~錦色に染まる南部片富士~
タイトル

いわてさん(2038m)
2005年10月9日(日)~10日(祝)

八合目避難小屋11:50-12:40岩手山13:15-[お鉢回り]-13:45避難小屋(泊)8:00-[お花畑コース、引返し]-9:10避難小屋-10:10四合目-11:10馬返し登山口11:30-[タクシー]-12:00相の沢温泉お山の湯15:27-[バス]-16:20盛岡駅(東横イン泊)

マップ
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お鉢を回り、最高点の薬師岳に向かう
お鉢を回り、最高点の薬師岳に向かう

●雲の中のお山登頂
10分ほど歩いて、不動平避難小屋(建てかえ中)の横を通り、いよいよ岩手山のお鉢目指して登り出す。

途中の黒土の登りは、置いた足がずり落ち登りにくい。お鉢の縁に登りつくと、そこには山体変動観測装置なるものが備え付けられている。
登山口にもサイレン設備があった。火山活動がしばしば活発化する岩手山だが、今年の夏ようやく全面登山解禁となった。それでもどことなく硫黄の匂いがする。

左回りに進み、焼け走りコースを見て、最高地点となる薬師岳頂上に着く。
周囲はガス一色で何とも残念。これが晴れていたら、恐ろしいくらいの高度差で麓が見下ろせることだろう。それでも、時々ガスが切れてはるか下に平地が覗く。
雲が切れて下界がのぞく
雲が切れて下界がのぞく
山体変動観測装置
山体変動観測装置
不動平へ
不動平へ

しかしやはり標高2000mを超えた北東北の山だ。かなり寒い。上に4枚来て休憩するが風が冷たい。

お鉢を一回りして、八合目小屋まで戻る。もうずいぶん人が減った。ようやく天気が回復し、岩手山頂は悔しいくらいに青空に包まれ始める。

午後3時を過ぎ、日も傾き始めてきた。この時間になって、大きなザックの登山者が多く登ってくるようになる。やはり宿泊者は今の時間に登ってくるのが普通のようだ。
夕暮れが近づき風が冷たくなってきたので小屋に入る。しばらくはよい天気だったが次第にガスがあたりを支配し始める。小屋の宿泊者は30~40名ほどとなったが、スペース的には余裕でゆっくり寝られる。

小屋のトイレが変わっていて、人が近づくとセンサーが働き自動的に電気がつく。下界の公共の場でも余り見かけないしかけだ。
登山口といいお鉢付近といい、ちょっとメカニックなにおいのする山で興味深い。


●縦走取り止め、雨の中を引き返す
翌日、やはり朝から濃密なガスである。小雨も降り始めている。皆さん残念そうな表情で、馬返しコースを下る人が多い。
携帯で天気予報を確認すると、午後遅くには天気は回復するようだ。

裏岩手の縦走は、3年前の大白森・秋田駒山行以来あこがれていたものなので、簡単には延期したくない。しかしこの雨・ガスの中を大深山荘まで行くのは、新参者にはかなりつらそうだ。手前の三ツ石山荘までの行程か。
あるいはこの小屋でもう1日停滞かとも考えたが、八幡平方面にも今回の山行中で行っておきたいので、選択に迷うところだ。

朝8時まで小屋の中で天気の様子を見るものの、回復の気配は感じられない。
意を決して出発。網張方面に下ることも視野に入れて、とりあえず縦走路を進んでみることにする。

稜線に立つとガスに加えて雨と風。道ははっきりしているが、馬返しコースのような歩きやすい踏まれた道とは違う。
石ガラガラ道を下っていくが、不安が先に立ちついに引き返すことにする。
小屋前まで戻って、そのまま馬返しコースを下る。ザックに残った4食分の食糧はただの荷物となってしまった。
雨に濡れる紅葉
雨に濡れる紅葉

新道のほうを下る。眺めの芳しくない道だがこの天気ではどうでもよいことだ。目の前の紅葉がガスに濡れて色鮮やか。気持ちはもう、明日の山行をどのコースにするかにいっている。
2合目で旧道と合流。意外にも麓がうっすらと見えている。しかしそれを境に、急に雨が強まる。樹林の中に入っても関係がない。雨粒が容赦なく体をたたきつける。

半分やけくそ気味に一合目を過ぎて、ノンストップで馬返し登山口に着く。何とか携帯が通じた。行きで乗ったのと同じ会社に電話し、タクシーを頼む。不思議なことに、登山口付近は雨がやんでいる。
それでも雨具やシャツを通して、下着まで濡れている。こんなことはあの3年前、大朝日岳(山形)の時以来か。

タクシーで相の沢温泉まで行ってもらう。ただ運転手に相の沢温泉と言っても通じない。「お山の湯」と言ったほうがわかってくれるようだ。
道すがら、岩手山の大きな姿が望めた。頂上の一部を除き雲は取れている。せっかく下ったのに悔しい。今日は何となく裏目裏目に事が進んでいる気がするが、明日の好天を期待しよう。盛岡市内のホテルで宿泊する。
翌日の八幡平へ


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