山の写真集 > 丹沢・道志・箱根 > 丹沢表尾根から鍋割山
  • -冬の丹沢で舌鼓み-
  • ヤビツ峠-三ノ塔-塔ノ岳-鍋割山-大倉
  • 丹沢
  • 神奈川県
  • 三ノ塔(1205m),烏尾山(1136m),政次郎ノ頭(1209m),塔ノ岳(1491m),大丸(1386m),鍋割山(1273m)他
  • 2012年12月8日(土)~9日(日)
  • 1日目:6.9km、2日目:10.0km
  • 1日目:4時間30分、2日目:3時間50分
  • 728m(ヤビツ峠-塔ノ岳)
  • 尊仏山荘
  • 弘法の里湯
  • 小田急線,神奈川中央バス
天気1
天気2

 

地図
2012年12月8日(土)
新宿駅 6:51
  小田急線
8:02 秦野駅 8:18
  神奈川中央バス
9:04   ヤビツ峠 9:15
9:45   登山口
10:50   二ノ塔 11:00
11:15 三ノ塔 11:50
12:25 烏尾山 12:35
12:55 行者ヶ岳 13:00
14:00   新大日ノ頭 14:05
14:20   木ノ又大日
14:50 塔ノ岳
(尊仏山荘泊)
2012年12月9日(日)
7:35 塔ノ岳
7:55 大丸
8:43 鍋割山 9:40
10:35 後沢乗越
10:55 林道 11:05
11:25   二俣
12:30 大倉 12:40
  神奈川中央バス
12:50 渋沢駅 13:00
  小田急線
弘法の里湯立寄り
新宿駅

 

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一昨年、雲取山の避難小屋で2人でキムチ鍋をやったが、今回は5名で本格的に山小屋で鍋をつつこうということになった。場所は丹沢の塔ノ岳。初冬の夜景も期待しての一泊山行を計画した。表尾根を登り山荘泊、翌日は鍋割山へ向かう。余裕があれば丹沢山往復も絡める。
土日ともかなり寒そうで、早くも完全冬山の防寒装備が必要そうだ。


家族連れも多い塔ノ岳山頂。正面に大山

ヤビツ峠

ヤビツ峠

三ノ塔の登りにて振り返り、二ノ塔と大山(左)を望む

三ノ塔の登りにて

三ノ塔付近から見る富士山。東斜面はかなり下まで積雪があった

裾野まで白く

行者ヶ岳への登り付近で、行く先の表尾根を見上げる

表尾根を望む

行者ヶ岳の山名板のあるピーク。ここから岩場の下りがいくつかある。なお、国土地理院の地形図ではこの先の1209m峰を行者ヶ岳としている

行者ヶ岳

行者ヶ岳の岩場は足場が豊富で、しっかりした鎖がついている

鎖を伝って

秦野駅から、満員のバスに揺られてヤビツ峠へ。車道をしばらく歩き富士見山荘の前から登山道に入る。が、富士見山荘はなくなっていた。どうも火事で焼けてしまったらしい。
植林帯を抜けると頭上がだんだんと開けてくる。二ノ塔への登りあたりから、尾根の上部まで見渡せるようになるが、雲が速いスピードで流れている。上空は風が強そうだ。
二ノ塔から見た富士山も風が強く舞っている様子。大きな雲がまとわりついている。東斜面はかなり下のほうまで雪が積もっており、例年2月くらいに見る姿になっている。
前後を登山者が多く行き交う。それも大学生と思われるような若い人が次々と登ってくる。丹沢は元々若者の多い山域だが、昨今の登山ブームでさらにその割合は増えた気がする。

少し下って登り返し、三ノ塔頂上に着く。ここまで来ればもう展望は360度である。横浜方面の市街地を一望する。大山や塔ノ岳への尾根も見渡せるが、風が冷たく眺めを楽しんでいられない。すぐに小屋の中に入り、昼食とした。小屋の壁を風が激しく叩く。
冬山の装備が必要とわかっていたのに、帽子がまだ夏山仕様のままだった。つばのついたキャップしかない。この強風では、耳を守らないと凍傷になりそうだ。
三ノ塔からは風がさらに強まる。おそらく気温はすでに氷点下、この風では体感温度はさらに低いだろう。雨具を取り出しフードを被ることにした。これだけでずいぶん違う。
足元は霜がザクザク、さらに高度を上げると少し雪の溶け残りも出て来た。

