朝から曇り。予報では雨が降るタイミングが早まり、9時ごろからとなっていた。そうでなくても空を見れば今にも降ってきそうである。
しかし今日は新穂高温泉への下山のみ。何とか降られないうちに行動を終えられるか。
槍平から右俣谷沿いに下る |
テントを撤収し下山開始する。槍平の標高が約2000m、これから標高差900mくらい下ることになるが、距離は長いのできついところはそれほどないだろう。
谷間を歩いていくと時々眺めが開け、穂高の峰が見上げられる。石がゴロゴロした歩きにくいところもある。小さな沢を何度かまたいでいくうちに大きな河原に出た。滝谷出合で、クライミングのメッカとして知られている。樹林の中に小屋があり、冬季登山の拠点としても使われているようだ。
沢を下に見ながら緩やかに高度を落としていく。チビ谷を過ぎ、沢音から離れていくと鬱蒼とした樹林下の道となる。標高を落とし、木々の葉もこのあたりはすっかり緑色が復活。
昨日奥丸山で会ったご夫婦が歩いていた。昨日登って今日下山と言うことは、奥丸山だけ登頂しにきていたようだ。ここまで来たなら槍まで登ってしまいたいと思うのだが、そうガツガツしない山行もいいだろう。
谷間から笠ヶ岳、錫状岳方面の山稜が見えてきた。3日かけて一周してきた実感が湧く。
堰堤が見えてきて、再び大きな河原に出る。渡った先で登山道は終わり、林道となった。少し先が白出小屋跡で穂高への登山道が上がっている。ここでついに雨が落ちてきた。ザックカバーをして右俣林道を下ることにする。登山道中に降られなかったのは運がよかった。
牧場と山荘のある穂高平あたりで、雨降りは本格的になった。
林道は大きく迂回するのでショートカットの登山道を使う。道が崩れている部分もあって、最後になってなかなか大変な下りとなった。林道を辿っても10分くらいしか変わらないため、雨模様でもあったし無理して近道を選ばなくてもよかったかもしれない。
なお今日は平日のため、治山工事のダンプカーが多く通る。林道歩きでは一応注意しておいたほうがいい。
その後、適当にショートカットしながら林道を下っていくと、懐かしい新穂高温泉の光景が目の前に現れた。
ゲートにあるポストに下山届を投函して、中身のいっぱい詰まった3日間の山行を締めくくる。
本当ならば鍋平駐車場に戻るため、これから200m近い標高差を登り返す行程が残っている。もちろんそうする人もいるだろうが、標高900mを4時間近くかけて下山したあとにそれはちょっとご遠慮願いたい。
幸いにも、目の前の新穂高ロープウェイで鍋平高原まで上がってしまえば、あとは20分ほどの平坦な車道歩きだけで済む。下山後にロープウェイでまた上がるのも奇妙だが、料金は400円(別に荷物代100円)だけなので、下の有料駐車場を使うくらいだったらこのくらいの出費は致し方ない。とにかくもう歩きたくない。
同じく槍平から下山してきた人といっしょにロープウェイに乗り、車道を歩いて鍋平駐車場に戻った。雨は止み、駐車場からは笠ヶ岳がよく見えていた。
中崎山荘で入浴後、平日の空いた高速で帰京する。