2008年8月10日(日)~13日(水) |
3日目の朝は、竜門山への草付きの急登から始まる。携帯する水は1リットルだけにした。 日暮沢からの登路を合わせ、少し進むと竜門山の最高点(1688m)となる。東側は一面の雲海。月山が白い海に浮かぶ小島のようだ。風に吹かれながら次の西朝日岳を目指す。 西朝日岳の三角点(1814m)は稜線から外れたところにある。そこへの踏み跡はほとんど消えており行くことはできないので標柱のある場所で休憩する。西には祝瓶山の形よい三角形、飯豊連峰も昨日よりずっとはっきり見える。 そして進む先、本丸の大朝日岳もぐんと近くなった。中岳を東から巻くと大朝日岳はその端正な姿がいよいよあらわとなる。6年前はガスで全く見ることの出来なかった尖峰、大朝日岳といったらやはりこの形である。 ニッコウキスゲが多くなり、さらにトリカブト、タカネニガナ、シロバナニガナなどは昨日まで見られなかった花が現れる。しかし群落といえるような場所はなく、この時期の朝日連峰の花は以東岳付近のほうが見ごたえがある。 金玉水に着くが水は十分のため通過。大朝日小屋ももうすぐ近くだ。タカネマツムシソウの群落を久しぶりに見るが、このあたりは柵に囲まれたお花畑になってしまっている。 しんと静まり返った大朝日小屋に着く。日陰になっている北側にザックを置き、軽身になって大朝日岳への登りに入る。斜面にはヒナウスユキソウが多い。 登りながら、6年前の今日、雷鳴と閃光の中を早足で通り過ぎたのを思い出す。そして今日は素晴らしい展望が広がる大朝日岳頂上(1870m)に着く。
遠くから見た形のイメージ通り、細長いヤセ尾根状の頂上。以東岳も、飯豊も、東の長井葉山も展望盤通り。足元をぐるっと見下ろせば小朝日岳コース、平岩山~御影森山コース、いずれの下山路も気持ちよい尾根が伸びている。 小朝日岳方面はずいぶん雲が出てきた。大朝日小屋に戻りそちらの方面に下ることにする。 今日はこのまま朝日鉱泉に泊るので、バスの発車時刻を気にせず下れる。竜門から出発した場合、14時30分発のバスに間に合わせるにはかなり忙しい行程になる。 銀玉水で水を補給する。ここの水は冷たくて美味だ。下から一人の人が早足で登ってきた。鳥原小屋の管理人さんだった。大朝日小屋に泊った人から、昨晩は小屋に管理人がいなかったとの話を聞いたらしく、気になって見に来たという。今の時期は管理人はどの小屋も毎日常駐しているはずだ。 そういえば、さっき小屋に着いたとき随分静かに感じた。 相変わらず展望のいい道を進むが、次第にガスが周囲を覆ってくる。振り返るとY字雪渓をしたためた大朝日岳がすでに高い。進む先の小朝日岳も見上げるほどに高く、あれを本当に登り返すのかと思う。 すでにこのあたりは標高1500mそこそこ。折から風もなくなり、暑さがつらく感じるようになってきた。 |