~黄金色に輝く雲取への道~ 2005年11月4日(金)~5日(土)
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●遠くに石尾根を見上げながら (鍾乳洞~唐松谷林道~ブナ坂) 11月に入り天候もやっと安定し始め、今日明日と天気はよさそうだ。平日にもかかわらず奥多摩駅からのバスには増便が出た。終点の日原鍾乳洞から小川谷橋を渡り林道に入る。 バスの運転手さんが橋のたもとにある寒暖計を見て、10度を切っているのを見て驚いている。周囲はまだ日が差し込んでいなく、紅葉の色付きも今ひとつのように見える。 2時間近い日原林道の歩きはこれで3回目。八丁橋を渡り、天祖山の登山口を過ぎる。林道は相変わらず土砂の流出や落石が多いようで、この日も工事車両が行き交っている。
登山道に入り、いったん高度を落として唐松橋を渡る。唐松谷林道は沢の左岸を高巻いて道がつけられているため、最初はその高さに登り上がるまでジグザグの急登だ。6年前に歩いたときの感触がはっきりよみがえる。 さらに尾根を登っていく富田新道コースを分け、「道悪し 危険」との表示のある道に入る。 ここからは、細かいアップダウンを含む、平坦もしくは緩やかな登りがしばらく続く。 ただし、数箇所あるガレ場には鎖や補助ロープなどはなく、桟橋もかなり古めのものもあってちょっと緊張する。奥多摩の登山道とは言えども、さすがにあまり紹介されていないコースだけのことはある。 そして、奥多摩山中でよく熊が目撃されるひとつがこのコースだ。鈴を鳴らし続ける。 山が深まっていくにつれ、周囲の紅葉もカラフルになってくる。しかし落葉している木も意外と多く、どことなくパッとしない印象がある。紅葉はその年の気温変化によって色づきが違ってくるが、尾根筋よりも渓谷沿いのほうがその差が大きくなる傾向にあると思う。 いったん沢が近くなり、またすぐに高巻き道に戻る。ずっと遠くに見えていた石尾根の稜線も、少し近づいてきたようだ。 やがて木橋の場所に着く。ここで右岸に渡り、すぐに沢を離れ急登となる。 ブナやミズナラがきれいに紅葉した中を頑張って登る。きつい登りは30分ほどで終わり、カラマツが見えてくるとブナ坂の平坦地に出る。 少し高みに上がると周囲のカラマツの黄葉の艶やかさに驚く。もう何回歩いたかわからない石尾根の稜線だが、このような艶やかな色合いの光景を見たのは初めてだ。 七ツ石山の西斜面、石尾根の南面、奥多摩小屋周辺などどれも見事な色つき。日が当たると、まばゆいばかりに黄金色に染め上がる。しかし日が翳るとたちまちのうちに、針葉樹林のような黒っぽい森になってしまう。カラマツの黄葉の不思議さである。 |