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2011年6月30日(木) 曇り後雨
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◇ | | 羽田空港 | 6:50 |
| ANA4731 |
8:30 | | 旭川空港 | 8:40 |
| タクシー |
9:30 | | 旭岳ロープウェイ駅 | 9:45 |
| ロープウェイ |
10:00 | | 姿見駅 | 10:10 |
10:27 | | 旭岳石室 | |
12:55 | | 旭岳 夫婦池経由 | 13:20 |
15:30 | | 姿見駅 | 15:45 |
| ロープウェイ |
16:00 | | 旭岳ロープウェイ駅 (旭岳野営場テント泊) |
2011年7月1日(金)晴れ時々曇り
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7:00 | | 旭岳ロープウェイ駅 |
| ロープウェイ |
7:15 | | 姿見駅 | ◇ |
7:30 | | 夫婦池 | ◇ |
7:50 | | 旭岳石室 | 7:55 |
8:55 | | 七合目 | ◇ |
9:10 | | 八合目 | 9:15 |
9:45 | | 九合目 | 9:50 |
10:10 | | 旭岳 | 10:30 |
11:15 | | 裏旭キャンプ場 | ◇ |
12:10 | | 間宮分岐 | 13:40 |
14:27 | | 北海岳 | 14:40 |
16:00 | | 白雲分岐 | 16:05 |
16:25 | | 白雲岳避難小屋 白雲岳避難小屋泊 |
2011年7月2日(土) 快晴
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5:30 | | 白雲岳避難小屋 | ◇ |
6:05 | | 白雲分岐 | 6:10 |
7:00 | | 白雲岳 | 7:15 |
7:45 | | 白雲分岐 | 7:55 |
8:55 | | 北海岳 | 9:15 |
10:05 | | 赤石川 | 10:10 |
10:35 | | 黒岳石室 | 11:25 |
11:50 | | 黒岳 | 12:10 |
13:15 | | リフト駅 | ◇ |
| ペアリフト |
13:45 | | 黒岳駅 | 14:00 |
| ロープウェイ |
14:05 | | 層雲峡駅(層雲峡温泉) 元湯銀泉閣 泊 |
2011年7月3日(日) 晴れ後曇り
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◇ | | 層雲峡温泉 黒岳の湯立寄り | 11:47 |
| バス |
14:10 | | 帯広駅 十勝川温泉立寄り | 17:30 |
| バス |
18:08 | | 帯広空港 | 19:05 |
| ANA4768 |
20:55 | | 羽田空港 | |
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3日目。すっきり晴れ上がった。高根ヶ原付近の伸びやかで緑豊かな山稜、そして台形状のトムラウシ山も青空にくっきりと映えている。
数字の上では、今日ヒサゴ沼避難小屋まで行き、明日トムラウシから下山というプランも十分可能だ。しかし食料が少し足りない。一昨日の晩、旭岳山麓でテント泊せず、どこかの山荘に泊まっておけば食料は残り、このままトムラウシまで行くことができただろう。でもそれは結果論。初日の天候を思えば、白雲岳まで来れたことで上出来である。
最高の空の下、白雲岳避難小屋を出発する。昨日考えたように、黒岳まで縦走することにした。宿泊者の中にはトムラウシを目指したパーティーも何組かあった。
白雲岳から、旭岳方面に広がる残雪の縞模様
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北海岳まで昨日の道を戻るが、分岐でザックを置き、白雲岳に寄っていく。岩尾根を少し登るとだだっ広い台地に出た。ここも昔は火口か何かだったのか。
| 水場 |
| 避難小屋を後に |
| トムラウシを仰ぐ |
| トムラウシに続く尾根 |
| 白雲岳の残雪 |
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さらに進み、白雲岳山頂部を右手に仰ぎ見るように高度を上げていく。雪の斜面にいくつか足跡がついている。ここを登ろうか、しかし昨日の旭岳からの下りのように、人の足跡を追いかけるとあまりいいことがない。そのまま黄色のペンキマークに従って奥に進む。
道はなくなり、どん詰まりの大岩が積み重なった急斜面を登るしかなくなった。本来のコースは雪の下に隠れているようだ。後から来た人が先に岩場を這い上がっていく。自分たちは・・・オーバーハング気味でちょっと手ごわい。少し手前の雪の斜面を10mほどキックステップすれば、稜線に立てそう。しかしあまりにも急で足を前に出す勇気が出ない。
