ガスの中を天狗岳へ
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東天狗への岩尾根
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●天狗岳を越え黒百合平、渋ノ湯へ下山
3日目。今日は根石岳・天狗岳、黒百合平を経て渋ノ湯に下りる予定だ。起きると何と一面のガス、そして台風並みの風。山の天気は本当に予測がつかない。
朝食をとりながら、天狗岳はあきらめるかな、との思いがよぎった。
が、昨日あれだけきれいに見えた稜線に惹かれ、結局登ってみることにする。根石岳を過ぎ、よろめくような強風とガスの中、本沢温泉への道を分けて東天狗の稜線を進む。
たまにガスが切れ、青空が覗く。登るにつれ険しい岩尾根となる。突然、あたり一面ガスが切れ、足元に広大な山裾の展望が広がる。高度感満点だ。
小さなピークをひとつ越すと、すぐに東天狗の山頂に着いた。
ガスが晴れ上がりかけている。昨日の赤岳と同じパターンだ。まず中央アルプス方面への展望が開け、隣りの西天狗が見え始める。ほどなく、赤岳・阿弥陀岳などの南八ツの主峰が見え出す。最後に、今登ってきた稜線まで確認することが出来た。
西天狗の山頂まで15分ほどなので、ザックを置いて往復する。西天狗からは、根石山荘が見えた。
東天狗山頂
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東天狗・西天狗間の稜線
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東天狗に戻るころ、山は再びガスに包まれ始めていた。中山峠、黒百合平めざして下りていくことにする。
穏やかなイメージの八ヶ岳北部だが、天狗岳から中山峠までは大きな石のゴロゴロした、けっこう歩きがいの有る道だ。前方ににゅう、丸山が見える。丸山の山肌は、北八ヶ岳特有の「縞枯れ」状態になっている。樹林の生育している所と枯れている所が、交互に縞模様になって並んでいる。なぜこうなるのか、原因はわかっていないそうだ。
黒百合ヒュッテ
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石の道がようやく途切れ、小広い草原地に出ると黒百合ヒュッテだった。展望満喫の山旅もフィナーレが近い。小休止のあと唐沢鉱泉分岐、八方台分岐を経て渋ノ湯に向かった。
黒百合ヒュッテから渋ノ湯も石の道で、意外と時間がかかる。予定より20分ほどオーバーしてしまい、バス待ちの関係で、渋ノ湯の温泉にあまりゆっくりつかれなかった。
バスで茅野駅まで行き、あずさ60号に乗って東京に戻った。駅に降りた途端、容赦無い暑さと人の波にもまれ、うんざりした。都会の空気は汚れている。
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