山の写真集 > 奥多摩 > 雲取山から石尾根
  • -小屋泊まりと縦走-
  • 留浦-雲取山-雲取山荘-石尾根-奥多摩駅
  • 奥多摩
  • 東京都/埼玉県/山梨県
  • 雲取山(2017m),七ツ石山(1757m),千本ツツジ(1718m),高丸山(1733m), 鷹ノ巣山(1737m),六ツ石山(1479m) 他
  • 2020年1月3日(祝)~4日(土)
  • 1日目:11.3km、2日目:18.7km
  • 1日目:5時間20分、2日目:7時間55分
  • 1475m(鴨沢-雲取山)
  • 雲取山荘
  • もえぎの湯
  • 中央線,青梅線,西東京バス
天気1
天気2

 

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2020年1月3日(金)
新宿駅 5:18
  中央線
5:55 立川駅 6:04
  青梅線
青梅駅乗換
7:17 奥多摩駅 7:25
  西東京バス
8:03   留浦
8:10   鴨沢
8:40   小袖乗越 8:45
10:17   堂所 10:22
11:08   七ツ石小屋
11:40 ブナ坂 11:45
12:20 奥多摩小屋 12:55
13:45 雲取山 14:05
14:25 雲取山荘(泊)
2020年1月4日(土)
  雲取山荘 6:10
6:45 雲取山 7:10
8:40 七ツ石山 8:50
9:20 千本ツツジ
9:48 高丸山 9:53
10:35 鷹ノ巣避難小屋 11:10
11:35 鷹ノ巣山 11:45
12:03 水根山
12:37 城山
13:05 将門馬場
13:25 六ツ石山 13:55
15:27 石尾根登山口
15:45   羽黒神社 15:50
16:00 奥多摩駅 18:16
  もえぎの湯立寄り
青梅線
青梅駅乗換
19:25 立川駅 19:38
  中央線特快
20:05 新宿駅

 

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2020年の初山は、雲取山に登った。1999年に初登頂して以来19年連続で登っていて、2017年を最後に2年間もご無沙汰していた。
雲取山には冬に登ることが多い。今回は山荘付近で積雪20㎝とのこと。2月になればもう少し積もると思うが、最近の傾向としてはやはり雪は少なくなっている。ただ、平成26年豪雪というとんでもない年もあった。でも、年明け前後では全く雪のない年もあるので、少しでも白い世界を見れればそれで御の字である。
それから、石尾根の縦走も久しぶりに計画した。しかし、果たして歩き切ることができるだろうか、不安もある。


夜明け前の雲取山荘

留浦(とずら)バス停からスタート

留浦バス停から

鴨沢バス停にある登山口

かもさわ登山口

鴨沢ルートには地元の創作民話や将門伝説をベースとした案内板が設置された。登山道に現れる岩塊は風呂岩と言うそうだ

将門伝説

上段の巻き道は七ツ石小屋を通る

七ツ石小屋

鴨沢ルートの下段巻き道は、台風19号で橋が崩落し通行止め

台風19号の影響

石尾根から望む七ツ石山

七ツ石山

石尾根の日当たりのいい部分に雪はなかった

雪はない

石尾根のブナ大木

ブナ大木

ヘリポート付近で雲取山が見えてくる。登山道はぬかるみ

ぬかるみ

昨年3月に奥多摩小屋は閉鎖となったが、建物はまだそのままになっている

奥多摩小屋

小雲取の肩から、奥多摩や大菩薩の連なる山並みと富士山

連なる山並み

朝の奥多摩駅。小菅の湯行きのバスに乗る。奥多摩湖の湖面は、台風19号による泥濁り色からようやく脱して少しだけ青みがかっていた。
留浦で下りたのは自分以外に3人。みな雲取山のようだが自分に比べて極端に急ぎ足だ。おそらく日帰りだろう。鴨沢バス停を経て登山道へ。小袖の駐車場に停まっていた車の多くも日帰り登山客のはずだ。
この山を日帰りで登り下りすることが、自分にはまだ納得がいかない。もっとも、もっと昔に登山していた人にしてみれば、自分たちが三ツ峠や丹沢を当たり前のように日帰りすることが信じられないだろう。それと同じかもしれない。

