~裏銀座からダイヤモンドコースへ、北アルプス展望と花の旅~
タイトル
えぼしだけからくろべごろうだけ 2002.7.25.~28.
1 2 3 4 5 6 7 Home


●大展望の稜線を行く(7月26日)
4時前に起床。テントの入口を少し開けて外を覗く。昨晩は全く見えなかった三ツ岳への稜線が、くっきりと見える。
食事をし、テントをたたんでいる最中に、登山者が何組もこのテント場に下りてくる。少し手前にある縦走路への分岐を見落として来たようである。(テント場の先は行き止まり)
ひょうたん池
ひょうたん池
三ツ岳頂上
三ツ岳頂上

5時に出発。ひょうたん池やこの先の稜線にだんだんと日の光が差し込んでくる。あの濃密な霧からは信じられないような、抜けるような好天だ。
池のほとりの平坦な道をしばらく歩いたあとは、三ツ岳(北峰)への緩やかだが長い登りとなる。

森林限界を抜け、ハイマツが低く茂る広大な眺めの道である。時折風が稜線を舞う。高度を上げるに従い北アルプスの峰々が出迎えてくれる。振り返れば立山、剱岳、後立山連峰。烏帽子岳はと言うと、稜線の向こうに少しだけ先っぽを出している。

三ツ岳への最後の、砂礫の登り。足元には再びコマクサ。左前方のかなたに槍ケ岳が姿を現す。大天井岳を中心とした表銀座の稜線も一望だ。
広場になってゆったりできる三ツ岳頂上から先は、まさに稜線漫歩という言葉がぴったりだ。三ツ岳西峰(2844m)は直下を巻く。

朝の高山縦走は気持ちがいいものだが、今日は今まででも一番の爽快な気分だ。何と言ってもカラっとしていて展望が素晴らしい。次第に大きくなって行く槍ケ岳は、いつまでも斜面の岩の筋がくっきりと見え続けている。そしてそのやや左には富士山もはっきりと見えている。
この裏銀座縦走路は、表銀座と立山~薬師の稜線が、左右同じような距離位置で常に眺められるので、北アルプスの峰を楽しみながら歩くには、これ以上のところはない。
野口五郎岳
野口五郎岳
槍ケ岳を望む
槍ケ岳を望む

野口五郎岳へ歩を進める。歩いてきた方向のはるかかなたには白馬岳が望める。
水は2リットル程度しか持っていない。足りなくなりそうなら野口五郎小屋で買おうと思っていたら、行く先に雪渓があり、雪解け水を補給できた。夏の日差しで今しがた解け出た水なので、冷たくてうまい。

展望の道をなおも進むと、傍らにハクサンイチゲを見る。今年初めての対面。この後の行程で飽きるほどハクサンイチゲを見るのだが、やはり1年ぶりに見ることの出来たこの場面は印象に残る。

野口五郎小屋に着く。稜線吹きっさらしのところに建っている。宿泊者が数人。あたりは砂礫の地なのでやけに明るい。
昨日、ブナ立尾根から共に登って来た中には、昨日のうちにここまで来た人もいた。ここでのテント泊も気持ち良さそうだが風が吹き出すと大変そうだ。

15分ほどの登りで野口五郎岳(2924m)へ。丸く広い頂上からは素晴らしい展望が広がる。槍・穂高や薬師岳・立山はもちろん、後立山連峰、眼下に続く縦走路の先には真砂岳(まさごだけ)を経て赤茶けた山肌の赤岳。その左右に鷲羽岳と水晶岳もいよいよ目線の位置に迫ってくる。
空気は澄んで各峰々の細部まで見渡せる。

白い稜線をジグザグに下って行く。右の眼下には野口五郎池だろうか。はるかかなたには黒部ダムの湖も見えている。


前のページ Home 次のページ