2006年8月5日(土)~8月8日(火) |
花園三角点を過ぎるとしばらくはブナ林帯。長く急な下りである。飯豊や朝日(山形)の険しい登山道とオーバーラップする。 標高を下げ暑さもかなりのものになってくる。朝日小屋からの下山者(ほとんどがそういう人と思われるが)はこのへんで疲れが出始めるようで、木陰や道脇で休んでいる人が見受けられる。自分の足もかなり悲鳴を上げ始めている。 ゴゼンタチバナ、キスミレ、カラマツソウ、コイワカガミなど見られる花の顔ぶれも変わってきた。 沢音が聞こえてくる。ようやく白高地沢に下る。水を補給し、きなこ餅を食べる。 橋を渡って登り返す。このへんから登りの道が多くなってくるが、最後の最後に高度差300mを登らされることを思えば、これくらいはちょうどいい準備運動と思うようにする。
瀬戸川で再び水を補給しようと思ったら、水面は橋のはるか下なので出来なかった。水には余裕があるから大丈夫だろう。 立派な橋で対岸に渡り、さあこれから問題の300m登り返しが始まる。2418mの朝日岳から1160mのここまで一気に1250mを下ったが、フィナーレの蓮華温泉は1470mである。最後に標高差300mを登り返して終了、というコースは滅多にない。 石のゴロゴロした急坂を登る。すぐに沢筋で水が得られる。ほどなく土の穏やかな道となり、歩きやすくなる。もうこうなったら、じっくりゆっくり行くしかない。 やがて木道が現れ、傾斜も緩まる。それでもだらだらした登りはつらく最後の力で足を前に出す。 兵馬ノ平の湿地帯で久しぶりにあたりが開け、正面に小蓮華山が望める。オオバギボウシ、シモツケソウの群落がここにもある。「蓮華温泉まで60分」とある。
まさに今日のコースは花三昧だ。朝日岳から兵馬ノ平まで、それぞれの場所でその標高や地質に合わせた花が咲いている。高山植物から低山に咲く花まで、1日で一通り見れてしまう。兵馬ノ平からなおも木道を登っていく。もう体力も限界だ。出会った人が「すごい山ですねー」と行ってきた。 蓮華の森キャンプ場から林道歩きとなる。ミヤマシシウドが出迎えてくれる。こうなると林道の緩やかな傾斜でも体がついていかない。それでもようやく蓮華温泉の見覚えある屋根が見えてくる。朝日平から行動時間で8時間を超える充実した1日となった。 30分後にバスが来るが温泉に入りたいためその便は諦め、最終バスに乗ることにした。出発の日、下山後に入りたい温泉と思っていたが、そういう状況になってくれた。時間を気にせずゆっくり内湯に浸かる。露天風呂まで登る気力は残っていない。 昼ご飯をほとんど食べていなかったため、食堂で食事を注文する。またカレーにしてしまった。 バス待合室で、他の登山者と山の感想を述べ合う。横で聞いていた若い運転手と氷川きよし似の車掌さんは「けっこう大変なとこだなー」とびっくりしていた。話をして若い人がビビってくれれば、登った甲斐(?)もあるというものである。 糸魚川駅から特急・新幹線を乗り継いで帰る。3日間よく歩いた北アルプスそして北陸の山だった。 |