~ガスが切れて残雪輝く~
タイトル
えちごこまがたけ(2003m)
2007年7月1日(日)曇り

5:43長岡駅-[上越線]-6:17小出駅6:30-[バス]-7:35枝折峠-8:05明神峠-8:55道行山-9:40小倉山9:50-10:25百草の池10:35-11:30駒の小屋11:35-11:50越後駒ヶ岳12:25-12:40駒の小屋12:55-13:37百草の池-14:07小倉山14:15-14:55道行山-15:45明神峠15:50-16:10枝折峠15:35-[バス]-17:15大湯温泉19:19-[バス]-19:48小出駅
歩行時間:7時間10分
マップ
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越後三山の主峰、越後駒ヶ岳(魚沼駒ヶ岳)にようやく登ることができた。
新潟の山に目が向き始めて以来、上越線に乗る機会も多くなった。車窓からいつも堂々としたいでたちを見せており、登高欲をかきたてられる。間違いなく新潟を代表する山であろう。

東京から公共交通機関を使ってのアプローチでは日帰りは無理で、前日泊または山中一泊が必要となる。泊まるなら縦走したい。
個人的には八海山からではなく丹後山からの縦走に惹かれる。いずれにしても気力と体力を要するので、手始めに越後駒だけでも登りたい。なかなか機会を得なかったが、今回やっと実現した。
小出駅前のビジネスホテルが楽天トラベルで予約できるのだが、この日はいっぱいだった。小出駅で他に宿を知らないので長岡駅前のホテルに前泊した。

越後駒ヶ岳
越後駒ヶ岳

朝起きたら雨が降っている。山のほうはどうなのか気にかかる。上越線の一番電車で小出駅下車、駅前に待つバスに乗る。このバスは今の季節は、日曜日この時間だけの運行である。
なお駅前には他にも数軒の宿があるのがわかったので、次回は利用したい。

バスは大湯温泉を経て、山をどんどん登る。一面の鉛色の空も高度を上げると青空そして太陽ものぞいた。
それにしてもずいぶんバスは登るものだ。枝折峠は標高1100m、林道の代わりに登山道があるのなら、ここまで登ってくるのも立派な登山である。着いた枝折峠(しおりとうげ)はガスの中だった。小出からここまでバス代680円というのも安い。
バスから降りたのは3名の登山者。駐車場に泊まっている車も数えるほどだ。やはりこの天気で人出は少ない。


枝折峠に到着

銀の道分岐

ヒメシャガ

豊富な残雪

泥除けのため、スパッツを着けて出発。初めから砂礫の見通しのいい道で、本来なら左手に越後駒が大きく見れるらしい。しかし今日は白一色。平坦あるいは緩い登りの道を進む。
銀の道を左右に分ける頃砂礫の道は終わり、登山道らしくなる。少し先に明神堂というお堂がある。
銀の道は、かつては銀鉱山として栄えた銀山平と麓を結ぶ道であり、最盛期のときは1万人以上が往来したと言われる。明神堂は往来の安全を願って建立されたものだ。銀の道は今では銀山平から越後駒に通じる登山道になっているが、枝折峠からの道よりはかなり細い。

お堂から少し登ると明神峠の標識。山頂のようである。以後、道行山~小倉山まで低潅木が主の登山道が続く。

道行山の標高が1298m、小倉山が1378mだからあまり高度は上がらない。登りがあったかと思うとすぐに下ってしまう。天気が悪いのでよけい単調に感じる。晴れの日は楽しい道であろう。
ユキザサ、コイワカガミなどを見る。そしてタムシバもまだ咲き残っている。道はぬかるみが多くなり、小さな水溜りでは蛙の卵も時折見かける。

一瞬頭上が明るくなりガスが切れた。眼下の深い谷が見下ろせる。しめたと思ったのもつかのまで、すぐに乳白色の眺めに戻る。
道行山のピークはメインの登山道からは少し外れたところにある。展望がいいとの事なので試しに上がってみるが、やはりガスの中。近くの稜線が見えるだけだった。

時折急登となるものの、至って高度の上がらない行程がまだまだ続く。紫色のきれいな花が現れる。遠目にはハクサンフウロのようだが、近づくとシャガだった。山に咲いている自生のシャガを見るのは初めてである。かなりの群落で、今日はこれが一番多く見られた。・・・「ヒメシャガ」とのことでした。


コイワカガミ

ムラサキヤシオ

時々明るくなると、ガスが晴れるか期待して周囲を見渡す。しかしなかなか眺めは開けてくれない。雨が降っているわけではないが、スパッツを着けた足は膝から下が真っ黒だ。
相変わらず開けた道を歩き、小倉山に至る。右に緩く上がって行くのが駒の湯への道だ。山頂らしくなく通過点と言う感じだ。

やや登りの道が増えてくる。小さな登りを越えると百草の池、ここで突然目の前に残雪の斜面が現れた。
右手の大きな山は越後駒、その手前のコブに小屋のアンテナも見える。左になだらかに続く稜線も残雪が輝いている。中ノ岳と思われるピークもかろうじて見える。
中腹はガス、稜線は眺めが利く。これも梅雨時の気象の特徴なのだろうか。

登山道で雪を踏む場所は少ないものの、それにしてもまだこんなに多くの残雪があるとは思わなかった。守門岳や坂戸山から望んだ残雪豊かな越後三山は、その懐に入って間近に見る残雪もまたダイナミックで美しい。


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