-アルプスから海への一本道-
タイトル
北又小屋-朝日岳-犬ヶ岳-白鳥山-親不知
山域北アルプス
地域富山県・新潟県
標高イブリ山(1791m)、朝日岳(2418m)、犬ヶ岳(1593m)、白鳥山(1287m)他
山行日2010年9月24日(金)~26日(日) 天気天気天気
沿面距離1日目:5.8km、2日目:12.6km、3日目:13.7km
歩行時間1日目:5時間30分、2日目:6時間50分、3日目:7時間10分
標高差1725m(北又小屋~朝日岳)
宿泊朝日平(テント泊)、栂海山荘
温泉親不知観光ホテル(入浴)
交通急行能登、北陸線、タクシー、上越新幹線Home

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行程

2010年9月25日(土)

朝日平6:45
7:45朝日岳8:05
8:35吹上のコル8:40
9:15長栂山9:20
9:50アヤメ平
10:55黒岩平11:10
11:40黒岩山11:45
12:07文子ノ池
12:55サワガニ山13:15
13:55水場分岐14:10
14:45犬ヶ岳15:00
15:10栂海山荘
(栂海山荘泊)


関連リンク
[記録] 白馬岳から朝日岳
朝日町
朝日小屋
親不知観光ホテル


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一転してアルペン的雰囲気に (9/25 黒岩山~サワガニ山~犬ヶ岳)   Page 1 2 3 4 5   


さて、黒岩山はどのピークであろうか。また、この先にでこぼこした長い尾根が伸びているが、いったいどこに続いているのか。登り気味に見えるので、栂海新道とは別の道であろうと思った。
しかし登山道は、その明瞭な尾根を目指しているようだった。
黒岩山の直下で中俣新道を分け、ピークに登る。黒岩山からの眺めも素晴らしい。しかしその先、道はさっきから見えている稜線に続いていた。地図と照らし合わせて、サワガニ山や犬ヶ岳を確認した。よく見ると、犬ヶ岳から少し下ったところに赤い屋根の小屋が立っていた。


犬ヶ岳頂上

しかしどう見ても、あのあたりの尾根は今いる黒岩山より高い。黒岩山は標高1624mに対し、サワガニ山1612m、犬ヶ岳1593mと、小差ではあるが高度は下がるはず。

目の錯覚であろうか。また心理的なことも作用しているのかもしれない。下山路途中でほぼ平らな稜線を見たとき、登りに見えてしまうこともある。
それにしても特徴ある台形型の犬ヶ岳は、回りの稜線上のいくつものコブからひときわ抜きん出た、堂々とした高峰の姿である。

黒岩山からは、まずやせた尾根を急降下。黒岩平までは、針葉樹林と池塘をちりばめた伸びやかな草原の道だったが、ここから先は雰囲気がガラッと変わり、アルペン的な尾根歩きに取って代わった。やはりここも北アルプスの一部なのだ。


向こうのほうが高い
サワガニ山
ピークが立ち並ぶ
うねる稜線
山荘まで少し
栂海山荘

基本的にヤセ尾根伝いに行くのだが、いくつものな小さなピークを越える。そしてどのピークも必ず一番てっぺんを通るよう、道がつけられている。
サワガニ山に到着する。眺めはよく、朝日岳から今まで歩いてきた稜線が一望のもとだ。犬ヶ岳もずいぶん大きくなってきたがまだ遠い。いまだにあちらのほうが高く見えている。
ザックの様子を確認すると、ガムテープの間から荷物が飛び出しそうになっているが、細引きのおかげで大事には至っていない。

サワガニ山からは下りとなり、水場への分岐に達する。栂海山荘付近には水がないので、ここ北又の水場で必要量を担ぎ上げる。水場へは往復10分程度だが、けっこう下る道だ。
水場から犬ヶ岳まで、5万分の1の地形図を見た限りでは、登ったあと比較的同標高の稜線歩きになるように思えるが、実際はピークを4つ越えることとなる。2万5千図ならその地形がよくわかる。
初めの1592mピークへは急登である。サワガニ山から見たこのピークへの道は、右側を巻くように見えていたのだが、やはりこのピークも一番高いところを踏むように道がついていた。水補給による約3kgの追加重量が、腰にズシンとくる。

登った後はすぐ下り。ロープのついたガレ場を登ってまた下る。このあたりの地形は、2本の尾根が合流するところなので稜線は湾曲しており、崩れ気味になっている。
ダメ押しでもうひとつコブを越え、ようやく犬ヶ岳頂上に登りついた。

重い荷物に耐え、よくここまでたどり着けたものだ。展望は360度、黒岩平からうねうねと伸びた尾根がよく見える。東側には頚城山塊方面の眺めもすばらしい。焼山の三角形がよくわかる。
同じ方向にある白っぽい塊は明星山だろうか。ヒスイの産地として知られた山である。南側は雲に隠れた北アルプス方面も見えるが、このあたりの山塊を見渡すなら、やはりどうしてもここ犬ヶ岳の標高が一番高い印象である。

細長い山頂から続く稜線上には栂海山荘がある。日本海もまた近くなりうれしいが、それよりも明日のコースである、白鳥山に続く尾根道に目がいってしまう。
5分ほど下って、栂海山荘に到着。朝日小屋泊の先客がひとりいた。そういえば朝日岳からここ栂海山荘まで結局、誰にも会わない歩きとなった。
今日栂海新道を歩いている人はもう1グループいたようだが、この先の白鳥小屋まで行ってしまったようである。すごい健脚だ。

栂海新道は、地元の小野建さんとその仲間が独力で、10年かけて切り開いた登山道である。開通は昭和46年。
この栂海山荘もその当時から立てられていた小屋で、何回かの改築・増築を重ねながら、縦走者のよい中継基地として現在に至っている。
無人の自炊小屋だが、毛布は置いてあった。宿泊料は寸志として箱に入れるようになっており、毛布代は200円である。

北アルプスや北信五岳、日本海などの展望に秀でた場所にある小屋で、単に北アルプス縦走の中継地としてではなく、この犬ヶ岳を目的とした登山も十分楽しめる。
北アルプスの北側に、こんな原石のような山塊が控えていたとは、新鮮な驚きだった。

日の出ているうちは暑いくらいだったが、夕刻になるとガス一色となった。同宿の方と山の話をしながら食事をし、6時すぎに就寝する。



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