山の写真集 > 谷川岳・越後・信越 > 谷川連峰主脈縦走
-うねる国境稜線を歩き通す-
タイトル
天神平-谷川岳-万太郎山-仙ノ倉山-平標山
山域谷川連峰
地域群馬県・新潟県
標高トマの耳(1963m),オジカ沢ノ頭(1890m),万太郎山(1954m),エビス大黒ノ頭(1888m),仙ノ倉山(2026m),平標山(1983m)
山行日2011年10月8日(土)~9日(日)天気1天気2
沿面距離1日目:7.7km、2日目:11.6km
歩行時間1日目:3時間40分、2日目:6時間30分
標高差775m(土合駅~ロープウェイ土合口駅、天神平~仙ノ倉山)
宿泊大障子避難小屋
温泉谷川温泉「湯テルメ谷川」
交通車、ロープウェイ、バス、上越線Home
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2011年10月8日(土) 晴れ時々曇り

練馬IC4:25
 関越自動車道
水上IC6:10
 国道291号
6:30土合駅6:40
6:55土合口駅7:20
 ロープウェイ
7:30天神平
8:10熊沢穴避難小屋
9:25谷川岳(トマの耳)9:30
9:35肩ノ小屋9:55
10:50オジカ沢ノ頭11:05
11:50大障子避難小屋

2011年10月9日(日) 晴れ時々曇り

5:40大障子避難小屋
6:00大障子ノ頭6:10
6:53万太郎山7:10
7:55毛渡乗越
9:05エビス大黒ノ頭9:15
9:40エビス大黒避難小屋9:45
10:17仙ノ倉山10:45
11:20平標山11:45
12:45松手山12:55
13:10鉄塔
13:40平標登山口14:05
 越後交通バス
14:41越後湯沢駅15:04
 上越線
15:31土合駅15:40
 国道291号
谷川温泉立寄り
17:25水上IC
 関越自動車道
21:15練馬IC


関連リンク
[記録] 谷川主脈縦走(2006年)
谷川岳ロープウェイ
谷川温泉 湯テルメ谷川
越後交通バス


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オジカ沢ノ頭から緩やかに下る。すぐにオジカ沢ノ頭避難小屋がある。中は3枚のスノコが敷かれているが、楕円形のドラム缶の形をしているので、左右のスノコは内側に傾いている。平たい面の上で寝られるのは1名だけだろう。
大小さまざまなアップダウンを越えていく。しばらくはガレ場もなく穏やかな道が続く。左手には俎嵓の稜線、右手には茂倉新道が緩やかに伸びている。
次の小障子ノ頭から先の下りは岩場になっているので注意が必要だ。その後はまた伸びやかな尾根歩きとなる。


うねる笹の稜線の先に大障子避難小屋が見える

オジカ沢避難小屋
万太郎山を正面に
茂倉岳も
笹の道を行く
紅葉たけなわ

水場への分岐を見たすぐ先が大障子避難小屋である。正午前に着いてしまった。もちろん先客はいない。小屋の扉を開けるとモワッとした空気が出てきたので、しばらく開け放して換気を試みる。
まあ今日はこのまま、ゆっくりしよう。10分ほど下ったところの水場に水を汲みに行ったあとは、特にやることはない。散歩がてら前後の小ピークに登ったり、食事などして時間をつぶす。誰も来ない。
小屋の中で横になっていると、ようやくひとりの訪問者。万太郎山方面から来た人で、この先のオジカ沢ノ頭まで行くようだ。ここには泊まらなそう。小屋を覗いたらすぐ行ってしまった。

午後2時ごろから、縦走者が続々とやって来た。やはりこの好天の土日、自分だけいうことはない。定員7名のこの小屋に、結局10名が泊まることになった。詰めれば入るものである。
なお、定員7名とはエアリアマップに書かれていた数字である。一方、2000年版アルペンガイドでは定員15名となっている。これは、それぞれの執筆者の山小屋に対する考え方の違いからくるのだろうか。
泊まるための小屋ととらえるなら7名くらいが納得いく数字、避難場所としての役割を考えるならもっと多くてもいいだろう。しかし実際15名入ってしまったら、どう頑張っても全員が横になるのは無理である。
少し古い登山ガイドの写真を見ると、大障子避難小屋は今と違う、もっと頑丈で大きな建物だったようだ。このときの定員が15名だったのかもしれない。

避難小屋に泊まったのは久しぶりだ。北海道大雪山の小屋を除けば、昨年10月下旬の酉谷山以来である。同宿者との会話も弾む。10名もいればなおさらである。楽しい時間を過ごすことができた。

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夕方はガスが出ていたが、夜がふけると一面の星空になっていたらしい。起きて外に出ると雲ひとつなし、風もなくうってつけの山日和である。勇んで出発する。

大障子避難小屋
岩尾根も紅葉
万太郎山頂上
ハイマツのヤセ尾根
笹と草紅葉

大障子ノ頭を越えると、主脈縦走路の主役・万太郎山はもう目の前である。直下は急登が続くが、朝の気持ちいい大気の中、気持ちよく登れる。きつい登りが終わると、吾作新道が右手に分岐していた。
吾作新道は主脈縦走路から土樽駅に下れる道で、いつかは歩いてみたい。上部の岩場は紅葉たけなわになっていた。ハイマツの細尾根を緩く登ると、展望満点の万太郎山である。谷川岳や茂倉岳方面の眺望はもちろん、これから行くエビス大黒ノ頭から仙ノ倉山へ続く、うねりにうねった稜線が、ぞくぞくするほどの高揚感を覚える眺めである。
越後湯沢方面の建物も見え、その方向には足拍子岳や飯士山といったトンガリ山の姿が目立つ。

そういえば気づいたが、この主脈縦走路には「~岳」という名の山が谷川岳以外にない。他はすべて「~山」や「~ノ頭」である。実際アップダウンは多いけれども、ピークはどれも丸っこくたおやかなスロープを形作っている。
険しいイメージのある「岳」よりも「山」と呼んだほうが、この付近のピークにはふさわしい。

万太郎山からは両側が切れ落ちた細い尾根となる。ハイマツに囲まれているのでそれほど恐怖感はない。茶色がかった草紅葉と笹の緑、灰色の岩。三色の縞模様になった斜面を下る。
避難小屋に同宿していた2人のソロの人と、時々追い越したり、追い抜かれたりする。越路避難小屋があった。昨晩は4名が泊まったそうだ。また、谷川岳肩の小屋は満員で、予約なしの宿泊は断られたらしい。

目指すエビス大黒ノ頭のあたりに、薄いガスまとわりつくようになる。あれだけの快晴無風の谷川連峰も、少しずつ天候の変化が現れ始めた。だいたいこの山域でこれほど穏やかな空模様は、普通ありえない。
ガスは次第に大きな雲の塊となり、その先の稜線を覆うようになる。

毛渡(けど)乗越に着く。川古温泉からの道が上がってきていた。この道も難路と聞く。
吾作新道やこの先の平標山から下る平標新道など、主脈縦走路から伸びる下山路はどれも長く険しく、エスケープルートにはなりにくい。危険度を減らすなら縦走路を歩ききったほうがいい。