~富士を見上げる本栖湖南岸の山~ りゅうがたけ(1485m) 2002.12.14.(土) 晴れ時々曇り |
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9:05富士吉田駅-[バス]-10:00本栖湖バス停-10:35登山道入口-11:00鞍部11:05-11:30石仏(あずまや)11:45-12:30竜ヶ岳13:25-14:15本栖湖畔-14:40本栖入口バス停-[バス]-15:12河口湖駅15:20-[富士急行線]-15:27富士吉田駅16:00-[バス]-16:42平野(甲斐路荘 泊) 歩行時間:3時間20分 |
天気予報によれば、久しぶりに土日続けての好天。10月の丹沢・大室山以来、富士山ともごぶさただ。 富士山の大きく望める2座を、麓1泊で巡ることにした。 2日目の石割山へ
12月に入り、太平洋側もかなり冷え込んでいて、9日には都心でも珍しい12月の積雪があった。この土曜日の河口湖付近の最低気温は何とマイナス10度と極寒である。 本栖湖は富士五湖の中で一番深く、冬期は水が澄んできれいだという。小学生の頃、家族旅行で来たことがあるがあまり記憶が無い。 天子山塊に属する竜ヶ岳はその本栖湖の南岸に位置する。かつては笹薮をかきわけて登る山だったそうだが、近年になって本栖湖側から2本の登山道が開かれた。 この道を使えば4時間足らずの登降となるが、首都圏から本栖湖までの交通は意外と不便で時間がかかるので、泊まりの計画を立てるとゆとりが出る。 富士吉田駅からバスに乗り本栖湖で下車する。すでに10時を過ぎている。 湖岸の車道を、正面に見える竜ヶ岳目指して進む。富士山はもう大きい。しかしこの方角(北西側)からだと、午前中は逆光で見にくい。
車道の脇には10cm以上の積雪がある。キャンプ場の中を突っ切って登山道に入る。ジグザグの急登で、数度方向を変えると間もなく、本栖湖方向に南アルプスが見え出す。 自然林の雪道を登るにつれ、周囲はみるみる開けてくる。稜線に近づくと富士山が大きく見えて来る。ジグザグの登りは、西に面すれば木の間越しに南アルプス、東に向けば富士山と、何とも贅沢な展望の道である。 ベンチのある鞍部からは、上九一色村を隔てて富士山がひときわ高く大きい。 なだらかな尾根歩きになる。青空と雪がまぶしい。笹が目立ち始め、石仏のある展望地に着く。あずまやに上がり、これまた大きな富士山を眺める。全体的に少しもやがかかっている。 竜ヶ岳に何度か登っているという人と話した。ここではこの時期になると、富士山の山頂から太陽が出るという、いわゆる「ダイヤモンド富士」が日の出の時刻に見れるそうだ。元日の朝はここあずまや付近も混雑すると言う。 富士山は普段東側から眺めることが多いので、天子山塊側、すなわち西側から見ると非常に新鮮に感じる。 一番違うのはその高さだ。東側や北側から見ると、左右のなだらかなスロープが長く、どちらかというと「横長」の印象を受ける。それに比べて竜ヶ岳から見る富士山は天に向かって堂々とそびえ立ち、3776mという標高が納得出来る。頂稜部のお鉢の径もいつも見るのより大きく、意外と荒々しい印象を受ける。 端正な山容の代表である富士山も、角度を変えて眺めれば、決して左右対象でない、けっこうでこぼこの山であるのがよくわかる。 竜ヶ岳頂上までは、再びジグザグの急登となる。しかし今度は丈の低い笹原の中、視界のよい登りだ。 竜ヶ岳の向こう側、雨ガ岳・毛無山の山頂部付近には雲がかかっている。やがて傾斜が緩やかになる。下から見たよりも、頂上は意外と遠くに位置しているようだ。本栖湖畔に下る道が分岐しており、そこからは振り返ると八ヶ岳が望める。 広く開放的な竜ヶ岳頂上に着く。ほぼ360度展望だ。20名くらいの登山者で賑わっている。積雪は20cm前後で、麓と比べて積雪量が極端に多いわけでもない。
少し西側に寄ればそこは南アルプスが勢揃いの展望台だ。甲斐駒、仙丈、北岳、間ノ岳、農鳥岳、塩見、荒川、赤石、聖岳とどれも白いナイフエッジの輝きで迎えてくれる。富士山に背を向け、この南アルプスの眺めに見入っている人もかなりいる。 下山は先ほどの分岐まで行き、本栖湖畔へ直接下る道を行く。 この道は昨年、一般登山道として整備されたそうだ。北面に付いているため富士山などの展望には乏しいが、自然林豊かで雪はサラサラ、気持ち良く下れる。
眼下に本栖湖の蒼い湖面が見えて来るが、同じ景色が続くため意外と長く感じる。それでも1時間ほどで湖畔に下り、再び食堂や民宿の並ぶバス停付近に戻ってくる。 今日はこれから、公共交通機関を使って富士山麓を半周回し、山中湖村の平野に投宿する予定だ。行きと違って、「本栖入口」というバス停から急行バスに乗るのだが、普通便と停留所の場所が異なりまごつく。 河口湖駅で富士急行線に乗換え、富士吉田駅で再びバスへ。車内で夕焼けを眺め、山中湖畔の甲斐路荘に着いたときはすでに日が暮れていた。 |