~上越国境・岩稜と花、草原の山旅~
タイトル
たにがわだけ(1963m)からしみずとうげ
2005年6月25日~26日

天神平-谷川岳-一ノ倉岳-茂倉岳
-武能岳-蓬峠-清水峠-清水
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縦走路から一ノ倉岳、茂倉岳
縦走路から一ノ倉岳(右)、茂倉岳を望む

白毛門と湯檜曽川
白毛門と湯檜曽川
オキの耳とトマの耳
オキの耳とトマの耳

●岩稜と花の道を行く
前方に一ノ倉岳、茂倉岳の眺めがよいこの辺からは花の道となる。
コイワカガミ、ハクサンコザクラが引きも切らず咲き続いている。ヨツバシオガマ、ハクサンイチゲ、アカモノ、ハクサンチドリ、チングルマなどよりどりみどりだ。潅木の花ではベニサラサドウダンやもう終期のシャクナゲ。
ヨツバシオガマ
ヨツバシオガマ
コイワカガミ
コイワカガミ(白花)
ハクサンコザクラ
ハクサンコザクラ

オキの耳から先はまだ歩いたことのない道だ。展望のいい小突起を経て鳥居の立つ奥の院。ヤセ尾根の岩稜が続き鎖場も現れる。
右側は恐いくらいに切れ落ちている。そんな中、岩陰に紫色の可憐なミヤマオダマキを見る。よく見かけそうで実はあまりお目にかかれない花だ。

一ノ倉岳へはちょっとした急登が続く。谷川岳あたりから見ると何てことのない登りのようだが、実際はかなりきつく長い。
じっくり登り詰めると、存在感の割には殺風景な印象のする一ノ倉岳頂上(1974m)。ドラム缶を寝かせたような避難小屋が建っている。雪が積もってもつぶれないので、このへんの稜線にはこの形の小屋が多いということだ。

岩尾根は一ノ倉岳で終わり、ここから先は雰囲気がガラッと変わる。下ると再び残雪歩きだ。肩の広場以上に雪の量は多い。
土の上に戻ったところにシラネアオイが咲く。さっき見たミヤマオダマキと同じような薄紫色だ。

急坂も岩場もなく、展望の良い稜線をそのまま歩き茂倉岳頂上(1978m)に到着する。展望は雄大。ここは谷川岳方面、土樽方面、蓬峠方面の三本の登山道を分かつ要所になっている。
この稜線はここから先もまだ県境に沿ってつけられているのだが、茂倉岳より南は群馬県で、北は新潟県という印象がある。谷川連峰の分岐点とも言える存在だろう。
ジョウエツキバナノコマノツメ
ジョウエツキバナノコマノツメ
ハクサンイチゲ
ハクサンイチゲ
ミヤマオダマキ
ミヤマオダマキ
シラネアオイ
シラネアオイ

涼しくなって体力も急回復。蓬峠まで頑張ろうと思えば行けるが、天気が怪しくなってきたこともあり、今日の行動はここまでとする。
土樽方面に少し下って茂倉岳避難小屋を目指す。小屋は広く、すぐ横にトイレと水場もあって宿泊にはもってこいだ。
一ノ倉岳~茂倉岳間の残雪
一ノ倉岳~茂倉岳間の残雪
茂倉岳頂上
茂倉岳頂上
雲海と避難小屋
雲海と避難小屋

高校生の先客がいたが、5時を過ぎて7名、6名のパーティーが続々と到着する。小屋はたちまち満員すし詰め状態となる。

団体はすぐに宴会を始める。高校生たちは、ついさっきまでラジオの気象情報で天気図をつけ、明日の天候の確認をしていたのに、今は小屋の隅で小さくなってしまっていて何だかかわいそうだ。
酔いが回って大きな声を張り上げる大人を、彼らは恐れているように思える。

谷川岳も若い人たちの似合う山域だが、これでは若者の山離れがどんどん進んでいってもおかしくない。

一時は全く見えなかった周囲の眺めも、ガスが切れて落日を拝めるようになった。目の下は一面の雲海である。
茂倉岳への道を少し登ってみると、一ノ倉岳から谷川岳、主脈縦走路の山並みもぽっかりと雲海に浮かんでいるのが見れる。
もやがかかった上に日も落ちて薄暗くなってしまったのが残念だが、泊まりで来ているからこそ見ることの出来る景観なのだ。

夜8時を過ぎて小屋も静かになった。明日は晴れてくれるだろうか。寒くない山の一夜は静かに更けていった。


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