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2010年9月25日(土)
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◇ | 朝日平 | 6:45 |
7:45 | 朝日岳 | 8:05 |
8:35 | 吹上のコル | 8:40 |
9:15 | 長栂山 | 9:20 |
9:50 | アヤメ平 | ◇ |
10:55 | 黒岩平 | 11:10 |
11:40 | 黒岩山 | 11:45 |
12:07 | 文子ノ池 | ◇ |
12:55 | サワガニ山 | 13:15 |
13:55 | 水場分岐 | 14:10 |
14:45 | 犬ヶ岳 | 15:00 |
15:10 | | 栂海山荘 (栂海山荘泊) | ◇ |
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いくつもの湿原を渡り歩く (9/25 朝日岳~吹上のコル~アヤメ平~黒岩平)
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朝はそれほど冷えなかった。曇りがちだったからだろう。
装備にトラブルが発生した。ザックのファスナーが壊れて、閉まらなくなってしまったのだ。
今日のザックは、フロントがファスナーで開閉するタイプだ。ザックを寝かせたまま収納できるのでパッキングがしやすい。反面、そのファスナーが閉められないとパッキングが不可能になる。ファスナータイプのザックの弱点がもろに出てしまった。
今までもファスナーの調子はよくなく、ごまかしごまかし使っていたのだがこんなところで壊れてしまった。朝日小屋でガムテープを借りてきて開かないようにはしたが、これだけではだめ。靴ひものスペアや、テントについている短い細引きで、ザック全体を縛ろうか。そうしているうち、昨日タクシーに同乗した人がやってきて、長い細引きを貸してくれたので、ザック全体をしっかりと縛ることができた。
一時は下山も考えたが、これでなんとか行動を続けられそうだ。非常にありがたかった。
照葉ノ池付近から朝日岳を望む
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予定より出発が1時間ほど遅れてしまった。でも今日は栂海山荘まで行ければいい。少し時間に余裕はある。
小屋泊の人は全員出発し、スタッフが外でラジオ体操に出てきた。空一面が雲の中を出発。まず朝日岳を目指す。少し登ったところで振り返ると、草紅葉の朝日平の背後に、日本海の青い眺めが広がっていた。
| 朝日平を見下ろす |
| 青空が広がる |
| 剱岳 |
| チングルマ |
| 朝日ノ池と日本海 |
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稜線のミネカエデなどの潅木はきれいな黄色になっている。曇っているが遠望がきき、白馬岳や剱岳が大きい。しかし風が強くうすら寒い。
4年ぶりの朝日岳に到着する。東側の眺めも大きく広がった。今日は関東地方など太平洋側の天候はよくないようで、遠くの景色ほど厚い雲に覆われている。一方こちらは、次第に青空の面積が大きくなり、気持ちのよい秋空になってくれた。
北東の斜面を下る。同じ風でも、曇りのときとお日様が出ているときとでは、頬に当たる感触が違う。綿毛のチングルマも陽光をいっぱいに受け、キラキラ輝いている。
進む方向を見下ろすと、蓮華温泉に通じる五輪尾根、そしてその左手の台地に紅葉した湿原があった。あれは栂海新道のエリアだろう。谷間から覗く日本海は意外と近くに見える。
五輪尾根との分岐点、吹上のコルに下りて来た。北に進む。大岩を乗り越え小さな樹林帯をくぐると木道になり、大きな池を渡る。さっき朝日岳山頂下から見えていた台地だ。ハイマツの緑にカエデの黄とナナカマドの赤の対比が鮮やか。朝日岳をバックに池の写真を撮る。
この先にあるもうひとつの池が照葉(てるは)ノ池というものだが、植生保護のため登山道は通じていない。以前は格好の幕営地だったのかもしれない。
| 吹上のコル |
| 照葉ノ池 |
| 地を這うダケカンバ |
| 黒岩平へ |
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今は木道や登山道以外の立入はもちろん禁止である。登山者はそれで満足しなければいけない状況に、日本の山はなっている。
しかし昔は、木の枝を折って焚き火をしたり、空き缶を捨てたり、ハイマツの枝を振り回してライチョウを追いかけたりなど、自由奔放が出来た時代があったらしい。当時の小説やエッセイを読むと、そのようなことが書かれている。
その頃に比べて、歩く人が格段に増えた現在、そういった行為は許されなくなった。
少しガスってきた。砂礫地の長栂山(2267m)の横に来る頃には、前方が真っ白になる時間のほうが多くなってきた。
道は樹林下の長い下りに入る。やがて開けた場所に出た。アヤメ平のようだ。夏にはアヤメの群落になるという。少し先に、地べたを這うように伸びたダケカンバの樹林帯があった。このあたりは雪が遅くまで残るので、樹木は横方向に枝木を発達させることにより、雪の重みや風から自らを守っているのだろう。
草紅葉に混じってオヤマリンドウ、ワレモコウ、シラネセンキュウが咲いている。再び急な下りとなる。アヤメ平以降、水の流れに沿って歩く部分が増えた。ぬかるみや段差も多く、やはり北アルプスというよりも越後の山の印象が強い。 下っていく途中、樹林の先から大きな湿原を見下ろす。黒岩平はアヤメ平よりずっと広く開放的だ。小さな沢が流れ、気持ちのよい場所である。
池塘の周囲につけられた登山道が水の中に没しているのもご愛嬌というか、必要以上に手が入れられていないところに好印象を持つ。
標高が一段下がり、草紅葉は目立たなくなってきたが天気は回復し、稜線にかかっていた雲もとれた。湿原の草地を歩いていくとベンチと標識があった。草むらに祠と地蔵碑が埋もれるように佇んでいる。広い眺めを目の前に小休止する。
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