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蓮華温泉-白馬大池-白馬岳-雪倉岳-朝日岳-蓮華温泉
2006年8月5日(土)~8月8日(火)
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●朝日岳から五輪尾根へ
8/8(火)朝日小屋~朝日岳~白高地~花園三角点~白高地沢~兵馬ノ平~蓮華温泉  晴れ

栂海新道分岐
朝日岳を下ったところにある栂海新道分岐

今回の山行で、最も印象深かったのは最終日、五輪尾根から蓮華温泉へ下る道である。

前日も充実し過ぎた行程ではあった。しかし念願の朝日岳登頂、五輪尾根上部のバラエティ豊かなお花畑、そして長い長い下りの道は、越中の山の深さの真髄を見たような気がする。朝日岳周辺は、北アルプスの山の大きさ、北陸の山の深さが同居した実に密度の濃い山行となる。

少し寝坊し、出発は5時半。小屋泊の登山者といっしょになってしまった。朝日小屋は朝食の時間がかなり早そうだ。
青空が広がり、今日はいい天気が続きそうだ。初めから多くの登山者の列の一部になって朝日岳に取り付く。整備が行き届き、昨日水平道分岐から登りかかった道よりは数段登りやすい。

朝日岳頂上から白馬の稜線
朝日岳頂上から白馬の稜線
朝日岳を下る
朝日岳を下る
五輪高原
お花畑の五輪高原
花園三角点から朝日岳
花園三角点から朝日岳

右に白馬岳~清水岳の稜線がくっきりと望める。その向こうに剱・立山も見える。ピー、ピーと鳴くのはもしかしたらウミネコなのだろうか。

登り45分ほどで、ようやく朝日岳の頂上(2418m)に着く。白馬・剱方面の展望も素晴らしいが、東側の頚城山塊(妙高、火打、焼山)、戸隠連峰の眺めが目を引く。
その右に八ヶ岳や西上州のギザギザも見えているのかと思ったが、帰ってからカシミールで調べたら朝日岳からは見えないようだ。山頂の展望盤をもっと見ておくべきだったかもしれないが、印象ではカシミールで見るよりももっと多くの山塊が朝日岳からは見えるようだ。

そしてここは日本の屋根、北アルプスの北の縁である。これより北側に高い山はない、しかしその方向には、もやで霞んだ地平線がおぼろげに見えているだけ。極北の証として海をはっきり見たいのだが、今の季節では仕方がないことか。
何年も憧れていた朝日岳、次の団体がやって来るまで、この気持ちの良い山頂にしばらく留まることにする。

名残惜しいが今日の行程も長そうだ。頚城山塊の見える方向へ歩を進める。すぐに白馬岳方面の道と分岐する。朝日岳東面は様々な花と岩稜・残雪が入り混じった快適な下り道である。
イワ(シロウマ?)オトギリ、ハクサンイチゲ、チングルマ、そして白い半球形の花塊をいくつも付けた花はタカネイブキボウフウであろう、この手の花は似たのが幾種もあって同定しにくい。

やがて下りついたところが栂海新道との分岐。大岩にペンキで「日本海へ」と書かれている。大岩の方向に行くのはいつの日か。今日は直進し、白高地に入る。
すぐに残雪歩きが2箇所続く。五輪尾根といっても尾根上を歩くことはなく、南側を巻く道がほとんどだ。沢筋を何度もまたぎ、また雪解け間もないぬかるみの道も多い。先のことを考えてスパッツを着けることにする。リュウキンカ、ミズバショウ、ハクサンコザクラ、チングルマ等花見には事欠かない。
木道やアップダウンが交互に来て、前日の白馬水平道同様、長く体力を消耗する行程となる。おまけに今日は暑い日差しがついている。右手には小蓮華山が高い位置にそびえている。

タカネイブキボウフウ

カライトソウ

沢またぎを何度かこなすうちに樹林帯の歩きも混ざってくる。右手が切れ落ちた崩壊地を回り込む場所が1箇所あり、ヒヤヒヤしながら通過する。

「蓮華の森」と書かれた小ピークを過ぎると、久しぶりに開けた場所に出る。高原状の台地がしばらく続き、はるか下にまで木道が伸びているのが見える。このへんを五輪高原というのだろう。
ニッコウキスゲやヒオウギアヤメ、キンコウカ、ワタスゲ、そしてオオバギボウシの群落まで見られる。カライトソウやシモツケソウ、ワレモコウなど濃い赤紫の花も相変わらず鮮烈な色で目に飛び込んでくる。ムシトリスミレ、オニシモツケも見られる。
五輪高原は実に色彩豊かなお花畑が展開している。残雪からしみわたる水も冷たくおいしい。標高1800m程度の地にこのような自然豊かな風景が見られるのは日本海側の山ならではであろう。

まさにその名の通りの花園三角点(1754m)は、そのすぐ先にあった。振り返ると朝日岳が堂々とした姿で見送ってくれている。


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