烏尾山を過ぎると岩っぽいヤセ尾根が増えてくる。行者ヶ岳の山名板がかかっているピークから小さな岩場を通過、さらに数分で表尾根で最大の難所の岩場(下り)に出る。
崖のような急斜面の岩に10mほどの鎖が垂れ下がっている。足場は多く、南面であるため凍結の恐れがないので、落ち着いて下れば問題ない。今までも数回下ったがそれほど苦労した記憶がない。しかし今回はちょっと緊張した。周囲に人がいたからかもしれない。

尊仏山荘の室内(1階の自炊場)

山荘の飼い猫、ミャー君

キムチ鍋5人前

尊仏山荘にて

ここを過ぎれば、あとは快適な尾根通しの登りである。風もやや弱まってきた。しかし、高度を上げた分気温が低下している上、太陽が雲に隠れ気味になったため、冷え冷えとした稜線歩きはまだ続く。
政次郎ノ頭(地形図上の行者ヶ岳はこの1209mピーク)を越え、新大日ノ頭で小休憩のあと木ノ又小屋。鹿が数頭草を食んでいた。
大きな崩壊地を過ぎると目指す塔ノ岳はもう目の前。メンバー間の距離もいつの間にか開き気味になっているが、一気に登って登山者で賑わう塔ノ岳頂上に着く。

登ってきた表尾根や大山、丹沢山、蛭ヶ岳、そして相模湾や江ノ島を見渡せる。富士山も雲が多いが見え続けている。しかし南アルプスなど関東の外側の高山は、強い寒波の影響で悪天のようで、雲の中である。
今日は展望を楽しむのもそこそこに、頂上に建つ尊仏山荘に入る。極寒の外からストーブでぬくぬくとした室内に入ると、硬くなっていた体の力が一気に抜ける。丸々太った飼い猫がいた。

小屋もこの季節にしてはかなりの混雑ぶりで、若いグループや家族連れが多い。若い女性を中心とした登山ブームは今やその裾野を広げ、最近は若いお母さんといっしょの小学生を山で多く見るようになってきた。
女の人が集う場所は男も子供もついてくる。男性の間でのブームは男の中でしか広まらない。

休憩室には、室内と外の気温を同時に見れる温度計があった。20度と氷点下1度。やはり外はマイナスだった。
休憩室の席を確保し、乾杯のあとさっそくキムチ鍋の準備にかかった。

今回は登山用のコンロやコッヘルではなく、家庭で普通に使う鍋とカセットコンロを担ぎ上げた。
カセットコンロは火力も強いし、大人数なら便利と思っていたが、これで自炊をやるグループはそう多くないようで、小屋の人もカセットコンロを見て驚いていた。
装備品と材料(5人分)は以下の通りである。

・豚肉800グラム
・キムチ300グラム
・野菜(白菜8枚、春菊1束、ニラ1束、長ネギ2本)
・豆腐(波乗りジョニー)
・煮込みラーメン3玉
・水600ml(尊仏山荘には水場がないので持参)
・だし(鶏ガラ顆粒)大さじ2、醤油大さじ2
・おたま、野菜カット用のカッターと小さなまな板
・鍋
・カセットコンロ(ガス2本)

鍋の出来は上々だった。反省点としては、少し量が足りなかったということ(特に野菜)。山では材料を余らせたり食べ残しをしてはならないから、余計な分量を持っていかないように気をつけていた。しかし結果的に残すことはなく、あっという間にペロリとたいらげてしまった。


大山を正面に夜景を撮影

日が落ちて、外の気温を示す温度計を見たら氷点下7度まで落ちていた。外に出るときれいな夜景が広がっていた。塔ノ岳は夜景が売りの山である。尊仏山荘にはダイナミックな360度のパノラマ夜景写真が貼ってあるが、夜景は普通のカメラで撮ってもあまりインパクトがない。パノラマで撮れるカメラがほしいものである。
寝床のスペースは余裕があった。強い風が夜中じゅう、建物に吹きつけていた。夜が明けるころには止むだろうか。