さんざん悩んだ挙句、一番初めに見ていた残雪の足跡まで戻り、そこから登ることにした。ここも数10mほどキックステップで登るのだが、急でないので何とか稜線に立てた。さらに5分ほどの雪面の歩きで、待望の白雲岳山頂である。
展望はすばらしい。トムラウシ方面への遥かな稜線も伸びやかだが、ここからの一番の見ものは、何と言っても、旭岳方面の残雪の縞模様である。これこそここ大雪山、しかも6月から7月中頃まででしか見ることのできない、美しい光景だ。 その先、遥か先の地平線あたりに青い線が横たわっているのは、ひょっとしたら海なのだろうか。ここは北海道のちょうど真ん中。本州の感覚で言えば、秩父あたりから日本海を見てみるくらいだろうか。相当距離はあるのだが、北海道の屋根なのだから日本海でさえも見えるかもしれない。
いつまで見ていても飽きない眺めに別れを告げ、分岐まで戻る。北海岳までは昨日気づかなかったエゾノハクサンイチゲがあった。もしかしたら昨日はまだ花開いていなかったのかもしれない。
300mの雪渓歩きは今日の天気では、サングラスが必需品である。もちろん日焼け止めも。北海岳からは旭岳の雪の斜面が見えた。カメラの望遠レンズで覗いてみると数人が下っているのが見える。スピードが速いのでおそらくスキーをつけているのだろう。
北海岳からは、ユニークな形の黒岳目指して、まずお鉢の外側の谷に下る。ハイマツに混じってナナカマドやミネカエデなどの広葉樹が見られる。
残雪のトラバースも続き、道がぬかるむ。足を取られて尻餅をついてしまった。ズボンが泥だらけになって、このままの格好で下山できないので不安になる。歩いているうちに乾いて泥が落ちるのを待つしかない。
| エゾノハクサンイチゲ |
| 北海岳から |
| 赤石川 |
| 黒岳石室 |
| ヘリが飛ぶ |
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やがて下りの道は斜度を失い、北海沢の大きな雪田に出る。雪解けの縁をしばらく歩き、その雪田を大きく横切る。500mくらいはあるだろう。サングラスを再び取り出す。それでも、ジリジリとした照り返しがかなりきつい。
この頃から、黒岳からの登山者と行き交うようになる。そのまま進むと雪を割って水の流れがあった。赤石川のようだ。付近は硫黄の臭いがする。お鉢平から落ち込むこのあたりの谷底は雪が多く、部分的に雪庇状にもなっている。積雪の量は多いところで数メートルある。一部は万年雪になるそうだ。
赤石川を過ぎると再び、緩い登りとなる。ここも上のほうまでずっと雪の上だ。今まで歩いた雪道の中で、ここが一番の距離であったが、実はこの後、さらなる残雪歩きが待っているとは思いもしなかった。
ズボンのお尻を見ると、さすが雲ひとつない快晴の空の下である。泥は乾いてすっかり落ちていた。
雪渓を抜け、バイケイソウの葉を見ながら高みに上がるとにわかに登山者が増えてくる。その先が黒岳石室だった。
黒岳石室は営業小屋であり、売店もある。「雪渓ビール」も販売している。小屋前の広場で、黒岳や桂月岳、北鎮岳を見ながら昼食にした。フリーズドライの鰻茶漬けを持ってきていたので食べてみた。量にやや不満が残るが、なかなかおいしかった。
ちなみに今回持ってきた食材の主なものは、豚肉と豚汁材料・米(アルファ米でない)・パスタ・カップラーメンなどである。山の店で売られているフリーズドライの食品は軽量で、山行での自炊食にはいいのだが、やはり味の面では落ちる。アルファ米も同じで、普通の米との味の差は大きい。最近は出来る範囲で、下界で食べるものを持ってくるようにしている。
今回最後の登り、黒岳への登頂に入る。多くの登山者が行き交う。温泉や観光地として有名な層雲峡が登山口となっている黒岳は、大雪山の中でも最も登られている山であろう。
すれ違う人と、小屋の混み具合やテン場の状況について情報交換する機会が多くなる。こちらが大きい荷物を持っているので、聞いてくるのだろう。
前日、旭岳の登りのとき会った夫婦が黒岳から下ってきた。聞くと、前日旭岳を下山後に層雲峡に回り、今日登ってきたとのこと。大雪山は縦走が魅力の山と思っていたが、車で登山口から登山口へ移動し、それぞれの山に日帰りで登る人も多いようだ。層雲峡登山口と黒岳の間には、まだ雪がたくさん残っているので注意して下さい、と言われた。
きつい登りからゆったりした尾根に変わる。振り返ると北鎮岳や北海岳などの眺めがいい。黒岳頂上に上がる。
ここも見事な360度展望。今回登ってきた山々が見渡せた。とりわけ北鎮岳が大きく、この山からの展望の主役である。「白鳥の雪渓」も見えるが、まだ残雪が多く、言われて初めて白鳥の形とわかるくらいだ。
展望盤によれば旭岳も、間宮岳の後ろに頭だけ出している。そして反対側、層雲峡の先のニセイカウシュッペ山やそれに続く山並み、旭川市方面の平野もすっきりと見える。
北海道警察のヘリが、黒岳のすぐ上空にやって来た。登山者に向かって、拡声器で何かを注意しているようだがよく聞き取れない。ヒグマが出たから注意して下さい、とも聞こえたのだが。
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