2006年8月5日(土)~8月8日(火) |
朝から賑わう白馬岳頂上。もやが濃く南方向の北アルプスの稜線は見えないが、雪倉岳~朝日岳側は視界よい。 三国境までは気持ちよい岩稜歩き。下り主体となりようやく荷物の重さに苦しめられずに歩けるようになる。 三国境にはコマクサが咲いている。柵を越えて写真を撮っている人が他の登山者にたしなめられている。悪びれた様子はない。こういう人が多くなってきた。 三国境から白砂の斜面をどんどん下る。コマクサが多い。少し下れば柵もなく間近に見られるのに。 庭園風に開けた幅広の稜線で、裏銀座の烏帽子岳付近に少し似ている。左下方に長池という小さな湖沼が見られるが、高山植物保護のため立ち入り禁止とのこと。
標高を下げ、再びチングルマを見る。そしていよいよタカネマツムシソウが見られ始める。色濃い紫で見事な咲きっぷり。振り返ると青空の下、白馬岳・小蓮華山がすでに高い。 初めて見る小さな花はミヤマムラサキ。最初はこんな高山にもヤマルリソウが、と思った。 相前後している女性2人組は、翌日以降栂海新道を下るとのこと。心が動くが食糧が足りないので今回は諦める。 テント装備を背負っての日本海行きはもはや体力が持たない。小屋泊まりにするか、さもなくば朝日岳からスタートするのが今の自分には現実的なようだ。 ここから鉢ガ岳には稜線通しで山頂に登るコースもあるようだが、巻き道を行く。 雪田が2箇所ありベンガラに沿って進む。シナノキンバイ、ハクサンイチゲ、ハクサンコザクラなどのお花畑が斜面いっぱいに広がっている。
最初の雪田の縁で雪解け水を補給しようとするが泥が混じってしまう。次の雪田ではきれいな水がとれた。草付の斜面を少し登るとウルップソウがまだ咲き残っている。 花の稜線はここから絶えることなく続く。さらに高度を落とし草地の斜面にはニッコウキスゲ、雪倉岳鞍部に下る砂礫の道でタカネナデシコ、そしてトウヤクリンドウも一輪咲いていた。雪解けの遅かった今年は初夏から秋口までの花が一度に咲いている。 赤いネコジャラシのようなカライトソウを初めて見る。カライトソウはこれ以降、朝日岳~五輪尾根と北アルプス越後エリアの主役であった。 雪倉岳避難小屋の脇で休憩する。10名程の登山者が行き来するが、やはり白馬岳周辺に比べ人は少ない。
ここから雪倉岳は見上げるほど高い。白馬~朝日間の稜線は大きなアップダウンが多く、どちらから登っても長くきつい行程だ。
50分近くかけて雪倉岳の急登を詰める。タカネバラを初めて見る。振り返れば白馬岳や、清水尾根の稜線がどんどんせり上がって来る。 いったん肩のようなところに上がって、さらにまだ緩い登りが続く。頂稜部が広い。登り着いた雪倉岳(2611m)には2等三角点がある。周囲はもやが多くなり、朝日岳の眺めさえもいまひとつはっきりしないが360度の展望は素晴らしい。朝日岳側から登って来る人も数人いる。 雪倉岳からの長い下りをこなすと、山の雰囲気は若干変わってくる。カライトソウ、オニアザミやシロウマアサツキなど亜高山系の花が中心となる。 そして印象深いのはシモツケソウの鮮やかなピンク色である。もう見慣れた花だが、こんな色鮮やかなのは初めて見た。カライトソウやマツムシソウも色鮮やか。稜線は赤紫色やピンク色の花が彩り、険しい岩尾根であることを忘れさせる。 登山道を外れ、斜面を少し下って(踏み跡あり)雪解け水を得る。このコースは今の時期なら、水が随所で得られるので携行する量は少しでよさそうだ。ウツボグサも見たことがないほど鮮やかな濃い紫色だ。 |