数年ぶりに来たせいか、小袖登山口の場所を間違えて林道を少し下ってしまった。もう30回くらい歩いているのに、この大ボケは年のせいなのか。
登山道に入ると、しばらくは雪もなく、土面の淡々とした登りが続く。杉・ヒノキの人工林から冬木立の明るい雑木林になると、石尾根の上部が望める。雪は全くついていないようだった。
登山道には、「平将門迷走ルート」の説明板が随所に立てられていた。創作民話や将門伝説が引用されたもので、前回歩いた時はなかった。それによると、登山道に角ばった岩がいくつも突き出ているところは「風呂岩」(すいふろいわ)と呼ばれるらしく、将門が旅の途中で入った岩風呂の跡らしい。知らなかった。
昔は賭場だったと伝えられている「堂所」も、将門伝説の中では、将門が休息のために胴具を脱いだ所なので「胴所」、と言うことらしい。何やら眉唾ものだが、あくまで伝説なので話半分というところか。

その堂所から先、地面には少し雪が見えるようになる。いつものように巻き道でブナ坂に行くつもりが、橋が崩落してその巻き道が通行止めになっていた。ブナ坂へは上段の巻き道を登って七ツ石小屋経由で行くか、七ツ石山を経由することになる。今回は上段の巻き道を歩くことにした。

七ツ石小屋の今は、丹波山村の経営となっており管理人が常駐するようになった。テント装備の人とかなりすれ違ったが、多くは七ツ石小屋のテン場利用者だろう。昨年閉鎖された奥多摩小屋に代わり、のんびり歩く人にとっては心強い存在となっている。
上段巻き道は下段道に比べ少し遠回りになるようにも見えるが、時間的にはほとんど変わらなかった。下段道と合流するあたりは倒木が多い。おそらく台風19号の影響とは思うが、この山域も未だに、あちこちで台風の爪跡が見られる。

登山道は薄い雪とぬかるみが目立ち始めた。今の時間は問題ないが、朝のうちはおそらくガチガチに凍っていると思われる。
ブナ坂に着くと少し気温が下がったと感じる。ここからは久しぶりの石尾根だ。雪は思った以上に積もっていた。と言っても多い所で10㎝くらいだが。積雪よりぬかるみに足をとられやすい。
天気は上々で、富士山や御坂、大菩薩、奥秩父の山々が幾重にも連なっている。南アルプスも雲を被りながらもほぼ全山が見えていた。
しかし展望と同じくらい目についたのは倒木だ。石尾根の特徴であるカラマツ林も、外側の木が何本か倒れかけて隣りの木にもたれかかっている光景をあちこちで見た。鴨沢、石尾根ルートでこんな感じだから、麓の車道の崩落があった日原側の山は、いったいどうなっているのだろう。
酉谷山、天祖山などは日原の登山口が使えないことからルートがかなり制限されているので、登山道の様子もあまり伝えられていない。

奥多摩小屋に着く。昨年3月に閉鎖されたので、前奥多摩小屋と言うべきか。ただ、建物は以前と変わらぬ姿で煙突もいやに新しい。人が時々泊っているのかとも思ってしまう。
ここでテントが張れなくなってしまったことは大きい。七ツ石小屋のテン場でもいいのだが、奥多摩小屋前付近は東京の山らしからぬ深山の雰囲気があった。休憩適地であることは変わらないので、いつものようにここでお昼を食べていく。

ヨモギの頭を巻く道に入る。途中で路面を雪が覆うようになってきた。前を歩いている人はチェーンスパイクをつけた。自分はもう少しこのまま行く。雪がまだらについた岩場の登りはわずらわしい。
下っていく人は急ぎ足が目立つようになった。日帰りの場合、日没までに下山するには時間的に今くらいがギリギリとなる。
急坂を登り標高1900mを越え、パノラマ展望の広がる小雲取の肩に出る。甲武信岳や国師ヶ岳、大菩薩嶺から富士山と素晴らしい。
積雪が増えて足運びが緩慢になるも、そのまま稜線を進む。東南アジア系に人が降りてきて、お祭へはどう行ったらいいかと聞いてくる。長いので今からでは暗くなると言ったら、鴨沢からバスで帰るとのこと。

