山の写真集 > 谷川岳・越後・信越 >越後白山
  • -歴史ある古刹と信仰の霊峰-
  • 慈光寺-尾根線-白山-天狗の腰掛-慈光寺
  • 越後
  • 新潟県
  • 白山(1012m), 袴腰(798m)
  • 2018年4月29日(日)
  • 7.9km
  • 5時間25分
  • 882m(黄金の里会館-白山)
  • グリーン会館(保田・前夜泊)
  • さくらんど温泉
  • マイカー
天気1

 

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2018年4月29日(日)
グリーン会館(保田) 5:15
  県道41,571号他
6:05 黄金の里会館駐車場 6:20
6:30   慈光寺 6:35
6:40   尾根線登山口(1合目)
7:20   3合目 7:25
8:10   5合目
8:58   7合目
9:13   8合目 9:20
9:45 白山 10:25
11:18 天狗の腰掛 11:23
11:30 袴越 11:35
12:05 5合目
12:42   鉄塔
13:00   慈光寺
13:10 黄金の里会館駐車場 13:20
  県道67号,国道403号他
さくらんど温泉立寄り
16:15 三条燕IC
  北陸自動車道
関越自動車道
21:35 練馬IC

 

五泉市村松地区の白山に登る。昨年同時期に登った粟ヶ岳と山域は近い。
前日村上市の山に登った後、安田地区まで来て宿泊。白山登山口までは車で約40分。壁のように連なる山並みに向かって運転していく。白山はどれかすぐにわかった。この村松地区の山ではひときわ高い、堂々とした独立峰。霊山の風格があった。

日本ブナ百名山・越後白山
前日の大平山へ


白山の登山口である慈光寺に向け、県道を走っていく

黄金の里会館から慈光寺へ向かう道は樹齢300年といわれる杉が立ち並ぶ

荘厳な杉並木

慈光寺の開山は1403年(室町時代)。滝谷慈光寺サイト

慈光寺

慈光寺から沢沿いの道を通って登山口へ。ここはヤマヒルが出やすいらしい

登山口へ

登山口からはいきなりの急登。はじめは杉とブナなどの針広混交林

杉から広葉樹へ

きつい登りをブナの若葉色が癒してくれる

ブナ若葉

2合目付近は緑に染まってしまいそうな新緑の森

2合目

3合目を過ぎるとブナの純林帯に入っていく

ブナ林へ

ブナの葉にイボ状の虫こぶ。タマバエという虫が中に幼虫を産み付けているそうだ。色と形で様々な虫こぶが見られた。日本ブナ百名山のサイト参照

虫こぶ

ナガハシスミレ

ナガハシスミレ

トキワイカリソウ。新潟の山で見るイカリソウは関東で見るピンク色の種は少なく、白いものが多い

トキワイカリソウ

5合目を過ぎるとブナ林の純度はさらに増す

5合目

タムシバが咲く

タムシバ

6合目付近のヤセ尾根で、北東側の眺めが開ける

眺めが開ける

8合目から上は残雪歩きとなる。周囲は芽吹き色

残雪と春もみじ

白山避難小屋は山頂のすぐ近く

白山避難小屋

小屋横の貯水溝には、たくさんのサンショウウオが孵化していた

サンショウウオ


登山口は慈光寺だが、その500mほど手前の黄金の里会館の駐車場に停める。ガイド地図には慈光寺にもPマークが付いているので、そこまで行っても良さそうなのだが、ここから慈光寺までの厳かな雰囲気の杉林の参道から歩き始めるのがこの山の登り方の正しい作法なのか、皆そうしているようだ。
不動堂の先に慈光寺がある。階段を上り山門をくぐると大きな伽藍が建ち並び、厳粛な雰囲気。ドンドン...と太鼓が鳴った。起床の合図のようで、奥の建物から人が出て来た。敷地には残雪がまだあった。

沢沿いの登山道に入る。ほどなく1合目の標識。始めから新緑のトンネル、しかし急登である。手を使って登るようなところも。昨日の大平山がゆったりタイプだったので、これが越後の山の本当の登り方だと変に納得する。
杉、トチ、オオカメノキに混じって早くもブナが登場する。北斜面の登りではあるが、いくぶん東側を向いているので朝日をいっぱいに受け新緑の木々はこの上なく輝いていた。
このきつい登りが山頂まで続いたらいやだがそんなことはなく、3合目の杉林の台地でおさまる。ここからは白山尾根と呼ばれる尾根を登っていく。

少し休憩して進むと、一転して穏やかな平坦道。そしてブナの純林となった。直径1m近くの大ブナもある。
距の長いナガハシスミレが現れた。ユキグニミツバツツジも新緑の中映えている。4合目の表示前後からシデ、ユキツバキなどが中層を形成するようになるが、5合目あたりで再び純林に。登りのきつい山も途中でこういう緩衝地帯は必ずある。
ブナの若葉を見ると、丸い緑のものが付着していた。虫こぶというもので、寄生生物の仕業である。虫こぶはこの後茶色、ピンク色などさまざまなものが見られたが、詳細はブナ100のページで書きたいと思う。

道はややヤセ尾根になり、左側に正対する田村線の尾根とともに、遠くの景色が見えるようになってきた。6合目付近で新緑の木々も明るい若葉が目立つようになり、空が明るくなる。このあたりは馬の背というところか。


尾根線5合目のブナ巨樹(直径1m)  拡大


ところどころ、ルートが2つに分かれてはすぐに合わさることがある。おそらく残雪がある時期に回避ルートとして踏み跡が残っていたのと、正規のルートが並行しているのだろう。今このあたりに残雪はないが、道脇には雪がだんだん見られるようになってきた。足元にはイワウチワ、トキワイカリソウ、ショウジョウバカマ、そしてカタクリも残雪の消えたところに咲き始めている。

