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三伏峠-塩見岳-熊ノ平-間ノ岳-北岳-広河原
2008年8月2日(土)~8月4日(月)
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●樹林帯を抜け大展望の頂へ
8/3(日)三伏峠~本谷山~塩見岳~北荒川岳~熊ノ平  晴れ

塩見岳東峰と雲海に浮かぶ富士山
塩見岳東峰と雲海に浮かぶ富士山

今日の行程、三伏峠から熊ノ平までは13km、コースタイムは9時間あまり。丸1日かかるコースだ。
食事・テント撤収・パッキングといつも1時間かかるので、朝3時過ぎに起床。4時半には出発したい。放射冷却が強まりテントは結露していた。しかし昨晩は満天の星だったので、今日はおそらく最高の天気だろう。
ヘッドランプをつけたまま暗い針葉樹林帯の中を出発する。

実は体力が余っていれば一挙に北岳山荘まで行ってしまおうとも思っていた。そうすれば翌日がすごく楽になる。実際そういう記録もネットにあったので、出来ればという気持ちがあった。
展望の得られる三伏山(2498m)を越え、さらに樹林帯を行くとマルバダケブキのお花畑の登りとなる。


本谷山から中央アルプス

塩見小屋前から

塩見岳へ

悪沢岳と荒川岳

富士山

右手に塩見岳の大きなシルエットがある。そしてその横から太陽が顔を出す。塩見岳は進むごとに形を変え、ゾクゾクしてくる眺めだ。

ハイマツ帯となり本谷山頂上(2658m)に出る。塩見岳も背後の荒川岳も大きいが、左手の雲海から頭を出している中央アルプスが印象的だ。
そしてはるか北の方には北アルプスも素晴らしい。見えるということは、あちら側の天気もよいということ。今日はどうやら中部山岳はどの地方も最高の山日和の天気のようだ。

本谷山からは塩見岳を正面にして下り、ほどなく樹林帯に戻る。木の間から荒川岳の大きな山体が見え隠れする。
太陽はすっかり真上に出ているはずなのに、歩けば歩くほど樹林奥深く入っていき薄暗くなる。一度見た朝日が嘘のように、まるで夕方になってしまったようだ。
急坂やギャップがないので歩きやすい。ずいぶん樹林帯を歩いただろうか、道が登りに転ずると、それほど距離を経ないで明るい場所に出る。塩見新道との合流点でここでいったん大きく眺めが開ける。
昨日からあれほど遠くに見えていた塩見岳の、いよいよふところにまでたどり着いた感じだ。短い樹林帯を経てついに展望広がる稜線へ。ハイマツの海に隠れるように塩見小屋が建っている。そして目の上には大きな岩峰の塩見岳。
ここからは岩稜を巻くようにしてどんどん高度を上げていく。岩角をつかみながらの急斜面の登りはかなりハードだ。
今までが穏やか過ぎる樹林帯の道だったので、登る人には大きなギアチェンジが要求される。ここがアルプス山稜なのだということを再認識するところだ。

イワベンケイやタカネシオガマなど岩稜に咲く花を見るうち、塩見岳西峰(3047m)に到着する。雲海に浮かぶ富士山が大きい。そして四囲の大展望、言うこと無しだ。
すぐ先にある東峰(3052m)に登ればさらにすごいパノラマ、中央アルプスや北アルプス、近くには農鳥岳、間ノ岳が大きく仙丈ヶ岳や甲斐駒の姿も際立つ。
もちろん反対側には南アルプス南部の悪沢、荒川岳も。また、御坂や奥秩父方面も視界が利く。塩見岳から見える百名山はかなりの数にのぼりそうだ。おそらく40から50近くは見えているのではないか。
近くを見ても遠くを眺めても、登った山、登りたい山、懐かしい山がいくつも、それぞれの個性をたずさえひしめき合っている。

そして足元を見ると仙塩尾根がうねるように伸びている。あそこをこれから歩くと思うとゾクゾクしてくる。仙塩尾根からさらに砂礫の支尾根が分かれ、蝙蝠岳(2865m)に達している。

居心地のよい頂上はすぐに人で一杯になった。仙塩尾根の縦走に入る。蝙蝠岳へのコースを分ける北俣岳から道は急激に落ち込み、ヤセ尾根もあってちょっと緊張するところだ。しかし名だたる日本の名山を見渡しながら歩む尾根歩きは、爽快この上ない。
急坂を下りきったところで振り返ると、塩見岳の頂上部がもう高い。こちら側から見る塩見岳も立派である。


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