダイモンジソウ
クルマユリ
クルマユリ

鏡平(2279m)では3回目で初めて、池に投影する槍を見れた。空模様は昨日のようにもやがかかり、気温もどんどん上がってきた。高度を下げるにつれ蒸し蒸ししてくる。それでなくてもこの稜線は午前中、直射日光をいっぱいに浴びるのだ。
この暑い中を今日登って来る人は大変だと思う。シシウドが原付近になると、すでに暑さにバテたように休んでいる人も見かける。自分自身もかなり参ってきている。ようやく秩父沢の流れにありつけ、冷たい水で顔を洗い、頭から水をかぶった。さあワサビ平までもう少し。

後半2日は思いがけず暑い中の北アルプス周遊であったが、全行程天気に恵まれ上々の裏銀座+ダイヤモンドコースのミックス縦走だった。
ワサビ平小屋(1408m)でカツ丼、バス待ち時間の上高地で岩魚定食、帰りの電車で釜飯と立て続けに腹に入れたが、それでも帰宅後の体重はいつもより3キロ減っていた。


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