~新緑と開けた笹の道~ りゅうがたけ(1485m) 2005年5月29日(日)晴れのち曇り 8:20下部温泉郷-[バス]-9:10本栖湖-9:30登山口-10:20あずまや10:25-11:00竜ヶ岳11:35-12:05端足峠12:10-12:30分岐12:35-12:50貯水池-13:05根原13:53-14:40身延線富士宮駅 歩行時間:3時間5分 |
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予定では、下部温泉に泊まったら翌朝はそのまま帰路に着くつもりでいた。しかし毛無山がガスで展望皆無だったためこのまま帰るのはつまらないと思い、下部町から登れる山を探した。 身延山、思親山などを考えたが、宿のテレビで本栖湖の生中継をやっていてそれが青空が覗いていたので、富士五湖に戻ることにした。
下部温泉から富士五湖に上がるバス便は年々減って、今は8時20分1本となってしまった。朝食を早めてもらい、宿の車で下部温泉郷バス停まで送ってもらう。 バスの乗客は自分一人。途中からおばさんが2人乗って来た。どうやら本栖湖畔の宿や売店の人のようだ。 バスは山や谷を分け入り、どんどん高度を上げる。やがて本栖湖畔に出る。 標高1000mの湖。身延側から入ると富士五湖も典型的な山上湖であることがよくわかる。富士吉田側からアプローチしたときはあまりそういう印象を持たないものだ。 本栖湖レストハウス前で下車。売店で焼きおにぎりを買い、本栖湖畔に下りる。竜ヶ岳は2年前の冬以来2度目だ。 車道を離れ本栖湖キャンプ場に入る。オートキャンパーで大いに賑わっている。ダイバーのテントも多い。 そんな中に混じって、濃灰色の地味なテントが何張も張られている。あとでわかったが自衛隊のテントだった。ここ本栖湖畔を演習場として使用しているようである。 登りは2年前と同じコースを行く。緑が深い。冬は樹間から八ヶ岳が見えていた登山道も、今日は周囲の眺めは新緑でさえぎられている。 富士山はというと、頭上に青空は見えているものの雲も多く、今日も富士山は拝めそうもない。
足元にはスミレも咲くが花はそう多くない。四囲の眺めはよく、霞んではいるが王岳や三方分山など御坂の山々、そして眼下には朝霧高原の広い駐車場も見下ろせる。 小ピークに上がりいったん鞍部に下る。登り返したところがあずまやのある展望地。 このあたりから低潅木が多くなる。木の種類が多いようで芽吹きから新緑のペースが木によって様々だ。そのため山肌は何種類もの「芽吹き色」に埋め尽くされている。緑という色はこんなにもバラエティがあるものなのか。 竜ヶ岳頂上までは笹の中にジグザグにきられた展望道。あずまやから見上げるとものすごく高く見えるが、いざ登り出すと傾斜も急でなく歩きやすい。 地面にミミズのような小さな軟体動物がのたうちまわっている。ミミズにしては動作が速いので、一瞬ヤマヒルかと思った。たしかに近くの丹沢や駿河の山にはヤマヒルがいるようだが、このような富士山の外輪山にいるとの話は聞いたことがない(いてほしくない)。形からもやはりミミズのようだ。 開けた笹の道を緩く上がっていくとトウゴクミツバツツジが満開。ツツジはこのへんだけに集中しているようだ。そのすぐ先がだだっ広い竜ヶ岳頂上である。 今日は富士山も南アルプスも見えない。青空の面積もかなり狭まってきている。しかし緑がきれいな季節の竜ヶ岳もまた雰囲気があっていいものだ。
南側には雨ガ岳の大きな山体がどっしりとしている。時間が早いとはいえ、これからあそこまで登るのは大変だ。富士山の外輪山のうち、雨ガ岳は最後まで登り残す山となりそうだ。 頂上から端足(はした)峠を目指す。雨ガ岳を正面に進む笹の道は短いが、平坦でとても気持ちよい。ちょっと高山の雰囲気もある。 やがて樹林の中に入ると、しばらくして急降下となる。再び前方が開けるが、今度はかなりの傾斜の木段だ。うっかりしていると前のめりに落っこちてしまいそうだ。 夫婦連れが登って来た。毛無山からここまで縦走してきたそうだ。あとでバス停でも会ったので聞いてみると、朝6時に朝霧高原に車を置き出発したとのこと。自分としてはやはり、朝霧高原にテントを張って周回コースでこの稜線を歩きつないでみたいものだ。 端足峠は樹林内の地味な場所であった。十字路になっていて、雨ガ岳方面への縦走路、根原への下山路のほかに本栖湖に下る道もついている。本栖湖の西側からさらにハイキングコースが伸びていて、釜額民宿村に通じているようで、このコースもどんなものか興味があるところだ。 根原まで下り快速バスを待つ。2日とも富士山のない山行だったが、それなりに見所の多い山であった。 |