2013年4月14日(日) |
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小出ホテルオカベ |
5:20 |
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国道352号 奥只見シルバーライン |
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銀山茶屋 |
6:40 |
6:55 |
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尾根取り付き |
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8:10 |
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赤崩山東の肩 |
8:25 |
9:10 |
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尾根取り付き |
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9:20 |
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銀山茶屋 |
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奥只見シルバーライン 国道352号
白銀の湯立寄り
道の駅ゆのたに |
12:20 |
小出IC |
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関越自動車道 |
15:25 |
練馬IC |
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暮れ行く中、関越を小出ICで下り、駅近くのホテルに入る。今年の冬、小出でも多いときは2メートルくらい積雪していたようだが、今は路肩に除雪された雪が残っているのみだ。
翌日、銀山平まで車で上がり、残雪の山を登るつもりで来たのだが、実は直前まで迷っていた。気温がかなり上がりそうで、雪崩の危険がないかが気がかりだった。また夕方にかけて天気が崩れる予報もあった。それに何をおいても、今年の冬は雪山をほとんど登っていないことが一番心配な点である。
赤崩山の東の肩から。雪庇のピークの奥が赤崩山
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翌朝、すっきりと晴れ上がった。周囲の山の眺めも素晴らしい。山が誘う(いざなう)とはこのような眺めを言うのだろう。停めていた車の窓には霜が降りていた。朝夕の気温差がかなりありそうだ。
湯之谷地区を走り、折立方面へ向かう。6時から通行可となるシルバーラインの入口には、何台か車列が出来ていた。ここからは朝日に赤く染まる越後駒ヶ岳の眺めがいい。それから後もどんどん車がやって来て、都合30台くらいがゾロゾロとシルバーラインのトンネルをくぐっていく。駒ヶ岳への登山、または丸山スキー場に行く人が多いのだろう。自分と同じ山を目指す人も、この人出なら何人かいそうである。
銀山平の出口で外に出ると、そこはどこまでも明るい白銀の地となっていた。道路は除雪されているが、両脇には八甲田山や立山のような雪の壁が出来ている。
今日登る予定の赤崩山・日向倉山には道がなく、もっぱら残雪期の山となっている。ネットの報告では展望がすばらしく、それほど難しいところもないとのことだ。自分の中でブームが続いている越後の山であり、また昨年夏に苦しめられた荒沢岳と対峙しているということで、これは登らねばと思った次第である。
トンネルを出て、ほとんどの車は右折してこの先の石抱橋まで行くようだ。残雪期の越後駒はここが登山口となっている。自分は角にある銀山茶屋の駐車場に車を停める。どうやら自分と同じ山に登る人は回りにいないようだ。
ピッケルと輪カンをザックに縛りつけ、前爪アイゼンとダブルストックを持って出発する。トンネルのほうへ戻るように、赤い橋を渡る。正面に登る山が見える。左手のS字状になっている尾根に取り付く予定だが、その行き着く先におそらく赤崩山と思われるピークがすでに見えている。
