~賑わう頂上から錦繍の静寂境へ~ はちまんたい(1613m) 2005年10月11日(火)
|
|
岩手山から下って盛岡駅近くのホテルに泊まる。翌日は八幡平へ行きたいのだが、路線バスなど公共の交通機関は夏山時期を中心にダイヤが組まれており、今の季節は盛岡駅付近に泊まってもあまり有利ではない。 ホテルのインターネットでいろいろ調べた結果、秋田県側に回ってアプローチするのが、朝早いバスに乗れるとわかった。そのため、普段の日とさほど変わらない早朝5時台の出発となる。 前日の岩手山へ
●広大な草紅葉の湿原を逍遥 3日目の朝はどうにか青空ものぞき、まずまずの天気だ。盛岡駅から花輪線の一番電車に乗る。 2時間近くかけてその名も八幡平駅で下りる。静かな田舎の駅という感じだ。すっきりした快晴の青空が気持ちよい。ここに来るまで、車窓から見る岩手山は雲がかかり、安比高原駅付近では深い霧に包まれていたのでどうなることかと思ったが安心した。 10分ほどで八幡平頂上行きのバスが来る。山間地に入り高度を上げると、鮮やかな紅葉がバスの窓一杯に広がってくる。大きな期待を抱き後生掛温泉、蒸ノ湯温泉と過ぎ頂上バス停へ。 しかし頂上付近は青空ではなく、ガスの広がる白い空だった。展望台からはかろうじて森吉山がわかるのみ。目の前にあるはずの裏岩手縦走路は雲の中。ましてや岩手山などはどこにも見えない。
レストハウスのある八幡平頂上バス停から、石畳の道を上がる。登山の格好でない人のほうが圧倒的に多い。 バス停から30分ほど石畳の道を行けば頂上なのだから、八幡平は万人の登れる山と言うことが出来る。 自分は先に、源太森のほうに登ってから八幡平に行くことにする。直接源太森に至る道は工事中で通行禁止だったので、ガマ沼分岐からアプローチする。 あたり一面、濃いオレンジ色の草紅葉である。昨年の八甲田よりも季節が進んでいるせいか、いい色をしている。 オオシラビソ(アオモリトドマツ)の小さい林が点在し絵画的だ。しかしナナカマドなどの赤系の色はあまり見られず、若干モノトーンっぽさを感じる。 標高約1600mとなる八幡平頂上付近の樹林の構成は、オールモスト針葉樹のようである。
湿原に一直線に伸びる木道を歩いて、源太森頂上(1595m)へ。四囲が開けているが、雲のために360度のうち視界が利くのは北方面の120度程度だ。しかし、眼下に広がる樹海と下段の山腹の紅葉が美しい。 茶臼岳方面は一面の雲で全く見えない。 八幡沼を経て戻り、なおも石畳の道を歩いて八幡平頂上へ。階段を上がって展望台に立ってみるが、周りの樹林の背が高く、今ひとつの眺めだ。天気のせいもあるかもしれない。 狭い展望台はたちまち人であふれ、早々に下りる。百名山の割にはぱっとしない頂上だ。 蒸ノ湯温泉へは、いったん南側に下って西進するコースもあるが、今回は八幡平頂上から直接西に進む道をとる。指導標には「草の湯・長沼方面」とある。 とたんに道は細くなり、ようやく本来の「山道」を歩けるようになる。ぬかるみも多い。やはり雨後だからだろうか。 |