山の写真集 > 北関東(栃木・茨城) > 那須岳と三斗小屋温泉
-ガスが飛んで大展望の頂に-
タイトル
朝日岳-三斗小屋温泉-大峠-三本槍岳-茶臼岳
山域那須・塩原
地域栃木県
標高朝日岳(1896m)、三本槍岳(1917m)、茶臼岳(1915m)
山行日2011年6月11日(土)~12日(日)天気1天気2
沿面距離1日目:5km、2日目:9.1km
歩行時間1日目:3時間30分、2日目:5時間30分
標高差469m(鉱山事務所跡~三本槍岳)
宿泊三斗小屋温泉・大黒屋
温泉大丸温泉 ニューおおたか
交通車、ロープウェイHome



2011年6月11日 (土)
曇り/雨のち晴れ

目黒IC6:00
 首都高速、東北自動車道
那須IC9:07
 那須街道、国道17号
ロープウェイ駐車場9:40
 国道17号
9:55峠ノ茶屋跡10:10
10:55峰ノ茶屋跡11:30
12:10朝日岳12:45
13:20熊見曽根13:30
15分休
14:25隠居倉14:30
15:15三斗小屋温泉
 (大黒屋泊)

2011年6月12日(日)
曇り時々晴れ

7:30三斗小屋温泉
8:35三本めの沢
9:10大峠9:20
10分休
10:401826m10:50
11:05三本槍岳12:00
12:25北温泉分岐
13:05朝日の肩13:15
13:45峰ノ茶屋跡14:00
14:30茶臼岳14:40
15:10山頂駅15:18
 ロープウェイ
15:25ロープウェイ駐車場15:40
 国道17号、那須街道
大丸温泉他立寄り
那須IC
 東北自動車道、外環道
練馬IC


関連リンク
[記録] 表那須縦走
[記録] 三本槍岳と北温泉
那須高原ガイド
那須ロープウェイ
東野交通(路線バス)


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翌朝は気持ちよい青空が広がった。大峠に出てから三本槍岳に登り、昨日歩いた稜線を戻って茶臼岳登頂まで行く予定である。三斗小屋温泉から大峠までは、いったん200mほど高度を下げてまた登り返すことになる。
爽やかな朝の樹林帯が気持ちいい。遠く聞こえている沢音のほうへ、緩やかに下っていく。ところどころ大きなギャップや木の根の張った場所はあるものの、総じて歩きやすい。ネマガリダケもきれいに刈り払われている。


三本槍岳への登りにて、流石山方面の稜線を望む

深い樹林帯
稜線を見上げる
笹と広葉樹の森
ツバメオモト
ニリンソウ
コイワカガミ
三本槍へ
山並みを眺めながら

木の間から、稜線が見え始めた。一番低いところが大峠であろう。左手の大きな山は流石山のようだ。
沢に近づくと見事なニリンソウの群落が見られる。3度の渡渉の後、下った分を登り返していく。やがてあたりが大きく開け、ジグザグに登っていくと高原状の台地に飛び出した。大峠に到着する。
ここは栃木と福島の県境で、裏側は福島県下郷町である。那須の主稜線が余すところなく眺められる、いい場所である。休憩にもいい。
左手に流石山から大倉山~三倉山への尾根道、右手はいくつかのコブを越えて三本槍へ続く縦走路になっている。今日は右に行くが、大倉山から会津側に抜けるコースも眺めがよさそうで、大いに魅力がある。何でも日本アルプスの森林限界上と雰囲気が似ているそうだ。
やがて、下郷のほうから地元の人が登ってきた。ここに来ると右に行くか、左に行くかいつも迷うとのこと。

三本槍岳へは、ここからなお標高差400m残している。ただ急登はなく、アップダウンがあるものの全方位開けた尾根道なので、気持ちよくどんどん登っていける。
今日は那須にしては珍しく風が弱い、というかほとんど無風に近い。荒れた天気ならもちろん厳しいところだ。

ミツバオウレン
シャクナゲ
三本槍岳頂上
ミネザクラ
ムラサキヤシオ
岩尾根を伝う
火山礫の道
三山制覇
那須ロープウェイ駅

足元にはコイワカガミがあちこちに大群落、そしてミツバオウレンも登山道沿いにずっと咲き続けている。ムラサキヤシオ、オオカメノキ、シャクナゲも相変わらず多い。

少し尾根が広がる1720m圏で休憩する。もうひとつのピークの向こうに、三本槍岳がいよいよ大きくなってきた。
右に那須連峰のたおやかな山稜、左には甲子山から伸びる表那須縦走路が合わさってくる。山陰にひっそり佇む鏡ヶ沼だけが静寂さをかもしだしている。きりっとした三角錐は須立山で、こちらのほうが名前的には三本槍岳と呼んでいい気もする。

1826mピークを過ぎ、やがて縦走路と合流する。最初に那須を歩いたのはこの縦走路だった。
ハイマツの間を通って三本槍岳頂上に立つ。お昼時で大いに賑わっていた。空はすでに薄雲が広がり、東側はガスが出てしまったが、まだまだそれ以外の方角の眺めはきく。涼しい風に吹かれながら、のんびりと山のひとときを過ごす。

一転して人の多い道を下っていく。昨日巡った朝日岳方面も見えてきた。ミネザクラが満開状態となっている。やはり季節の進みが遅いのだろう。ここまで見てきた山の斜面にもところどころ雪が残っていた。

朝日の肩からはガレ場の歩きとなる。今日はいくつもの団体さんが行き来している。思えば昨日前半の風雨から、よくここまで来たものだ。しかも一周して来た。
朝日岳はパスして、鎖場のトラバース。ガスの昨日と違い、はるか下が覗き込めるので高所恐怖症の人にはちょっとやっかいだろう。しかしその一方で、地面は乾き鎖も濡れていないので、軽快に歩を進められる。

峰ノ茶屋跡で一休みし、最後の茶臼岳への登路に入る。にわかに硫黄の臭いが立ち込める。
こうしてみると今日のコースは、広葉樹林帯→沢沿い→高原の尾根歩き→ハイマツ帯→ガレ場→火山帯とめまぐるしく景観が変わり、短時間で山のあらゆるエッセンスを味わうことが出来る、一言でいって実におトクなコースである。
那須山塊は山のスケールというか規模の大きさはそれほど感じない代わりに、そうした箱庭的な楽しさがあって、歩いていて飽きない場所である。

祠のある茶臼岳山頂に上がる頃には、すでにガスが上がってきてしまった。時間も午後3時になったが人は相変わらず多く、登山者だけではなくロープウェイを利用して登ってきた観光客も多い。
お鉢を一回りして、そのままロープウェイ山頂駅に下った。

出かける前は天気が心配で、まさかこんな充実した歩きが出来るとは、自分を含めメンバー全員考えもしなかっただろう。もし一人だったら自重して、登山口で引き返していたかもしれない。
それぞれのメンバーがアイデアを出し合い、協力や創意工夫をしてくれたおかげで楽しい山歩きができた。
大丸温泉で2日間の汗と疲れを流し、那須和牛に舌鼓を打って帰京する。