山の写真集 > 奥多摩 > 雲取山
  • -相模湾に浮かぶ船の煙-
  • 小袖登山口-石尾根-雲取山-七ツ石山
  • 奥多摩
  • 東京都
  • 雲取山(2017m)、七ツ石山(1757m)
  • 2012年1月14日(土)~15日(日)
  • 1日目:9.7km、2日目:10.2km
  • 1日目:5時間50分、2日目:4時間
  • 1336m(小袖登山口-雲取山)
  • 雲取山荘
  • 丹波山のめこい湯
天気1
天気2

 

地図
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2012年1月14日(土)
富ヶ谷ランプ 5:30
  首都高速、中央自動車道
八王子IC
  国道411号他
8:05   小袖登山口 8:15
10:10   堂所 10:20
11:00 七ツ石分岐
12:00 ブナ坂 12:20
13:05   奥多摩小屋 13:10
14:10 雲取山 14:30
15:05 雲取山荘(泊)
2012年1月15日(日)
  雲取山荘 6:55
7:30 雲取山 8:00
9:10 ブナ坂
9:27 七ツ石山 9:35
9:55 七ツ石小屋 10:05
10:45   堂所
11:55 小袖登山口 12:10
  国道411号,県道18号他
丹波山のめこい湯立寄り
上野原IC
  中央自動車道、首都高速
16:30 富ヶ谷ランプ

 

昨年、那須や中央アルプスに行った仲間と、この冬に雪の雲取山に登ろうと話していた。しかし、寒い日が続いているものの雪がなかなか降らない。
雪はなくても、東京都の最高峰でお餅とお汁粉を食べようということで、5名で登ることとなった。


石尾根の標高1850m付近。ほとんど雪がない

高速を使っていく。八王子インターで降り、奥多摩街道、青梅街道を走る。山梨県境の鴨沢までとなると東京都の奥庭・奥多摩もなかなか遠い。
もう一台の車と鴨沢バス停前で合流し、小袖登山口までさらに車で上がる。予想通り凍結はなかった。ただ、道路の日陰部分には昨年12月中旬に降ったと思われる雪が残っていた。
見晴らしのいい駐車場に出る。ここまで車で上がって来れれば、ずいぶん楽である。

冬枯れの鴨沢登山道


明るい尾根道

ブナ坂へ向かう巻き道は一部凍結していた


一部凍結

雲取山山頂から石尾根西端を見下ろす


石尾根

雲取山山頂


雲取山山頂

雲取山に北側斜面には薄く雪が残っていた


北斜面は残雪

雲取山荘の前は2,3センチの積雪


雲取山荘

小袖登山口から出発。自分は通算26回目の雲取山だが、他のメンバーは初めてか、2回目ということだ。
ただ、雲取山はこんな山でありましてぇ、などとウンチクをうるさくのたまうようなオヤジにはなりたくない。それぞれが自分の足で、この山のよさを感じ取ってくれればいいのである。
薄暗い植林地から民家跡に出たところで石尾根の稜線が見えてくる。雪は全く見えない。
右下に目を転じると、車道と小袖の集落が見え、そこから登山道が一本上がってきていた。合流点には指導標も立っている。どうやらさっき停めた駐車場からさらに先に進み、小袖の集落まで車で入って、そこから登ることもできるようだ。初めて知った。

堂所の手前で尾根の上に立つと、片倉谷側からの風が冷たく感じる。雪はないが気温だけは真冬なのだ。
背後に富士山が見えてきた。七ツ石山手前の分岐から巻き道に入る。木の橋を渡ってしばらく進むと、残雪が凍結している箇所があった。ここは日陰なので、雪が多い年でも少ない年でもたいてい凍っている。
南に面した自然林のエリアに入ると、少し広くなっている場所があるのでここで昼食休憩する。日だまりと日陰との温度差が大きい。
ブナ坂に出る。石尾根にも雪はほとんど見られず。地面は乾き歩けば土ぼこりが舞う。それでも天気は最高で、頭上に一点の雲も見られない。
日差したっぷりの中、登山口から着続けていたジャンパーを脱ぐ。

ヘリポートに着く。右手に見上げられるのが小雲取山と雲取山であることをメンバーに教える。奥多摩小屋あたりまでは富士山がずっと見え続けている。
富士山の東斜面は雪煙が高く立っていて、風が相当強そうだ。こちら奥多摩の山も気温の低さはかなりのもので、ヨモギノ頭への急坂を登ると高度が上がったせいか、体の芯が急に冷えるのを感じた。

登り始めてからずっと気になっているのが、腰のだるさである。数日前、家でちょっと腰をひねってしまい、病院で注射を打ってもらった。治療のかいあって痛みはすぐに引いたのだが、まだ完全に治りきっていなかったようだ。
昨年暮れから続いていた膝痛からはようやく解放されつつあるが、今度は腰に回ってきた。

