~猛暑と雨、緑の中の雲取~
タイトル

2006年7月15日(土)~16日(日)


鴨沢-ブナ坂-雲取山-七ツ石山-鴨沢

マップ
1 2 雲取山のトップページへ Home


7月になって、ようやく今年の初宿泊山行となった。山の中で泊まったことが今年は今まで、なかったのである。
梅雨は明ける気配すら感じない。それでも土曜日は晴れ間もある予報。日曜の天気がわからないが雲取山に登ることにした。

7月の雲取山は1999年、小袖登山口(鴨沢の上部)から日帰りピストンしたとき以来だ。鹿の食害で激減したと言われている石尾根の花々は、鹿の頭数調整が始まった今、いくらかでも復活しているのだろうか。

2006年7月15日(土) 晴れ後曇り一時雨
新宿駅6:22-[中央線特快、青梅線]-8:23奥多摩駅8:30-[バス]-9:05鴨沢9:10-9:50小袖乗越-11:20堂所11:30-12:45ブナ坂13:00-13:20奥多摩小屋13:30-14:20雲取山(雲取山荘往復後、避難小屋泊)歩行時間:5時間10分

2006年7月16日(日) 雨
5:50雲取山-6:20奥多摩小屋-7:05七ツ石山7:10-7:30七ツ石小屋-8:00堂所-9:00小袖乗越-9:40留浦10:00-[バス]-10:35奥多摩駅-[青梅線、中央線]-新宿駅 歩行時間:3時間45分

滝雲流れる雨後の展望
雲取山頂から、滝雲流れる雨後の展望

●暑い暑い、蒸し蒸しの登り
緑に包まれた鴨沢集落から、いつものように歩き出す。
空は気持ちの良い青色。しかし湿気がすごい。久々にシュラフや食糧を詰めたザックの重さを感じ、意識して歩みを遅くする。
石尾根の稜線が見える場所に出る。ガスもかからず見えているが、青空稜線の背後に雲がもくもくと湧き始めている。あそこを青空の下で歩くには少し間に合わないかもしれない。

今日の登山者は若い人も多く、みなザックが大きい。奥多摩でこういう光景を見るのももう1年ぶりのような気がする。
それにしても暑い。熱中症がこわいので水をこまめにとる。日差しをさえぎる帽子も、かぶり続けだと頭部に熱がたまりかえって危険。時々脱いで風を通すといいそうだ。


鴨沢集落を上がる

霧に包まれた奥多摩小屋

避難小屋越しに三頭山

石尾根

じっくり歩いて堂所。ここからやや傾斜がきつくなる。前後を行き交う人たちも、今日の蒸し暑さで動きが悪い。MTBで登る人も相当つらそうだ。
自分もこの急登に早々と根を上げる。七ツ石山経由で行くのをあきらめ、巻き道を通ってブナ坂を目指す。しかしこの巻き道も距離はある。岩の裂け目から流れ落ちる水で顔を洗う。

ブナ坂に到着。ブナ坂といってもブナはあまりなく、カラマツが植林された防火帯の稜線だ。眺めはいいのだが今日はすでに青空はなく、雲が厚い。遠くで雷が鳴り続けている。
石尾根を歩き出すと、背後には七ツ石山がガスのカーテンで姿を隠そうとしているところだ。花は皆無で、開花前のマルバダケブキの葉がただ尾根を埋め尽くしている。
以前は草むらからヤマオダマキやコウリンカ、ノアザミなどの姿を認めることが出来たのだが。「以前」といってもほんの5年ほど前のことである。

周囲のガスも濃くなり、場所によっては視界数10mにもなる。テントがいくつか張られている奥多摩小屋前を過ぎ、ヨモギの頭を登る。高度を上げ、さすがに暑さからは解放されるようになった。
荷物の重さに耐え兼ねて何度も歩みが止まる。それでもなんとか小雲取山に登りつく。
頭上の雲は流れが速く、時々切れ間から青空が覗くようになる。小雲取山から雲取山への展望の稜線、いつもより長く、しかも登りがきつく感じる。

重い足をひきづって雲取山避難小屋へ到着する。小屋前の寒暖計では、気温20度そこそこ。山の上はやっぱり涼しい。
今日の行動はまだ終わりではない。水とビール調達のため、50分かけて雲取山荘を往復する。山荘のある秩父側は天気が悪く、雨がポツポツと降っていた。それに土曜日というのに山荘は静かで、従業員以外に人の気配を感じない。なかなか安定しない空模様に、皆出かける気がおきないのだろうか。

山頂に戻り食事をしていると、山頂もやがて夕立となる。雨が上がって外に出ると、山頂は展望の地に変わっていた。
一面の雲海の上に山々が顔を出し、奥秩父や丹沢、御坂の山並みが幾重にも重なっている。大気中のゴミが雨によって洗い流されたのか、三頭山や御前山の山肌が日に照らされくっきりと見られる。おぼろげながら富士山も輪郭を現すようになった。

夕方になり、大岳山のはるか後ろに都心の明かりも見えてきた。そして、今年も雲取山山頂直下に鹿を見る。

避難小屋は10名ほどの宿泊。夜中に再び雨模様となる。


Home 次のページ