体力が続かなければ日向倉山は諦め、赤崩山の往復でもいい。
トンネル口の横の雪の壁をよじ登り、しばらく川沿いに進む。足跡がたくさんついている。取り付き口のあるコンクリートの建造物のところまで5分くらい雪道を歩く。その手前に急登コースの取り付き口もあるらしいが気がつかなかった。
取り付き口で、まずは10mくらい上にある尾根に上ろうとするが、雪が固い上にあまりに急で登れない。最初からアイゼンを付けることにする。前爪アイゼンのお陰で尾根に上がることが出来たが、下山時にここを下りるのも苦労しそうである。まあそれは後のことなので今は先に進む。
尾根上からは緩やかな登りが続く。が、やはり久しぶりの雪道であり、体力の消耗が大きい。10分ほどで後ろを振り返ると、もう荒沢岳が大きい。さらに登ると中ノ岳、越後駒の真っ白な頂ももどんどんせり上がってきた。
歩く方向はほぼ一直線、足跡もいくつもあってルート的には問題ない。ただし右手には雪庇の箇所もあり、出来るだけ左側の樹林のほうに意識してルートを採る。日差し強く気温もぐんぐん上がってきた。雪はザラザラした感触になって、アイゼンを着けての歩行がややしんどくなる。外そうかとも思ったが、万一スリップしたときのことを考えこのまま行く。
傾斜が少し緩くなったところで一休みし、さらに登高。パノラマの雪山展望は続く。稜線はすぐ上に見えていながらなかなか近づかない。
高度を上げると少し雪が締まってきた。歩く足に若干力が戻る。尾根が痩せてきて、雪庇の突き出た稜線にこの尾根がどのように接続しているのか、近づいて見るまでわからなかったが、特に不自然なつながり方はなくそのままの斜度で歩いて、稜線に立った。
荒沢岳、越後駒と中ノ岳の眺めはもちろん、反対側に見える日向倉山から未丈ヶ岳への稜線もダイナミックだ。未丈ヶ岳はここから尾根続きになっており、残雪期の今であれば縦走は可能である。
そして北面には毛猛、桧岳といった秘境の山。天気はやはり下り坂なのか、空が白っぽくなってしまったが、見渡す限りの雪山の眺めにしばし時間の経つのも忘れ見入る。
ここを赤崩山の東の肩と呼ぶ人もいるようだ。左手に盛り上がった緩やかなピークが赤崩山と思われるが、その手前に大きな雪庇があり、トレースはついていない。せっかく輪カンを持ってきたので行ってみてもよかったが、今見ている展望で今回は満足してしまった。
時間は十分にあるけれど、日向倉山への縦走はもう少し体力をつけたときにやってみたいと思う。今日のところはここで下山することにする。
登ってきたヤセ尾根を慎重に下る。なだらかとは言っても樹林はなく、コケたらズルズルと落ちていってしまいそうだ。気温が上がり雪も腐り気味である。
眼下に見えている北ノ又川目指して着実に高度を落としていく。この時間から1人、また2人と登ってきた。皆さんベテランと思しき方ばかり。日向倉山まで縦走すると言う。まあ当然だろう。
これから登ってくる人がいるのを見ると、簡単に縦走を諦めてしまったことを後悔したりもする。
結局アイゼンをつけたまま尾根の末端まで下り、残るは最後の10mほどの急斜面である。お腹を下にしてそろりと下ってみるが、足元が見えないので恐く、やはり簡単には降りられない。アイゼンで何度も蹴り込みを入れながら足場を確保しつつ、無我夢中で取り付き口まで下る。最後は冷や汗が出てしまった。
川沿いを歩いて銀山茶屋の駐車場に戻る。大展望の稜線にも立てたし十分に満足のいく山であった。がしかし、やはり縦走したかった。結果論ではあるが薄雲がかかり始めていた空は再び持ち直し、今は眩しいくらいの日差しと青空になっている。再訪を期す山がまたひとつ増えてしまったようだ。
ここから車で数分の銀山平温泉に寄っていこう。雪の壁沿いに走ると、越後駒登山口である石抱橋付近に除雪車と何台もの車が止まっていた。橋より先の車道は除雪がなされていない。
転じて銀山平温泉方面へ車を走らすと、再び越後駒や中ノ岳の白い頂があらわとなってきた。青空の下、いつまで眺めていても飽きない、素晴らしい眺めである。
銀山平にある日帰り温泉「白銀の湯」はちょうど営業開始の時間になっていた。まだほとんど人はおらず、雪山を眺められる内湯でゆっくりと2日間の疲れを癒す。
最高の天気、素晴らしい雪山の眺め、気持ちのよい温泉と今日は3拍子揃った。もう一泊したい気分だが明日からまた会社である。早く下ったおかげで、日のあるうちに東京に帰れそうだ。道の駅でコシヒカリを買って帰途に着く。