山の写真集 > 谷川岳・越後・信越 > 鳴倉山と小千谷城山
  • -展望秀でた魚沼の里山をつなぐ-
  • 登山口-おとみ坂-鳴倉山, 時水登山口-城山
  • 越後
  • 新潟県
  • 鳴倉山(579m)、城山(384m)
  • 2014年5月3日(土)
  • 3.6km/5.3km
  • 2時間15分/1時間45分
  • 435m(登山口-鳴倉山)/256m(時水登山口-城山)
  • ちぢみの里
  • マイカー
天気1

 

地図
2014年5月3日(祝)前夜発
練馬IC 20:30
  関越自動車道
塩沢石打SA泊
小出IC 5:21
  県道70,50号
5:55   鳴倉山登山口
6:20   十二山の神
6:47   つつじヶ原
7:00 鳴倉山 7:40
8:50 鳴倉山登山口 9:00
  県道50号,国道17,117号他
10:10 時水(城山登山口)

 

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今年のゴールデンウィークも、新潟の山を巡り歩いた。
まず中越・魚沼地方の鳴倉山に登り、下越まで車で移動して翌日は五泉市の鳴沢峰から菅名岳とする。3日目は天気次第だが、小さい山でも登りたい。

翌日の鳴沢峰・菅名岳へ 翌々日の櫛形山へ


鳴倉山山頂から、魚沼湯之谷地区の田園地帯を一望する

塩沢石打SAを朝4時に出発。すでに満車状態

朝4時からこの混雑

田んぼの中を通って入山する

登山口は田んぼから

オオタチツボスミレ

オオタチツボスミレ

登り始めて15分くらいで背後が開ける。右に見えるのは(湯之谷の)城山

眺めよい尾根

見晴の松を過ぎると傾斜はなだらかになり、鳴倉山の山頂が見えてくる

快適に歩く

鳴倉山山頂

鳴倉山山頂

鳴倉山から右:八海山、左:越後駒ヶ岳、中央奥:中ノ岳の越後三山を望む

越後三山の眺め

登ってきた方向は権現堂山の眺めがいい

権現堂山


湯之谷地区の前身・旧北魚沼郡湯之谷村は、魚沼市の合併元(小出町、堀之内町、広神村、守門村、入広瀬村、湯之谷村)の中でも一番奥まった位置にあり、福島県と接している地域でもある。そのため、奥只見の玄関口とも言えて、銀山平や越後三山・荒沢岳の登山はこの集落の県道を通ってアプローチする。魚沼市の中でも手付かずの自然が残されている。
鳴倉山は数年前に登った大力山の隣りで、越後三山などの高い山の前衛として湯之谷地区に大きくわだかまる。湯之谷地区はカタクリの里として知られており、この山も多くの山野草が期待できる。
山頂はパラグライダーの発着所にも利用されていて、直下まで車道が伸びているが、登山道は反対側の北斜面にある。

関越道の塩沢石打SAで仮眠する。朝4時に起きてみるとびっくり、駐車場はすでに満杯で車があふれていた。さすがGWである。小出ICから道の駅ゆのたにへ。そこから田畑の中につけられた車道を数分。鳴倉山登山口は田んぼの横から山に入っていく場所にある。
車道はここから先が通行止めになっており、その場所に車を置かせてもらった。周囲はまだ田植えは行われていないが、雪もなく、今にも人々の活動が再開されそうだ。

突き分けコースは、麓目がけて下っていくような道で始まる

新しい道

枯れ葉を突き破って咲くカタクリ

すごい力

ブナなどの新緑が山を駆け上がっていく

新緑ライン

タムシバ(突き分けコース)

タムシバ

残雪覗く谷筋が何本も、斜面を刻む。ユキグニミツバツツジ越しの眺め

幾本もの谷を刻む

突き分けコースの下部は、踏み跡がカタクリの葉で埋め尽くされているところもあった

カタクリの葉で

田んぼの脇に下山

下山


登山口からすぐ、鳴倉大明神の社を見る。その先、一面がカタクリの葉で敷き詰められた道を行く。雪解けが早いせいもあって、このあたりのカタクリはほとんど終わっていた。
急な登りが始まる。ナガハシスミレやマキノスミレを見る。すぐに背後の眺めがよくなり、対面に城山が見える。魚沼の山らしい、足ざわりのよい土の道を歩くと、自然のふところにいる気がする。

ユキグニミツバツツジの濃紫色、タムシバの純白が青空に映える。
見晴の松を過ぎると、残雪が見られ始める。樹林の背が低くなって展望が開け、前方に鳴倉山の頂上部が早くも見えてきた。東京の高尾山よりも低い山なのに、上部は高山の雰囲気も漂う。緩やかに登ってつつじヶ原。振り返れば湯之谷の田園風景に城山、その向こうのまだ残雪の目立つ山は権現堂山と唐松山だ。
おとみ坂で急坂を登りきり、鏡ヶ池からのもう1本の登山道を合わせ、三角点のある鳴倉山山頂に到着する。

展望は360度、すばらしいの一言だ。何と言っても目に飛び込んでくるのは越後三山。八海山や越後駒ヶ岳の白き姿がひときわ輝く。
八海山の後ろには金城山、さらに遠くに谷川連峰も見えているようだ。北には奥只見の山々も白い。鳴倉山山頂は東西に細長くなっており、西側に一段低くなっているところはおそらくパラグライダー発着地だと思うが、眼下に広がる魚沼平野に向けて飛び立つのは爽快なことだろう。鳴倉山は魚沼が一望できる山なので、もう少し季節が進んで田植えが済んだ頃の青々とした眺めも見てみたいものだ。

下山は突き分けコースというのを辿っていく。まだ出来て間もない登山道だそうである。登りの明神コースと合わせて周回コースが取れる。
南側に伸びる林道状の道沿いに下り、その後尾根に乗る。登山道は刈り払われて間もないと見え、まだ踏み固められておらず柔らかい。緩やかな下りは直線的で、下に見えている麓の田んぼまで下っていけそうに見えるが、途中で尾根は屈曲し、急激な下りに転じる。ロープもついている。

道にはカタクリの葉で敷き詰められていて、いくつか花もつけている。急坂なので、葉を踏まないように歩くのが大変である。イワナシやイワウチワも見ることができた。右手斜面にはいくつもの谷筋が刻まれ、残雪をしたためている様子は、どこかの険しい山稜を見ているような錯覚に陥る。鳴倉山は低山でも雪で峻険な尾根と谷を従えており、そこは雪国の山の顔がある。
新緑のブナも少し見られ、ユキグニミツバツツジも残雪とのコントラストがいい。

何とか下りきり、朝の登山口に戻ってきた。今日は前線が日本列島を通過する予報になっていて、いつ天気が崩れるかと思っていたが、頭上の爽やかな青空を見ると、まだしばらく大丈夫そうである。
念のためコースを調べておいたもうひとつの山に登ることにした。