タイトル
雪の丹沢主脈縦走 2005年1月2日~3日
焼山-姫次-蛭ガ岳-丹沢山-塔ノ岳-大倉
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●どこまでも白い主脈縦走路を行く
朝の蛭ガ岳頂上で富士山を撮影する人々
朝の蛭ガ岳頂上で富士山を撮影する人々

翌朝、外の気温はマイナス11度。蛭ガ岳が、富士山が朝日を受け薄紅色に染まる。ただし稜線は、夜半からの強風が吹き続けている。
山の上で朝を迎えるのは9月の八甲田以来だが、やっぱり気分がいい。体の隅々まで新鮮な空気で充たされるようだ。

同宿の人の多くは姫次~青根方面に下って行き、2日目に稜線縦走するのは少数派だ。ゴーゴーと風がうなる中、縦走スタートする。自分が最後の出発者となった。

頭上は青空、太陽、そして月の姿のみと穏やかだが、何と言っても風がものすごい。見渡す限りの雪景色の中、展望満点の縦走路を進む。
蛭ガ岳から富士山
蛭ガ岳から富士山
展望満点の縦走路
展望満点の縦走路
光る相模湾と塔ノ岳
光る相模湾と塔ノ岳

アップダウンが多く、登りで日陰になる場所では風の冷たさのせいで、体感温度はおそらく氷点下を大きく下回っていることだろう。アクリルの帽子を通して頭の中が芯まで冷えてくる。

積雪は平均30~40cmだが深いところは腰近くまでもある。こんな中を一人で黙々と歩いていると、何だか異次元の世界に入り込んだような錯覚に陥る。

鬼ガ岩ノ頭(1608m)・棚沢ノ頭(1590m)と、岩っぽい所の登りを慎重こなし、夢のような雪原を漫歩する。主稜線第二の高峰である不動ノ峰(1614m)を越え、あずまやのある平坦地に出ると、ようやく丹沢山(1567m)の姿が眼前となる。
主稜線では富士山や南アルプスは多くの場所で見え続けるが、蛭ガ岳~丹沢山間の稜線からの眺めは特に素晴らしい。
そして都心のビル群や関東平野の広大な眺めもすごすぎる。これを見るとまさに今いるところは別世界だ。

丹沢山(みやま山荘)の小屋番さんによると、昨日の朝はもっと寒く、小屋の戸も開かなかったそうである。宮ガ瀬への下山路を薦められた。少し心が動いたが今日のところは塔ノ岳を目指す。
丹沢山からは雪上のトレースもずっとはっきりしたものとなる。どうやら縦走路で蛭ガ岳まで来る人はそう多くなく、多くは塔ノ岳、丹沢山で一泊するようである。

ここから先は、相模湾の展望が主役となる。大山や秦野の市街地を前景に、朝日に赤く染め上げられる海、これ丹沢ならではの眺めだろう。

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