「日本海→」と赤ペンキで書かれた岩、4年ぶりにこの岩の前に立った。
ここは朝日岳山頂下、吹上のコルである。今日ついにこの矢印の方向に向かう。
標高差2400m、全長27km。北アルプスと海を結ぶ大縦走路を歩くことを、ここ数年来考えていた。

どの季節がいいのか。やはり高山植物の楽しめる夏がいいのだが、何しろ2400mから0mまで下るので、標高の低いところでは苦行となる。2日目は無人小屋泊となるため、水も多めに持たなければならない。
暑さを避けて初夏の時期となると、残雪が多い上に登山道の刈り払いが行われていない可能性もある。やはり秋だろう。一番高いところで紅葉が始まる9月下旬頃が、暑さ寒さにそれほど悩まされることなく、このコースのひとつの適期と思われる。

東京から見て日本の裏側にある山域であり、そう簡単に何度も行けるところではない。9月の天気は変わりやすく、今回も23日に前線による大雨があった。日本の東を通過する台風も気がかりである。
悪天候の間隙をついて、24日から2泊3日で出かけた。
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この岩を越えることが日本海への第一歩

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