2009年8月2日(日)~8月4日(火) |
例年、7月末から8月初旬に夏休みをとっていて今年もそのようにしていた。しかしその休みが近くなっても、今年の中部山岳には梅雨明けの気配が全く感じられない。甲信地方は名目上梅雨明けしているのだが、雨季が終わっていないことは誰の目にも明らかである。天候の好転を信じ、休み前半を家で過ごした。 あれよあれよという間に、8月1日。下手をしたら今年の夏山は一泊になってしまう。もう出かけるしかない。奇跡的にムーンライト信州の夜行指定席券が買えたので、いまだ雨模様の北アルプスを目指すことにした。
8月2・3・4日の3日行程なので、出来れば山上で2泊したい。しかし初日はやはり朝から雨。たいしたことがなければ鏡平まで上がりたい。双六までは無理だろう。 松本駅から電車で新島々、バスで上高地を経由して平湯温泉に向かう。雨が降り止まないので、早くものんびりモードになってしまった。平湯バスターミナルにある温泉に入り、休憩室でごろ寝する。 受付のおばさんが、「梅雨明けないねー」としょんぼりしていた。 新穂高温泉には10時半に着く。この頃雨は小止みになっていたが、蒲田川林道を上がっていくにつれ、再び雨足が強くなっていく。山に入ると天気が悪くなるという、見本のような天気だ。 傘を差して林道を緩やかに登っていく。下山してくる登山者はみな、レインウェアを着ている。しかも誰もが、濡れたウェアが体にピッタリとついていて、山の上では容赦なく雨が降っていることをうかがわせる。 笠新道の入口を過ぎ、わさび平小屋に着く。ベンチに座り空を見上げる。降ったり弱まったり、悩ましい天気だ。ここで休憩してそのまま登っていく人も多い。 しかし自分は、今日はここに泊まることにした。明日はどうやら天候回復の模様。無理することはない。 夕方近くなると、バケツをひっくり返したような大雨になった。ここに留まって正解だったか。夜半になってようやくあたりが静かになる。そして穏やかな、眩しい朝を迎えた。 |