~近くてはるかなる上武国境の山~
タイトル

すわやま(1549m)
2002.11.3.(日)晴れ時々曇り

6:45ときわ荘-7:50楢原登山口7:55-8:30稜線-9:25湯ノ沢ノ頭9:30-10:40三笠山(ヤツウチグラ)-11:10諏訪山11:45-13:15湯ノ沢ノ頭-14:20浜平
歩行時間:7時間
マップ
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●楢原から静かな山道を行く
翌朝、おばちゃんにお礼を言い出発する。
直進すると国道299号に出る。国道をまたいだところにある細い道が、楢原登山口へ通じる林道入口となる。なお、車で登山口に行く場合は、国道をさらに信州側に100mほど進んだ先に、車の入れる幅の入口がある。
同じく出発した2人組の人は、車で浜平登山口に行った。自分は相変わらず、徒歩で登山口を目指すことになる。
楢原口からの登り
楢原口からの登り

森閑とした早朝の林道を緩く上がって行く。寒い。
道なりに進み、1時間ほどでお堂のあるプレハブが建っている、楢原登山口だ。ここにはトイレがある。「諏訪山頂上まで5864m」との看板が立っている。車が1台、休憩している間にもう1台来た。

建物の横から登山道が始まる。沢沿いのせいもあろうか、踏み跡がはっきりしない。沢からはすぐに離れ、目の前のかすかな道形と周囲の景色を何度も確認しながら、ジグザグな急坂を登って行く。随所に祠と簡単な鐘?が奉ってある。

山腹道からやがて支尾根に乗り上げ、頭上に明るい日の光を見る。
やがて稜線に出る。分岐となっているが、右に50mほど行くと尾根の突端で、お堂がある。眺めはさほどよくない。分岐点に戻り左方に進む。このあたりから平坦道となり、周囲の紅葉がまばゆい。

やがて、意婆羅不動堂(羅は旧字体)と書かれた祠(倒れている)を見て、気持ちのよい雑木林をなおも進む。ここからしばらくは傾斜のない道が続くが、尾根上を歩く部分は意外と少なく山腹を巻く箇所が多い。外傾が強く歩行にはちょっと注意が必要だ。

道が西斜面に付くようになるととたんに寒くなる。頭上では風も強く吹いている。平坦道で汗もかかないのでフリースを着る。
木の間越しに諏訪山
木の間越しに諏訪山
帳付山の展望
帳付山の展望
ヤツウチグラ
三笠山(ヤツウチグラ)の岩峰

やがて「八海山」とあるお堂の場所に着く。「諏訪山まで3020m」。指導標があるが、立て方がけっこうアバウトで、板の示している方向と道の方向が微妙にずれている。
ここには鎖場があるが、登りにあらず、スイッチバックするように下る。
覆い被さるような岩の基部を慎重に通る。右斜面の下の方に登山者を2人見る。しかし登山道を歩いているように見えない。

道がよくなり、湯ノ沢ノ頭に到着。樹林越しに諏訪山が望める。ゴツゴツした、とっつきにくそうな姿である。そういえばこの山はいずれの場所からも樹林の間からかいま見るのがやっとで、なかなか全貌を現してはくれない。
さっきの2人組がやって来た。しかも自分の歩いて来た方向から来た。浜平登山口から登ったが、道を間違えたそうだ。沢を上部まで詰めてしまい、最後はヤブと格闘し這い上がってきたとのこと。

●ヤツウチグラを経て諏訪山頂上へ
湯ノ沢ノ頭から山の雰囲気はにわかに深さを増す。アップダウンが目立ち、落ち葉で判然としない道を赤テープを頼りに進む。赤テープはそれほど多くないのだが、本当に迷いそうなところではしっかりと導いてくれる。

針葉樹の割合が増したころ、南面に大きく展望の開ける場所に出る。
天丸~帳付山間のデコボコの稜線の上に、両神山のこれもゴツゴツした岩峰群。その方向のはるか先には和名倉山だろうか、もしかしたら雲取山も見えているかもしれない。
眼下には日に照らされてきれいなオレンジ色の紅葉。ここからは岩尾根を手を使って登る。2段の梯子をよじ登って大きな岩峰を巻き、ついに三笠山(下ヤツウチグラ)を目の前にする。

シャクナゲが現れる。他にも樹林が高度感を和らげてくれるので、それほど緊張する所もなく、大展望の三笠山ピークに登り着く。

浅間山は残念ながら雲の中、遠望される白いラインは北アルプスだ。1ヶ月前に紅葉に彩られた稜線も、あんなに真っ白だ。
両神、帳付、御座山も大きい。しかし風がものすごく強く、とりあえず諏訪山山頂へ歩を進める。
ロープのある岩場
ロープのある岩場

下るとすぐに、厳しいロープ付きの岩場(下り)となる。ほぼ垂直に近い断崖絶壁、しかも進行方向がやや右下に曲がっているため、足場があるのかないのかよく見えない。ここの通過には本当に参った。

幸い前後に人がいなかったので、10分近くかけて5mほどの岩場の下りをこなせた。帰りの登りはさほど苦にならないだろう。

ここからがさらに長い道のり。危険なところは少ないが、登っても登っても、頂上はその先にあった。
さっきの岩場10分を含めて、三笠山から諏訪山頂上まで30分かかった。標準コースタイムの倍である。


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