雲取山避難小屋の前から、石尾根の西端を見下ろす

石尾根の西端

雲取山山頂は薄く雪が積もっていた

山頂は薄雪

雲取山山頂の展望盤越しに富士山を望む

富士山と展望盤

雲取山山頂から、長野の御座山を望む。拡大

御座山

雲取山北面の針葉樹林を下る。少し凍結していた

北面はやや凍結

雲取山荘

雲取山荘


最後の坂を登り避難小屋、そして雲取山山頂に立った。
2年ぶりの東京都最高峰はやはり素晴らしい眺め、開放感、山の雰囲気、どれをとってもやはり雲取山は雲取山。他の山には代えられない味がある。全体的に雪は少なくても、2017mの山頂はさすがに一面白くなっていた。
和名倉山の大きな山体の右後ろにある、比較的まとまった形の山稜は何だろう。展望盤にも表されていない。見覚えのある形だが、どうしても思い出せない。
帰って調べたら御座山だった。雲取山頂から見える山はだいたい把握していたつもりなのに、今まで気づかなかったのだろうか。

明朝もまた登ってくる。この時間になってもまだ見えている富士山を背に、北面の原生林を下る。
今日初めてアイゼンをつけた。もう少し雪があると逆にアイゼンは不要のこともあるが、今日くらいの数センチの雪だと表面の凍結が目立つので、使ったほうがいい。
シラビソの原生林も最近は所々で倒木が目立つようになり、両神山や奥日光の山の望める場所が増えてきた。雪道の下りは続き、意外と早く山荘の建物が見えてきた。

雲取山荘に到着。今日はここに泊まる。付近の積雪は10㎝くらいだった。
冬にくるとだいたい、山荘の軒下につららがたくさん下がっているのだが、今回は全くない。1日や2日寒い日があっても、平均してみればそれほど気温が低くない証拠だろう。
入り口付近に樽酒が置いてあった。三が日は飲み放題となる。しかも小屋の人が厨房から大きな鍋を持ってきた。甘酒も飲み放題である。
甘酒というと最近はアルコールの入っていないものを飲む機会が増えたが、これは酒かす分アルコールが含まれている。ただ飲んだ感じではすごく柔らかくて飲みやすい。夕食までかなり時間があったため、二種類の酒を飲み過ぎてしまった。

最近は、前小屋主の新井さんを山荘内で見なくなったので、宿泊者の一人が新井さんの安否を心配する話をし始める。そうしたら後ろで聞いていた小屋の人が突然声を上げた。新井さんは麓の実家で健在とのことである。
新井さんが建てた雲取山荘は、今こそ登山者の間でいろいろな評判が出ていて、この日の宿泊者の中にも、山小屋としては好きではないと言う人もいた。けれど山小屋は下界のホテルみたいに好き嫌いで色分けできるものではないし、口コミで経営方針や小屋の雰囲気が変わるものでもない。そういう存在であってほしくない。
昔の山小屋の主人は、装備や山に対する姿勢が悪い登山者を叱りつけることは当たり前のようにあったと聞く。山小屋を切り盛る人たちは周りにあまり迎合せずに、ある意味頑固でいいのだと思う。
山小屋は宿泊や休憩施設として維持していくことが登山者にとっての一番のサービスだと思うから、それに注力していってくれればいい。今日自分が雲取山に登れたのもこの小屋があってこそのことだ。久しぶりに山の中で一夜を明かすことができて、あらためてその思いを強くした。

夜になり、外に出ると空には半月にたくさんの星。都心、埼玉方面の夜景もこうこうと輝いている。山に泊ってこそ得られる景色と時間だ。
奥多摩小屋がなくなってしまった今、あらためて山で泊まるとことの楽しさを実感した。