~錦秋の北アルプスを心ゆくまで~ 上高地-横尾-涸沢-北穂高岳-パノラマ新道-上高地 |
●涸沢へ (横尾~本谷橋~涸沢) 本谷橋あたりになると、周囲はいよいよ鮮やかな黄葉で覆い尽くされてきた。橋のたもとで多くの登山者が休憩している。 橋を渡り、さあここからは本格的な登山道だ。急なジグザグの坂をじっくりと登って行く。頭上はナナカマドやダケカンバの紅葉・黄葉が色とりどり、木の間越しに見られる山肌も黄色やオレンジ色の化粧をしている。時間の関係で日が差していないのが惜しい。 高度を上げるにつれ、周囲の色合いはどんどん輝きを増してくる。道はやがて石畳となり、高山の雰囲気が漂ってくる。前穂高が姿を見せる。 前方に涸沢ヒュッテののぼりが泳いでいるのを見るが、そこからがけっこう長い。荷物の重さを感じ出す。前半が斜度の無い行程とはいえ、6時間近い道のりはやはり歩き応えがある。
涸沢小屋への分岐を見送り、さらに石の道を登る。階段状の道を上って涸沢ヒュッテに到着。そのままテント場に進む。 目の上に鎮座する穂高連峰の姿が素晴らしい。そしてカール下部を埋め尽くす紅葉黄葉の競演は見事だ。 特に、最下部にナナカマドの燃えるような赤が集中していて、帯状になっているのがすごい。登山の過程で見る紅葉は、樹林帯の中を歩き、内側から見て楽しむことが多いが、涸沢カールの紅葉は紛れも無く「外側から見る紅葉」だ。むやみに近づかなくてもいい。カールの底から見上げるだけで十分に圧倒される。
秋の穂高の岩峰群は、夏に比べるとまぶしいくらいに白っぽさを増している。それと、赤・黄とのコントラストがなおいっそうまばゆく目に映る。 空は、あいにく雲が多く、涸沢カールには日が差してこない。今日はもうこのまま日没だろう。 カールのほぼ中央部にテントを張り、食事をとったら急に眠気が襲ってきた。やはり夜行列車と重い荷物は、体にけっこうこたえているようだ。夕方5時の早過ぎる就寝となった。 |