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2006年10月15日(日)~16日(月)
天神平-谷川岳-大障子避難小屋-万太郎山-仙ノ倉山-平標山
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縦走路から一ノ倉岳、茂倉岳
縦走路から俎嵓と赤谷川源頭を望む [拡大1024×768]

●風の舞う主脈縦走路へ
錦色の衣をまとった頂稜部を見上げながら、岩でガラガラの斜面を登る。

雲が出て、次第に新潟側の眺めがさえぎられてきた。これから歩こうとする爽快な稜線が見られない。
前3回はいい天気でくっきりと見れたのに、いざ歩こうとするときに限って雲の中。運が悪いというか、まあ性悪な気象の地だからしょうがないだろう。

人であふれている谷川岳頂上(トマの耳・1963m)にタッチし、肩の小屋まで下りる。
大障子避難小屋付近で水が得られるか確証がないため、肩の小屋で水を買う。1リットル600円と、貧乏な懐にはつらい出費となった。帰りの駅までのバス代だけあればどうにかなるのだが。

谷川岳頂稜部
谷川岳頂稜部
西黒尾根を見下ろす
西黒尾根を見下ろす
細尾根を辿りオジカ沢ノ頭へ
細尾根を辿りオジカ沢ノ頭へ
気持ちよい千島笹の稜線
気持ちよい千島笹の稜線

いよいよ稜線縦走に入る。ガスで見え隠れするオジカ沢ノ頭を正面に見据えながら、急斜面を下る。鞍部から登り返すとヤセ尾根、岩場が断続してくる。
日帰りであろう、小さいザックの人と何人かすれ違う。また、沢登りを終えたパーティーもやってくる。

強い風で時々立ち止まりながらも高度を上げていく。細尾根上の突起であるオジカ沢ノ頭(1890m)を越すと、ゆったりした笹原が広がった。天候も少し回復し、紅葉に彩られた谷が見えてくる。

谷川岳から眺めると、オジカ沢ノ頭の先は左に見える俎嵓に稜線が伸びているが、主脈縦走路は真っ直ぐ伸びていて、その先の小障子ノ頭・大障子ノ頭、雲に隠れた万太郎山へと続いている。
左手に赤谷川の流れが広大な笹原の面を分けている。素晴らしく絵画的でダイナミック、かつたおやかな眺めだ。

小障子ノ頭(1730m)を越えると避難小屋が見えてくる。本当にむき出しの稜線上にある小屋なんだな、と思う。
先客は男性一人だった。他にも2人が縦走しているようだが、いずれも翌日三国峠まで行くとのことで、もうひとつ先の小屋を目指している。

大障子避難小屋は、無人の小屋としてはこの稜線で一番大きい。半円柱形の簡素な造りの小屋だが居住性はいい。扉が半分壊れかかっており、きちんと閉めるにはコツが必要だ。

「15分」と標識のある水場に行ってみる。ガレ場をどんどん下り、10分ほどでようやく水にありつく。冷たくうまい。
登り返しもきつく、両手を使って斜面を這い上がる。小さいザックを持参していてよかった。

小屋に戻る。しばらくは扉を開け放し、外の眺めを楽しんでいたが、稜線はいつの間にかガスに包まれる。結局、この日はそれ以降到着する人はおらず、2人で北関東の山の話などをしながら寝入る。
覚悟していたほど寒さは感じなかった。

深夜、ゴー、ゴーと強い風の音で目を覚ます。半端な風ではない。やがてバタン、ギーと扉が風で開いてしまった。風の音が気になり、よく寝付けなかった。


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