~ブナの山と南会津の秘湯を結ぶ~
タイトル
おのだけ・ふたまたやま 2001.10.19.~20.
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紅葉と温泉。山登りを趣味にしていると、この日本の秋を代表する2つの景観に身近に接することが出来る。
山登りを始めて5回目の紅葉の季節、行動範囲も広がり、先々週の栗駒山に続いて東北の地に足を踏み入れる。初めて登った南会津(福島県)の山は、全山ブナ・カエデのあでやかな紅葉で迎えてくれた。

小野岳の黄葉
小野岳の黄葉
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10/19(金)快晴 歩行3時間30分
東武鉄道浅草駅6:20-[東武鉄道]-8:49新藤原駅8:51-[野岩鉄道]-10:02会津田島駅10:06-[会津鉄道]-10:36湯野上温泉駅-[タクシー]-10:55大内宿11:15-11:30大内登山口11:40-12:20鉄塔12:25-13:30小野岳14:25-15:30小野登山口-15:50小野観音-16:00湯野上橋-[タクシー]-二岐温泉(大和館泊)

10/20(土)快晴 歩行4時間15分
二岐温泉7:00-[車]-7:10北登山口7:20-8:50女岳8:55-9:15二岐山(男岳)10:20-11:00ブナ平-11:40南登山口11:45-12:00御鍋神社12:10-13:00二岐温泉14:30-[車]-15:00湯野上温泉駅15:33-[会津鉄道]-16:20会津田島16:26-[野岩鉄道・東武鉄道]ー20:03東武鉄道浅草駅

マップ

二岐山の双耳峰
二岐山の双耳峰

●大内宿に寄り道し登山口へ(湯野上温泉~大内宿~大内登山口)

東武鉄道の浅草駅から、4時間半の列車の旅。鬼怒川温泉の近く、新藤原駅からはローカル色豊かな野岩鉄道に乗り換える。トンネルの中に駅が作られていたりする、不思議な路線だ。

会津田島駅からは会津鉄道に乗り換える。平日のせいか、乗客は一つの車両に数人。

山間部を抜けると田園地帯となり、やがて右遠方に特徴ある双耳峰が見えて来る。今回登る二岐山だ。肉眼で初めて見るがすぐわかった。
湯野上温泉駅と小野岳
湯野上温泉駅と小野岳
大内宿
大内宿

わらぶき屋根の湯野上温泉駅には構内にいろりがあり、おまけに畳の上でお茶が飲める。最近はカメラマンもよく撮りに来るそうだ。

駅の背後に大きく張り出しているのが小野岳だ。標高1383mそこそこの山は、上部はオレンジ色で染め上げられている。ブナの森で知られた南会津の山である。

タクシーでまず、大内宿(おおうちじゅく)へ行く。タクシー料金は2人相乗りで1000円ずつ。
大内宿は江戸時代の宿場町をそのまま保存している所で、200mほどの直線の道路の両側に、わらぶき屋根の家が建ち並んでいる。平日ではあるが観光バスや修学旅行の団体もいて、賑やかである。
「熊のみちに至る」
「熊のみちに至る」

このわらぶき屋根のいくつかは民宿で宿泊することも出来るらしいが、昼間は観光客でせわしないかもしれない。

大内宿から車道を歩くこと20分、大内登山口に着く。分岐には石の標柱があり、「小野岳道 熊のみちに至る」と書かれていてびっくりする。そこまではっきり書かれると返って覚悟がすわる。ザックに鈴を2つ付ける。

しばらくはなだらかな舗装道。やがて再度、登山口の標識がありここから山道となる。

杉の植林地をゆるやかに登り、「最後の水場」と書かれた沢を見ると、だんだん傾斜がきつくなる。山道はやがてT字路となる。左はすぐ鉄塔のある展望地だ。しかし樹木の背が高く、思ったほど眺めは得られない。高みに上がれば、きれいに色付いた小野岳の山頂部を仰ぎ見ることが出来る。

分岐に戻り尾根を進む。このあたりからブナの見事な黄葉の道となる。登るにつれ色付きが素晴らしくなり、登山道はあたり一面、黄色やオレンジ色で覆い尽くされる。すごい、すごいと独り言を言いながら歩く。何度も立ち止まり振り返り、写真を撮る。巨木のブナも多い。
黄葉の巨樹
黄葉の巨樹
展望地から小野岳山頂部
展望地から小野岳山頂部
錦色の道
錦色の道

5月・6月には緑に染まってしまいそうだった新緑の山が、5カ月後には真っ黄色になっている。山とはつくづく不思議な場所だと思う。


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