~山上湿原と花園、展望広がる稜線~
タイトル
おおじろもりからにゅうとうおんせん
2002.6.29. 晴れ

8:40鶴ノ湯温泉旧道口-9:10鶴ノ湯温泉9:15-10:30乳頭山分岐-10:55小白森山11:00-11:30大白森12:35-13:15小白森山-13:35乳頭山分岐13:40-14:25蟹場下り口-15:05乳頭温泉バス停前-15:25孫六温泉
マップ
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●鶴ノ湯温泉から大白森へ
鶴ノ湯温泉旧道口で下車。バス停前に登山道がある。「ブナ2次林間伐試験地」との看板がある。
鶴ノ湯温泉までは、緩い下りの道となる。鶴ノ湯峡の吊り橋を渡り、山道をしばらく行くと鶴ノ湯温泉のひなびた建物が見えてくる。藁葺き屋根と水車が、まるで江戸時代にタイムスリップしたような感じにさせてくれる。
しかしけっこう人が多い。
大白森山頂
湿原がどこまでも続く大白森山頂

大白森への登山道は、案内板の横にある鳥居をくぐり、登りの道で始まる。
いったん林道に出るが、そこで左に10mほど行くと登山道が続いている。指導標がないのでわかりにくい。うっかり林道を進んでしまいそうになるところだ。

道は樹林帯のゆるやかな登りが続く。あたりが開けてくる頃から傾斜を増す。

背後に秋田駒ケ岳のゆったりした山容が見られる。水場を過ぎ再び樹林帯へ。ブナの豊かな道である。

大方穏やかな道が続くのであるが、ところどころ湿地帯のようなぬかるみが出来ていて、けっこう歩きにくい。
鶴ノ湯温泉
鶴ノ湯温泉
ワタスゲ
ワタスゲ
コバイケイソウ
コバイケイソウ
イワイチョウ
イワイチョウ

足元には、マイヅルソウやコイワカガミがわずかに見られる程度。あまり登られない、どちらかというとマイナーな部類の山かなと思っていたが、意外と多くの人とすれ違う。こんな朝早くから登っているのか。

そのうち、刈られた笹を上から踏むような状態の道になり、さらに歩きにくくなる。乳頭山への縦走路の分岐を過ぎ急登をこなしていくと、視界が開けた平坦な道になる。

木道が現れ、小白森山(1144m)の湿地帯に入ったものとわかる。レンゲツツジとコバイケイソウ、ワタスゲが見られる。ワタスゲを見れば、待ちに待った初夏の山の季節が始まったと実感させられる。

しばらくは樹高の低い、真っ直ぐの平坦な道が続く。雲ノ平の雰囲気に少し似ている。樹林の中にシラビソ、シャクナゲも混ざっている。進行方向には目標の大白森が見える。小白森山から見る大白森は、山頂というよりも小高い丘のような感じだ。

木道が終わって、やや下りの道となる。しかしまだ湿地状の所が何度も出てくるので、足の置き場に注意が必要だ。下手するとズボッといってしまう。

再びブナ樹林帯の急登をこなす。さっきと同じように木道が現れ、今度は突然視界が開ける。目の前にコバイケイソウの大きな花がいくつも。傾斜は緩み、どこまでもだだっ広い湿原となる。ここが大白森山頂(1216m)だ。
大きさは、何に例えたらいいのだろうか、とにかくどこまでも平坦な湿原が続いている。その中に木道が真っ直ぐ伸びていて、それはまるで地平線の果てまで続いているように思えるほどだ。

ところどころに小さな池塘が現れる。水面から伸びている植物はイワイチョウというものだろう。白い花を付けているものもある。そしてワタスゲの果穂が風に揺れている。

おおよそ山頂とは思えない場所であるため、展望が360度ということに気づきにくい。来た方向には秋田駒のたおやかな山容、北側には稜線続きに曲崎山の高みがある。東には屏風のような八幡平、裏岩手の山々が遠望され、その横に岩手山のひときわ高い姿がある。

池塘の前の木道で大休止とする。水面を見ていると、あちこちからゲコ、ゲコとカエルの鳴き声がする。目をこらしてもどこにいるのかわからない。空の青、雲と花の白、草の緑に挟まれて1時間ほど過ごす。


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