2008年8月10日(日)~13日(水) |
6年前の同じ日に大雨の中、閃光と雷鳴におびえながら大朝日岳山頂を駆け抜けた記憶はまだ生々しく残っている。 通過はしたが登った気がしない山だった。山形の山は鳥海山も月山も未踏だが、その前にこの朝日連峰を一度満足に登らなければ気がすまない。 東北地方にようやく夏の安定した天候が戻ってきた8月2週、北の以東岳から朝日連峰を縦走した。
お盆の帰省時期と重なり鶴岡行きの高速バスは早くから予約満杯。こうなったら値は張るが鉄道利用で新潟側から回るしかない。 混雑を予想して東京駅からの新幹線もいつもより早めにホームに並ぶ(いつもは当日買う乗車券も事前購入済み)。また、新潟駅からの特急いなほ号は指定席券を購入した。 鶴岡駅前から上田沢行きのバスに乗る。登山者は他に2人だけで他は一般の客。終点で泡滝ダム行きのバス(大型ワゴン)に乗り換える。 もし高速バスで早朝に鶴岡駅に着いてしまうと、時間がもったいない思いから初日が長丁場の行程になってつらい。今思えば、現地に午後着とした今回のプランは結果的によかったと思う。朝日連峰は急いで歩く山ではない。時間は充分にある。 バス終点から少しの歩きで泡滝ダム、そこから川を見ながらの登山道が始まる。 周囲はすっかり濃緑。平坦もしくは緩やかな登りの道は、山のどこまでも奥深く入っていく感じで雰囲気がいい。午後発で汗ダラダラになるかと思ったが意外と涼しい。 いくつもの小沢に出会う。吊橋のある冷水沢、七ツ滝沢を含め大鳥小屋までは水にありつける場所が実に多い。いくつもの箇所にひしゃくやコップが置いてあり、その都度喉を潤せる。冷たくておいしい水だ。 湧き水を飲むのがいやな人は別だが、大鳥小屋までは水筒がいらないくらい水場が豊富である。 七曲と呼ばれるジグザグ登りが始まる。30分ほど我慢して高度を稼ぐと指導標、さらに少しの歩きで大鳥小屋の前に出る。 大鳥池は池とは呼べないくらいに大きい。水を打ったように静かだ。 ここはイワナがよく釣れるということで、以前から釣り人に人気の場所だったが、最近はそうでもないようだ。たまたま居合わせた人によるとブラックバスがかかったという。 またこの大鳥池にはタキタロウという幻の魚がいるとの伝説もあり、大鳥小屋は今は玄関に大きく「タキタロウ山荘」の看板がついている。100名近くは収容できる小屋は、床が畳張りなので普通の民宿やロッジのようにゆったりできる。 外に出ると、大鳥池の向こう岸に以東岳の大きな山容が雲の間から見え隠れしている。そして稜線上の以東小屋もはっきりと見える。天気はしばらくよさそうだ。明日以降の縦走を楽しみにして寝る。 |