~近くてはるかなる上武国境の山~
タイトル

すわやま(1549m)
2002.11.3.(日)晴れ時々曇り

6:45ときわ荘-7:50楢原登山口7:55-8:30稜線-9:25湯ノ沢ノ頭9:30-10:40三笠山(ヤツウチグラ)-11:10諏訪山11:45-13:15湯ノ沢ノ頭-14:20浜平
歩行時間:7時間
マップ
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諏訪山頂上
諏訪山頂上

●浜平へ下山、帰路へ
人はけっこういる。若い夫婦に、新町駅からバスで2時間かけて来たと言うと笑われてしまった。どうやらバスがあることも知らなかったらしい。
車でのアプローチが当たり前になっているようである。この辺に比べると、奥多摩・丹沢などの東京近辺の山はまだまだ、バスなど公共の交通機関に恵まれていると感じる。

しかしこの諏訪山は車で来ても、体力セーブ登山にはあまりならないのではないか。普通の人でも、駐車場からの往復歩行時間だけで6時間はかかるだろう。

アセビなどの木に囲まれた、展望の無い地味な山頂であるが、風もなく静かで、実に深山の趣がある。しばらく休憩たのち下山にかかる。
三笠山まではまたしても、30分近くかかってしまった。予定の急行バスに乗れるか微妙なところだ。

湯ノ沢ノ頭の前あたりで、ようやく同宿した2人組と出会った。この人たちも沢筋で道を間違えたそうだ。山頂へ行くのはあきらめている模様。浜平からの道はそんなにわかりづらいのか。これから下るので気を引き締める。
沢沿いの道を浜平へ
沢沿いの道を浜平へ

湯ノ沢ノ頭から西側に下って行く。久しぶりに広葉樹の豊かな林となる。
樹林の間から諏訪山の最後の見納めをし、尾根を離れジグザグに下る。相変わらず踏み跡がか細い。ちょっと油断するとへんなところに入っていってしまう。
やがて沢に出会う。なるほど、ここであの人たちは沢を詰めていってしまったのかと納得する。沢沿いの登山道は、高巻きや尾根に上がる道が意外なところに付けられていたりするから、周囲をよく確認する必要がある。自分もよく迷ったりする。

道はこれ以降浜平までずっと沢に沿うことになる。丸太の橋や梯子など変化の多い道でナメ滝のようなものも現れる。
廃屋を見て、突然と集落の前に出てくる。鉄製の青い橋を渡って浜平集落にたどり着く。川のほとりに、営業停止した鉱泉宿が佇んでいる。
下りも長い行程であったが、ここからあと1時間ちょっとの車道歩きが残っている。バスは予定していたのより、もう1台後のものになりそうだ。
十石茶屋
十石茶屋

「あそこの温泉入れますかね?」夫婦に声をかけられた。もうやっていないはずだと言うと残念そうだった。これから車で廻目平に向かうそうだ。
廻目平といえば、金峰山の信州側の登山口でキャンプ場にもなっている。車ならばここから意外と近いのだ。砥根平まで歩くと言ったら、ついでだから乗って行きませんか、と勧めてくれた。
浜平集落をしばらく眺めながら歩きたかったが、お言葉に甘えることにした。

途中から幅広の車道となる。この道は「御巣鷹の尾根」に通じていて、やはりあの事故を契機に建設されたもののようだ。
この方たちは、あの御巣鷹の尾根に登って来たと言う。やけに人が多かったので不思議に思ったらしい。同宿した遺族の話をしたら納得していた。

国道299号との合流点で下ろしてもらう。少し左に歩いたところにある砥根平バス停を確認する。まだ14時半、思いがけず時間に余裕が出た。反対側を歩いて行き、十石茶屋といううどんの店を見つける。

15時30分発の新町行き急行バスに乗る(新町駅まで1時間45分)。乗客は最後まで自分1人。先週の道志に続いて、2週連続でバス会社の経営を心配してしまう。
しかしこの急行バス、びゅんびゅん飛ばして途中の停留所も予定より早い時間で通過していたようであるが(万場などは予定の5分前に発車してしまう)、時刻表に合わせてバス停に来る人から文句は来ないのだろうか。
ただ、おかげで新町駅に早めに着くことが出来た。それでも上野村から上野駅まで、帰路の交通は4時間を要した。

それぞれの土地、それぞれの人の行く末が気にかかる、感慨深い奥多野の山旅になった。


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