~ブナ林の先に鍋焼きうどん~ なべわりやま(1273m) 2009年11月1日(日)晴れ後曇り
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「望の富士山」ののぞむさんが主催する、鍋割山オフ会におじゃまさせてもらった。 メンバーは地元秦野市に住む方を含め、総勢6名。のぞむさん以外は、初めて会う人ばかりなので、初めはちょっと気後れしたが、掲示板などで交流していたし、本を買ってくれた人もいたので次第に溶け込めて、楽しい1日を過ごすことができた。 メンバーの車で上秦野林道を走り、県民の森駐車場まで入る。二俣に車で来るには、大倉からダートの林道を走って登山口のすぐ手前まで来るのかと思ったら、この駐車場に停めるのが一般のようだ。こちらからだと、二俣までは少し歩くことになるが、未舗装の林道を走る必要がない。 二俣で、大倉尾根への道を分けて沢を渡り、やがて尾根に乗る。小丸まで2000mとの標識がある。訓練所尾根は手を使うような崖状の傾斜こそないが、ほぼ全行程きつい登りが続く。 植林が優勢の中を6名がジグザグを切って登る。和気あいあいと賑やかに、急登もなんのそのだ。 下りてくる登山者と必ずとっていいほど挨拶ではなく会話になる。一人で登っているときは、日によってはこんにちはの挨拶以外、一言もしゃべらないこともある。会う人さえいないマイナーなコースを歩くときなど、声を発することさえない日もあったかもしれない。 昨年までと違い、今年は人と歩くことが何度もあった。歩きながらしゃべると体にもよさそうに感じる。 今年は車で行く回数も重ね、今までと一味違う山登りが増えた。来年は山行回数も累計で500回を数える。自分の山を歩くスタイルも少しずつ変化してきた。
檜の植林帯を抜けると、紅葉の美しい自然林となった。細い尾根を辿るが、上のほうに見える稜線はまだまだ高い。急登はなおも続いた。 さすがに皆、足元をみつめながら黙々と高度を稼ぐ時間が増える。 リンドウの咲き残る中、最後のひと登りで稜線に到達する。手前の眺めよい草地で少し休憩。朝方は青空も見えていた天気も、下り坂だ。しかしまだ眺めはよく、秦野市の家並みが一望できる。海岸線もかすかに見える。
なだらかな稜線を歩く。今日の最高点、小丸(1341m)を過ぎて、豊かなブナ林の中を行く。鍋割山稜はブナ林がすばらしい場所である。紅葉はピークを過ぎたが、まだ見られる。 崩壊が進んでやせた尾根から谷底を見下ろすと、沢沿いの木々がきれいに色づいていた。 いったん下って自然林の中を登り返し、鍋割山頂上に着く。厚い雲がやってきて頂上付近を包み込む。とたんに寒くなった。 今日のもうひとつの楽しみは、鍋割山荘の名物、鍋焼きうどんを食することである。鍋割山荘の中に入るのは初めて。特に洗練された印象ではなく、昔ながらの山小屋らしい山小屋だ。 いくつものテーブルがあり、鍋焼きうどんを食べる登山者でほぼ満員になっていた。席が空くのを待ち、ようやくうどんにありつく。量もあっておいしい鍋焼きうどんだった。 それに、これほどの昼食を、山の上で1000円以下で食べられるのは贅沢だ。北アルプスなら1500円するであろう。麓で1000円くらいしても、おかしくない。 すっかり雲の下となった頂上を後にする。後沢乗越までは一気の下りだ。 歩く人が多いようで地面は踏み固められて硬い。富士山などの眺めはないが、左手に大倉尾根や、いまだ日の当たっている三ノ塔を見ながら歩を進める。 後沢乗越で尾根を離れ、薄暗い樹林をくぐり二俣へ戻ってきた。 飲み会まで時間があったので、車で震生湖に行ってみる。丹沢山塊に崩壊地が多いのは、関東大震災の震源が近かったことが影響しているといわれる。震生湖は静かで小さく、沼のような湖だった。 |