さらに登っていくとブナは芽吹き程度になり、8合目の標識でここからは残雪の上を歩くことになった。
ブナは冬芽である。雪が残っていても葉を出しているブナの図もよく見ていたが、ここははっきりと区分けられているようで、雪解けとともに開葉しそうである。
白山は標高差が大きく、下部と山頂近くでずいぶんと季節感が違う。今日のような初夏の陽気でも、山頂が近づくころには冬の姿に戻っている。
サングラスを取り出し、念のためアイゼンをつけていく。急な雪面を越えるとすぐに9合目、脇に雪のない踏み跡が伸びていたがこのまま雪の上を行く。

最後は雪解けの水の流れの中を歩き、白山避難小屋の前に出た。再び雪の上を2分ほど、北面の展望広がる白山山頂に着く。最高点も雪の上で、矮小化したブナが点在している。鐘がぶら下がっていたが山名標識や祠は雪の下なのか、見られなかった。
春霞の中、村松地区方面の眺めが広がるが山の姿は先ほどの避難小屋近辺のほうがいい。戻って小屋の前でひと休みする。宝蔵山から粟ヶ岳にかけての残雪豊かな山並みが広がっていた。ここを縦走する人もけっこういるようである。

避難小屋の裏手からは粟ヶ岳が大きい。白山からの縦走路は健脚者向け

粟ヶ岳が大きい

白山山頂の祠と山名標はまだ雪の下のようだ。ブナに吊るされた鐘だけが山頂であることを示す

山頂の鐘

ブナの開葉直前。雄花が先に出てくる

開葉直前

田村線の上部は残雪の急斜面を下っていく

田村線は残雪

ブナ老樹「天狗の腰掛」はひとり異彩を放っている

天狗の腰掛

カタクリは尾根線、田村線どちらでも見られた

カタクリ

イワウチワもあちこちで咲いていた

イワウチワ

スミレサイシン(田村線の5合目より下)

スミレサイシン

キクザキイチゲ(田村線の5合目より下)

キクザキイチゲ


続々と登山者がやってきた。田村線を登ってきたという人がいる。地元では、今自分が登ってきた尾根を「尾根線」、下る予定の尾根を「田村線」と呼ぶのが一般的なようだ。他にこういう呼び方をする山は登ったことがないので、新鮮に聞こえる。
小屋の脇に水溜め用かなにかの池があるが、板の蓋を外して中を見たら、たくさんの卵とともにサンショウウオが何匹も、重なって泳いでいた。こんなに近くでサンショウウオを見たのは初めてだ。今は雪に覆われているが、近くに鯖池という池があり、本来はそこにサンショウウオが多く住んでいるのだろう。
卵は鶏の卵と同じくらいの大きさが、水の中に10個以上あった。思わぬところに自然の息吹を目の当たりにすることができた。

田村線を下山する。最初は急坂だが、雪が緩くなってアイゼンが逆に危険になってきたので、途中で外した。
こちらから登ってくる人も結構いる。雪は尾根線に比べかなり下のほうまで残っていた。ブナの木の枝が折れて雪面に落ちており、花のつけた写真が撮れた。

鞍部になり、7合目付近では芽吹きから淡い緑が戻ってくる。雪の消えた平坦な道を行くと、「天狗の腰掛」というブナ巨樹の出迎えである。直径125cmのアガリコ(枝を切られた跡に新しい枝が生え、奇怪な形をつくる)ブナだ。周囲は直径50cmほどの壮年期のものばかりで、登山道の真ん中に仁王立ちしたこの老樹が異彩を放っている。この老樹も新しい葉を出しており、生命力の強さを感じる。
その場を離れ、振り返ると天狗の腰掛がまだ周囲を威圧していた。そこからやや登り返しとなり、袴越という小ピークで休憩する。淡い緑が目に優しく、心落ち着くひと時だ。

登山道はこの先、少しわかりにくい部分がある。いったん尾根を外れて、テープにしたがい左手の少し下がった鞍部に下りていく。残雪の道となり少々不安になるが、足跡がたくさんついているので大丈夫だろう。5分弱の歩きで尾根に戻った。
ブナの葉についた、淡紅色で毛のついたきれいな虫こぶを見た。

「慈光寺」表示のある5合目で杉林が現れ、はっきりとした下山となる。しばらくはロープのついた急坂で滑りやすい。カタクリ、イワウチワ、スミレサイシン、キクザキイチゲと春の花が立て続けに見られた。
標高を下げるに従い暑く感じてくる。送電鉄塔のすぐ先が2合目、登山口までの標高差はまだ200m近くある。さらに急な下りを経て1合目、慈光寺の伽藍の屋根が見えてきたころ、これまた奇怪な形をしたブナ巨樹が、しかも2本あった。これも過去に枝を切られた跡がある。天狗の腰掛の仲間がこんなところにいた。

お堂で無事下山の一礼をし、階段を下って慈光寺への下山となった。まだ4月とは思えない、暖かいを通り越した初夏の陽気である。そんな中杉林の参道は涼しく、気持ちを登り始めのときの新鮮な気持ちに戻してくれた。
黄金の里会館駐車場へは13時過ぎの到着。昨日同様、長い時間をかけての登山となった。でも芽吹きと新緑、花、展望、残雪とすべての山の要素が満足のいくものだった。

下山後立ち寄った村松のさくらんど温泉からは、やはりひときわ高く立派な白山の姿がよく眺められた。これこそ越後の山、そんな印象を強く持ち新潟を後にする。

日本ブナ百名山・越後白山
前日の大平山へ