~東北きってのスケールで迫る大山塊~ 小白布沢-切合-飯豊本山-御西岳-北股岳-門内岳-梶川尾根 |
●切合小屋から展望の頂へ (8/1、切合小屋~草履塚~御秘所~飯豊本山)
切合小屋の前で休憩、食事をとる。歩き出しが早かったのでまだ10時台。無論先に進む。 ただし同行程で来た人の中にはここで今日の行動を終えるのんびり派も多かった。小屋の管理人に米を渡していた。そうすればこの小屋では食事を用意してくれるとのこと(飯豊の小屋はほとんどが素泊まり、寝具持参となる)。 小屋を後にすると、今まで以上に雪田を多く見かけるようになる。雪解けで出来た沢の流れを見ながら緩く登っていく。チングルマの群落がそこかしこにある。イワイチョウ、ハクサンコザクラも多い。 行く先に再び飯豊本山の姿がしっかり捉えられるようになる。 展望良好の草履塚(1908m)、昔の信仰登山者はここで草履(ワラジ)を履き替えたそうだ。 その後もたおやかな稜線が続き、姥権現(うばごんげん)の前へ。飯豊は昔は女人禁制の山で、それを破って登った女性が神の怒りに触れ、石にされた姿とか。
ここから先はしばらく岩場の登りが続く。御秘所(おひそ)というところで、先の剣ガ峰同様足元は切れ落ちている。鞍部に下り、いよいよ最後の急登の御前坂(おんまえざか)だ。飯豊本山は眼前、というより真上にある。 ジグザグの登りに伏し目がちとなるが、その視線の先にヒナウスユキソウ、タカネツメクサが咲き励ましてくれる。 眺めがいっぺんに広がる中、登り着いた所が一王子。石が積み上げられており、分岐から右に下りる道は水場に通じている。 本山小屋まで一投足。小屋の管理人にテント泊を申し込んだら、神社のほうに申し込んでくれと言われた。小屋で缶ビールを買う。張り紙にもあるように、「日本一高い」1000円!である(350ml)。 この小屋も基本は自炊、素泊まりだが張り紙を見ると、レトルトの食事付きでも泊まれるようだ(年によって違うかもしれない)。しかしその場合の宿泊料は5000円と高い。素泊まりでも2500円である。(料金に記憶違いがあればご容赦) 少し戻ったところでテントを張り、本山を往復する。 チシマギキョウ、そして飯豊山の特産種「イイデリンドウ」を見る。ミヤマリンドウとの見分けは、花弁にギザギザがないのがイイデリンドウだそうだ。これも行きのバス運転手さんに教えてもらった。くっきりとした5枚の青い花びらが印象的だ。
ハイマツ帯の緩い登りを経て、ついに飯豊本山頂上(2105m)に立つ。正面にダイグラ尾根が逆光に輝きダイナミックだ。西側は雲が多いが、切れ間に御西岳に続く稜線、御西岳とその向こうに何ともでかい大日岳を遠望する。 遠くの山は同定出来なかったが、この広大な飯豊の稜線を眺めるだけで十分満足がいく。30分ほど、誰も来ない頂上を独り占めした。 ガスも晴れ、左右に眺めの開けた稜線を歩き、テント場に戻る。
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