2018年4月28日(土) 前日発 |
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練馬IC |
14:30 |
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関越自動車道 北陸自動車道 日本海東北自動車道 豊栄SA泊 |
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瀬見温泉IC |
5:40 |
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国道290号他 |
6:15 |
南大平ダム湖公園 |
6:35 |
6:50 |
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見晴し台 |
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7:37 |
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臥牛展望 |
◇ |
8:37 |
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佐渡展望 |
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9:30 |
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大平山 |
9:55 |
10:43 |
3市村境界 |
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11:40 |
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坂東沢 |
11:45 |
12:10 |
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351m点 |
12:20 |
13:20 |
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南大平ダム湖公園 |
13:30 |
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国道290,460,49号 百花の里 城山温泉立寄り |
18:00 |
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阿賀野市保田地区(旅館 グリーン会館泊) |
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今年のGWは後半に中国地方の山に登る予定だったが、雨予報で取り止め。天気の良い前半に新潟の山に行くこととした。
下越村上市の大平山(おおだいらやま)は標高500m台なのに山中には深いブナの原生林を持っているという。数年前にブナの名山、高坪山に登った時は当初、どちらに登るか最後まで迷っていた。
下越地方にはこの他櫛形山、新保岳などブナで知られた低山が多い。ブナに関してはブナ100のページに書くとして、ここでは大平山登山一般の記録を記す。
ブナの新緑
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前日の午後東京の自宅を車で出発。関越、北陸自動車道、日本海東北自動車道と高速を乗り継ぎ、有料区間最後のパーキングである豊栄で久しぶりに車中泊する。
大平山の登山口は豊栄からでも1時間近くかかるので、この先のPAに停めたいのだが、その手前に無料区間に移るための料金ゲートがあり、今日中にそれを通過すると平日の割高料金となってしまうのだ。
翌朝5時に出発する。瀬波温泉ICから国道、広々とした越後の地をいく。田んぼには水が張られているところもあるが、田植えはまだのようだ。
南大平の集落に入り農道のような細い道を走っていくとやがて、南大平ダム湖公園に着く。小さなダム湖とキャンプ場、少し離れたところになぜかプラネタリウムがある。ヤマザクラの下に車を停め、登山口に入る。
初めからなだらかな道だがややぬかるんで滑りやすい。あずまやを過ぎ、ゆったりとした登りが続く。このあたり、標高の低い部分はオオカメノキ、クロモジ、カエデなどの落葉樹林で、明るい新緑に包まれた快適な道だ。先の尖った鋸歯の卵形の葉、類似が多すぎて同定は自分にはまだできない、が、一応ヤマザクラにしておこう。
新葉が盛んに出ている車輪状の照葉樹はおそらくユズリハである。もっと暖かいところで見られる高木のイメージがあるが、日本海側の山でもよく低木層を構成する一員としてよく見られるようだ。
登山道は左に杉の人工林、右に雑木林となる。杉林はけっこう上の方まで続いていて、ブナ原生林の山でも下の方は人の手がかなり入っている様子だ。大平山にこの登山道が整備されたのは平成16年というから、まだ新しいうちに入る。それ以前は登山の対象ではない、地元の人にとっての収穫の山だったのだろう。
足元にはチゴユリ、オオタチツボ、マキノスミレを見るが山野草はそれほど多くなさそうだ。
臥牛展望という場所に着く。村上市の北方に臥牛山があり、昔の城郭でお城山とも呼ばれている。今は園地化されていて誰でも気軽に登れるらしいが、県で一番低標高のブナ天然林があることで知られている。その山の展望できる場所ということだが、あいにく木が伸びたせいか眺めはなかった。
杉林と引き継ぐように、ブナが現れ始める。標高は300mを超えたくらいだ。瑞々しい新緑の間から大平山と思われるピークを垣間見る。まだかなり遠そうだ。
佐渡展望というところは目立たないピークで、登山道はここで右に方向を変える。佐渡は見えなかったが木々の緑も芽吹き程度のものが混ざり、正面に大平山の山頂部が見やすくなった。
山頂に近づくにつれ巨樹の森となる。斜度を失い、ブナの木の間をくぐり抜けると大平山山頂に着く。山頂もブナが多いが、北東側がわずかに開かれている。光兎山か鷲ヶ巣山だろうか、まだ残雪を光らせた山が見えた。
山頂から先にも道があり、この大平山は登山口の南大平公園を起点として一周ができる。地図上でちょうど四角形を描くようなルートである。今までの登山道よりさらに新しい道だが、残雪も道の上にはなく迷うようなところはない。
ブナの道は続き、ハウチワカエデも多い。今年初めてイワウチワを見る。3市村の境界である580m点は大平山よりも高く、今日の最高点である。飯豊、朝日の眺めがあるとのことだがよくわからない。
登山道ははっきりした尾根筋で、痩せた岩場状のところもある。木の間から時折、朝歩いた新緑の稜線が見える。補助ロープの張られた急斜面を交えながら全体的には下り傾向で登降を繰り返していくうち、493mの小ピークに着く。坂東沢という名前で呼ばれているようだが沢筋があるわけではない。
そこからは若干尾根を外れ、南斜面をトラバースする滑りやすい道になる。何しろこの一周コースは事前にあまり情報が得られなかった上、はっきりしたテープもついていない。不安になるが少し下ると道ははっきりした。
再び尾根上となる。展望は乏しいがオールグリーンのブナ稜線は続く。次第に高度を落として351m点に到達し、眺めが得られた。ここのブナ大木は太い枝が切られており、過去に人の手が入っていた形跡を見た。
四角形ルートの最後の右折点である。北方向へ下っていく。
途中で林道に通じると思われる踏み跡が下りていたが、テープだけで標識などはなかった。このまま尾根筋の登山道を行く。蕾が開きそうなイワカガミがあった。
標高300mを割って杉林をかすめるようになり、さすがに藪っぽさが出てきたがブナはまだ見られる。こんな低いところでもブナがあるとは、さすが新潟の山である。
最後は急な杉林の斜面をジグザグに下り、林道に降り立つ。先ほど見たテープの入口に通じていた林道だろう。しかしその林道の山に入っていく方向は荒れ気味で、進入を避けてほしい意か、簡単な行き止まりの指示板が立っていた。ちょっと怖い丸太の橋で川を渡ると、朝出た南大平ダム湖公園の芝地に出た。
これで一周。コースタイムを大幅に上回ってしまった。評判通りすばらしかったブナの観察と撮影にそれだけ時間をかけていたのも理由のひとつだが、自分の脚力も下降線をたどっているのを嫌でも知らされた。
軽トラからおじさんが下りてきたので挨拶する。このへんの道路(登山道?)の整備にあたっている方らしいが、最近はあまり登っていないという。東京から来たと言うとびっくりされ(新潟では誰でもびっくりするようだ)、先日も登山ツアーの大きなバスがここにやってきて、都会の人はこんな小さな山までよく知っていると驚いていた。
標高130mの平地はさすが暑い。4月でもうこんな気候だと、今年の夏はどうなってしまうのだろうか。