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2010年9月25日(土)
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◇ | 朝日平 | 6:45 |
7:45 | 朝日岳 | 8:05 |
8:35 | 吹上のコル | 8:40 |
9:15 | 長栂山 | 9:20 |
9:50 | アヤメ平 | ◇ |
10:55 | 黒岩平 | 11:10 |
11:40 | 黒岩山 | 11:45 |
12:07 | 文子ノ池 | ◇ |
12:55 | サワガニ山 | 13:15 |
13:55 | 水場分岐 | 14:10 |
14:45 | 犬ヶ岳 | 15:00 |
15:10 | | 栂海山荘 (栂海山荘泊) | ◇ |
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一転してアルペン的雰囲気に (9/25 黒岩山~サワガニ山~犬ヶ岳)
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さて、黒岩山はどのピークであろうか。また、この先にでこぼこした長い尾根が伸びているが、いったいどこに続いているのか。登り気味に見えるので、栂海新道とは別の道であろうと思った。
しかし登山道は、その明瞭な尾根を目指しているようだった。
黒岩山の直下で中俣新道を分け、ピークに登る。黒岩山からの眺めも素晴らしい。しかしその先、道はさっきから見えている稜線に続いていた。地図と照らし合わせて、サワガニ山や犬ヶ岳を確認した。よく見ると、犬ヶ岳から少し下ったところに赤い屋根の小屋が立っていた。
犬ヶ岳頂上
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しかしどう見ても、あのあたりの尾根は今いる黒岩山より高い。黒岩山は標高1624mに対し、サワガニ山1612m、犬ヶ岳1593mと、小差ではあるが高度は下がるはず。
目の錯覚であろうか。また心理的なことも作用しているのかもしれない。下山路途中でほぼ平らな稜線を見たとき、登りに見えてしまうこともある。
それにしても特徴ある台形型の犬ヶ岳は、回りの稜線上のいくつものコブからひときわ抜きん出た、堂々とした高峰の姿である。
黒岩山からは、まずやせた尾根を急降下。黒岩平までは、針葉樹林と池塘をちりばめた伸びやかな草原の道だったが、ここから先は雰囲気がガラッと変わり、アルペン的な尾根歩きに取って代わった。やはりここも北アルプスの一部なのだ。
| 向こうのほうが高い |
| サワガニ山 |
| ピークが立ち並ぶ |
| うねる稜線 |
| 山荘まで少し |
| 栂海山荘 |
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基本的にヤセ尾根伝いに行くのだが、いくつものな小さなピークを越える。そしてどのピークも必ず一番てっぺんを通るよう、道がつけられている。
サワガニ山に到着する。眺めはよく、朝日岳から今まで歩いてきた稜線が一望のもとだ。犬ヶ岳もずいぶん大きくなってきたがまだ遠い。いまだにあちらのほうが高く見えている。
ザックの様子を確認すると、ガムテープの間から荷物が飛び出しそうになっているが、細引きのおかげで大事には至っていない。
サワガニ山からは下りとなり、水場への分岐に達する。栂海山荘付近には水がないので、ここ北又の水場で必要量を担ぎ上げる。水場へは往復10分程度だが、けっこう下る道だ。
水場から犬ヶ岳まで、5万分の1の地形図を見た限りでは、登ったあと比較的同標高の稜線歩きになるように思えるが、実際はピークを4つ越えることとなる。2万5千図ならその地形がよくわかる。
初めの1592mピークへは急登である。サワガニ山から見たこのピークへの道は、右側を巻くように見えていたのだが、やはりこのピークも一番高いところを踏むように道がついていた。水補給による約3kgの追加重量が、腰にズシンとくる。
登った後はすぐ下り。ロープのついたガレ場を登ってまた下る。このあたりの地形は、2本の尾根が合流するところなので稜線は湾曲しており、崩れ気味になっている。
ダメ押しでもうひとつコブを越え、ようやく犬ヶ岳頂上に登りついた。
重い荷物に耐え、よくここまでたどり着けたものだ。展望は360度、黒岩平からうねうねと伸びた尾根がよく見える。東側には頚城山塊方面の眺めもすばらしい。焼山の三角形がよくわかる。
同じ方向にある白っぽい塊は明星山だろうか。ヒスイの産地として知られた山である。南側は雲に隠れた北アルプス方面も見えるが、このあたりの山塊を見渡すなら、やはりどうしてもここ犬ヶ岳の標高が一番高い印象である。
細長い山頂から続く稜線上には栂海山荘がある。日本海もまた近くなりうれしいが、それよりも明日のコースである、白鳥山に続く尾根道に目がいってしまう。
5分ほど下って、栂海山荘に到着。朝日小屋泊の先客がひとりいた。そういえば朝日岳からここ栂海山荘まで結局、誰にも会わない歩きとなった。
今日栂海新道を歩いている人はもう1グループいたようだが、この先の白鳥小屋まで行ってしまったようである。すごい健脚だ。
栂海新道は、地元の小野建さんとその仲間が独力で、10年かけて切り開いた登山道である。開通は昭和46年。
この栂海山荘もその当時から立てられていた小屋で、何回かの改築・増築を重ねながら、縦走者のよい中継基地として現在に至っている。
無人の自炊小屋だが、毛布は置いてあった。宿泊料は寸志として箱に入れるようになっており、毛布代は200円である。
北アルプスや北信五岳、日本海などの展望に秀でた場所にある小屋で、単に北アルプス縦走の中継地としてではなく、この犬ヶ岳を目的とした登山も十分楽しめる。
北アルプスの北側に、こんな原石のような山塊が控えていたとは、新鮮な驚きだった。
日の出ているうちは暑いくらいだったが、夕刻になるとガス一色となった。同宿の方と山の話をしながら食事をし、6時すぎに就寝する。
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