~避難小屋から眺める錦絵巻の山~ くりこまやま(1627m) 2003年10月5日(日)~6日(月)
|
|
●山頂から笊森山荘へ 天狗平(須川分岐)に登りつく。稜線に立つとガスと強風、あられのような雨が打ちつける。思わずレインウェアを取り出し着込む。 やはり天候の巡り合せがよくない山だ。自分はこの山に嫌われているのでは、と思う。 またしても展望ゼロの栗駒山山頂。そして前回と同じく、寒い。冬のようだ。 早々に下山する。といっても今日は笊森山荘(避難小屋)まで下りる。いわかがみ平方面への道に入り、少し下ると展望が効いて来る。 裏掛コースの道に入ると目の前に草原が広がり、気持ちよい歩きとなる。振り返れば栗駒山の姿が美しい。山頂からは「ヤッホー」の声が聞こえる。もう少し粘っていればよかった。
東栗駒山コースを分けると、道はやや細くなる。笹が多く、傍らにはオヤマリンドウが多く咲く。 やがて行く先に笊森と思われるピークが全山紅葉の姿で現れる。その手前には笊森山荘の小屋も見える。 沢に下り、やや歩きにくいザレをトラバース。裏掛コースを分け(分岐の指導標には単に「駒の湯へ」と書かれている)、ナナカマドのトンネルをしばらく下ると、沢をまたいだ後三叉路に出る。水場があり「磐井川源流」と書かれている。 左は自然観察路コースを分けて須川温泉に下る道、今日は右の笊森方面へと向かう。 山頂ではあれほど混み合っていた山も、このへんは人っ子一人見かけず、実に静かな雰囲気の漂う場所である。シラタマノキを見る。 ハイマツとシャクナゲ、笹の茂る草原を少し歩くと、しばらく見えていなかった笊森山荘の屋根が現れる。
小屋に入ると一人、初老の男性が先着していた。小屋の中はとてもきれいで、板張りの床が光っている。2階もあり詰めれば30名くらい泊まれそうであるが、毛布などは何もない。何故か神棚が奉ってある。 また、入ってすぐのところにあるトイレは簡易水洗式だ。 こんなにいい避難小屋が、備え付けの雑記帳を見てもそれほど利用されていないことが不思議だ。土日でせいぜい2、3組の利用があるくらいである。 やはり短時間で登れる山、麓の温泉を結ぶ山歩きという印象が強いのだろう。 食事を作ろうとしたが、ライターのガスが無くなっていた。もう一人の方にライターを借り(あげくには頂いてしまい)、非常に助かった。もし宿泊者が他にいなかったらお手上げで、ブルブル震えながら空腹のまま夜を明かさねばならないところだった。 固形燃料を予備で持っていても、火種がなければ話にならない。 食後、同宿の方と山の話をしながら日暮れを迎える。この地は周囲が開けていて栗駒山の眺めも素晴らしく、さらに反対側は一関の町並みを見下ろす絶好の展望地になっている。水量豊かな水場も下って3分弱のところにあり、小屋の立地条件としては申し分ない。5つ星をあげてもいいくらいである。 窓から栗駒山のシルエットを眺めながら、シュラフにくるまる。 |