2016年2月7日(日) | |||
◇ | 新宿駅 | 5:38 | |
中央線 | |||
6:16 | 立川駅 | 6:29 | |
青梅五日市線 | |||
6:58 | 武蔵五日市駅 | 7:10 | |
西東京バス | |||
8:15 | 数馬 | ◇ | |
8:30 | 周遊道路横断 | ◇ | |
9:20 | 都民の森 | ◇ | |
9:40 | 鞘口峠 | ◇ | |
10:20 | 見晴小屋 | 10:30 | |
11:10 | 三頭山 | 11:50 | |
12:10 | 大沢山 | ◇ | |
13:20 | 槇寄山 | 13:35 | |
13:40 | 西原峠 | ◇ | |
14:50 | 仲の平 | ◇ | |
14:55 | 数馬の湯 | 16:08 | |
西東京バス | |||
17:00 | 武蔵五日市駅 | 17:21 | |
中央線ホリデー快速 | |||
18:22 | 新宿駅 | ◇ |
20日ぶりの山である。2月に入って年間3回目とは、自分としてはかなり少ない。
最近は冬になると体力が落ちてしまって、風邪を引いたり出かけるのが億劫になったりで、徐々にではあるが山に行くペースが落ちてきているようだ。
冬の三頭山は3年前、6年前にも登っている。春や秋に至る所で登山者の歓声が上がるこの山も、雪の季節は他と同じく静かな山となり、東京随一のブナの山も違った一面を見せる。
新雪をまとった木々の下を三頭山山頂へ |
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前日の夜から雪が降って、朝の武蔵五日市駅周辺の丘陵は、軒並み雪化粧をしていた。バスが奥地に入っていくと、里を取り巻く山々もみな白い。
バスの登山客は多くが浅間尾根登山口や仲の平で下り、終点の数馬で下りたのは5名ほどだった。
雪の白と青空の眩しい中、歩き始める。道路の雪はそれほど積もっているわけではないが、除雪車が作業していた。先週までの残雪もまだあって、さらに昨日その上に降り積もった分はほんの数センチだ。でもそれだけでも、冬の山里の景観を一変させるのに十分である。
いつものように、奥多摩周遊道路の手前で山道に入る。日の差しにくい樹林帯はまとまった雪が残っていた。沢沿いに進み、薮っぽい登山道を抜けて再び周遊道路に出る。都民の森から先は車両通行止めになっていた。
駐車場に車を置く登山者も見かけるが、さすがにシーズンの賑わいはない。
都民の森から先は、トレースもはっきりついて歩きやすくなる。凍結していないのでアイゼンは不要。それでも道は真っ白で土の出ているところはほとんどない。
たんたんと高度を稼いで鞘口峠に着く。奥多摩湖側からの風が届き、少しヒヤッと感じた。
鞘口峠の標高がおよそ1140m、三頭山山頂までは400m近く登ることになる。都民の森エリア内の登山道は総じて穏やかではあるが、標高差が大きく印象よりはきつい。
急坂をひたすら登っていくとブナの巨樹が目立ってくる。北側の斜面を回り込むところは日が差さず、地面の雪を写真に撮ると青色になる。
再び尾根の背に出て、鞘口峠で分かれたブナの路と再び合わさる。
今度はそのブナの路のほうを行く。こちらは南に面しているので幾分かは寒さはしのげるが、上空は雲が目立ち始めて、日が翳る時間も増えてきた。三頭山山頂方向の空はすでに白く、もしかしたら雪が舞っているかもしれない。
また、樹林の切れたところから覗く南部の山稜は雲がまとわりつき、御前山の山頂部も雲の中だった。
石尾根の方はまだ雲も出ておらず、快晴のようだ。同じ奥多摩でも、三頭山や御前山はそれぞれが独立峰的で、四方からの風の影響を受けやすく、風のある日は天気の変化が早い。
一方東西に長い尾根を作る石尾根は、横方向からの風があっても個々の山への影響は限定的なのかもしれない。
さらに登り続け、見晴小屋に着く。小さなピークの上に建つ小屋だが、周囲は樹林の背が高く、思ったほど眺めは効かない。ひさしに長いつららが垂れ下がっていた。前後に行き交う登山者は皆アイゼンを装着している。
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標高1400mを越え、気温が一段下がったように感じるが雪の量はあまり変わらない。稜線に出て、「この先行き止まり」の標識が現れるあたりでようやく傾斜も緩み、やがて三頭山東峰の展望台への分岐に来た。
東峰には寄らず、中央峰(西峰)を直接目指す。鞍部から最後の登りで再び青空が現れ、木々についた雪の花を見ながら三頭山(中央峰)山頂に着いた。
山頂の積雪は30cmほど、空は真っ白で奥多摩湖も見下ろせないが、何度か雲が切れて富士山を見ることができた。
そう言えば三頭山は、他の方向が雲で見えなくても、富士山だけは不思議とよく見えることが多い。雪化粧した木々越しに御坂山塊の稜線もよく見える。
時々日も差す山頂は、登ってきた道よりも暖かいくらいだ。
笹尾根方面に少し足を踏み入れてから下山する。急坂を慎重に下り、三頭山避難小屋から大沢山までの登り返しは北面となり、いつも雪が多い。吹き溜まりでは50cm以上あった。
自分は今日は、今年の冬これからの山行の練習がてら、アイゼン・ワカンを持ってきた。反対側から下って来た人がワカンをつけていたので、どうしようかと思ったが結局、ここの雪深いところもツボ足で通過してしまった。
大沢山から先、気分のよい尾根歩きが続くが空は再び雲が多くなり、青空はほとんどなくなってしまう。
下りきった鞍部には「クメケタワ」という標識が立っていた。ここは何度も歩いているが、不覚にもこの標識の存在に今まで気がつかなかった。
名前の由来はわからないが、宮内敏雄著「奥多摩」にもそのままの名で記載がある。昔から転化されたり呼び変えられることもなく、同じ名前で伝えられている地名は、ある意味貴重な存在である。
とりあえずの目標の槇寄山までは、急な登りこそないが意外と長い。郷原からの峠道を合わせた後も、槇寄山にはなかなか着かない。小さなピークに登り着くたびに違う山であることを知り、都合3度ほど騙された。
前方右に明るいカヤトの斜面が見えてくると、次のピークが槇寄山だった。先着の登山者が3人、先に下っていった。
空には厚い雲がかかってしまったが、対面の権現山稜などまだ大きく見え、広い展望が得られた。
西原峠に下り、ここで数馬に下山することとする。予定ではこの先の笹ヶタワ峠までいくつもりだったが、意外と時間がかかってしまった。
西原峠からの下山路はいかにも峠道らしく、急傾斜を避けた穏やかな下りが続く。ワカンを使ってないことに気づき、試し履きすることにした。しかし歩くにつれ雪がどんどん減ってきてしまったので、すぐに外す。
進む方向の空には雲も少なくっていて、御前山や大岳山が大きく見上げられた。
薄暗い植林を経て仲の平集落の上部に着く。茶畑も見られる山上集落である。民家の斜面にロウバイ、そして福寿草が咲いていた。寒かったり暖かかったり不安定な今年の冬だが、季節は着実に春へ向かっている。
仲の平に到着し、数馬の湯に立ち寄っていく。再び外に出たとき、小雪が舞っていた。