雲取山山頂から、富士山と大菩薩嶺(右)を望む


富士山の眺めは良好

山頂にある雲取山避難小屋


雲取山避難小屋

雲取山山頂から、朝日に染まった相模湾を見下ろす。煙を出す船舶も見え、中央左には横浜ランドマークタワーも


相模湾が赤い

石尾根から、南アルプスの北岳から荒川岳あたりまでを一望する


南アルプスも

七ツ石山から、奥多摩や大菩薩山塊の連なる山並みを望む


連なる山並み

七ツ石山山頂から、雲取山と石尾根を望む


奥秩父の主峰が並ぶ

めげずに小雲取の肩への急登を詰める。飛行機雲が1本だけ、紺碧の空にくっきりと線を描いている。奥秩父の山を眺めながら、冬の空気を全身に感じながら雲取山山頂に立つ。
快晴の下、大きな広い眺めが得られるが、もう日も高くなったので遠くまでは見えない。
避難小屋には今のところ、一人しかいない。雪の積もる時期になれば、雲取山は山荘よりむしろ避難小屋のほうが賑わったりする。東京都心からアプローチが容易な雪山として、冬の雲取山は意外と人気がある。大勢泊まれば暖房のない避難小屋も暖かく、氷点下10度以下の夜もしのげるだろう。

雲取山荘へ向かう急坂を下る。北斜面はさすがに雪が残っていた。時折り頭上から、ダイヤモンドダストのような、キラキラしたものが降ってくる。。山頂にいたときも同じようなものが降っていたので、木の枝の雪が落ちてきているのではないようだ。雲のない快晴の空なのに、不思議である。

雲取山荘周辺には、雪が薄く積もっていた。山頂からここまで、下れば下るほど雪が多くなるという奇妙な行程だった。自炊部屋でお汁粉、餅、甘酒などで新年会のようなものを行った。
腰の状態は一進一退。明日歩けないことはないだろう。山荘の部屋は豆コタツはあるものの天井が高いせいか冷えびえしていて、体の動きが何となく重い。医者は急性なので冷やしたほうがいいと言っていたが、体全体が冷えるとかえって腰によくないのではないかと思う。
宿の2階からは夜景がよく見えた。

翌朝、朝食をとってからゆっくり出発。雲が多く、初日の出は拝めなかった。北面の急坂はすごい音を立てて風が吹いていた。木の間から浅間山、両神山を望む。
いつも一人で来ているときは、朝食を取らずに早いうちから登っているのでもっと寒いのだが、7時を過ぎると幾分楽である。

雲取山山頂に出る。上空に厚い雲もあるが、眺めはきいている。富士山、南アルプス、奥秩父の山はもちろん、遠く相模湾に浮かぶ船が煙を出しているのも見えた。その近くに横浜ランドマークタワー、よく見ると東京湾と房総半島の輪郭もわかった。

そして本仁田山方向のはるか先に1本の高い塔が見えた。スカイツリーである。双眼鏡を使うと形まではっきりと確認できた。この方角には、今までは西武ドーム球場の白い屋根が見えるのがポイントだったが、もうひとつ展望の楽しみが増えた。
雲の厚い空模様では、太陽の反射がないので遠くの景色がかえってよく見えたりする。

石尾根を下っていく。凍結はほとんど見られないが、足腰がいつもより不安なので、念のためアイゼンをつけて歩く。
初めて来たメンバーは、富士山がずっと見え続けている登山道が珍しいと言う。
ブナ坂から七ツ石山へ登る。石尾根と雲取山の眺めがいい。今は灰色だが、シーズンには緑の生命力あふれる眺めに変わる。

七ツ石山からの下り、小さい神社の建物の上部に、大きな岩が屹立している。数えると七つある。山名の七ツ石の由来はこのことだったのか。10年以上歩き続けているのに今頃気づいた。普段見えなかったものが、人と歩くとわかるようになるので楽しい。

七ツ石小屋で最後の休憩を取る。この小屋も、昔の管理人さんではなく今は若い人たちが小屋番をするようになった。山に生きる人々も世代交代が進んでいる。小屋の奥にある休憩所からは富士山の眺めがよく、のんびりここで小屋泊、またはテント泊もいいかもしれない。

あとは淡々と下るのみである。5人のうち先頭を歩いているのだが、後ろの人の足音にせきたてられる感じがして、どんどん早足になってしまう。腰も痛くなってきた。途中でギアチェンジして努めてゆっくり下る。小袖登山口にはコースタイムをややオーバーして到着した。

車なので、丹波山のめこい湯まで足を伸ばしゆっくり入浴、食事とする。帰りは小菅、鶴峠を越えて上野原インターから高速で帰路に着いた。