山の写真集 > 奥多摩 > 熊倉山南西尾根から生藤山
  • -晩秋の明るい尾根道-
  • 井戸-熊倉山-三国山-連行峰-柏木野
  • 奥多摩
  • 東京都・山梨県
  • 熊倉山(966m),三国山(960m),生藤山(990m),連行峰(1006m)
  • 2012年11月18日(日)
  • 9.0km
  • 4時間5分
  • 563m(井戸-連行峰)
  • -
  • 数馬の湯
  • 中央線,富士急山梨バス,五日市線,
    西東京バス,南武線
天気1

 

地図
2012年11月18日(日)
新宿駅 6:44
  中央線特快
高尾駅乗換
8:08 上野原駅 8:28
  富士急山梨バス
8:55   井戸
9:10   長泉寺
9:45   738m峰 9:50
10:20   笹尾根縦走路
10:25 熊倉山 10:35
10:50 軍刀利山 10:55
11:05 三国山 11:45
11:55 生藤山
12:20 連行峰 12:30
13:20 万六ノ頭下 13:25
14:15 柏木野 14:21
  西東京バス
14:50 数馬の湯 16:12
  西東京バス
寿庵忠左衛門(蕎麦)立寄り
17:10 武蔵五日市駅 18:38
  五日市線
拝島駅乗換
19:16 立川駅 19:19
  南武線
20:03 武蔵小杉駅

 

奥多摩で紅葉がまだ残っていそうなところを、4人で登ることにした。
笹尾根の末端がいいが、少しひねって登りはバリエーションルートにする。軍刀利神社コースのさらに奥にある南西尾根を使って熊倉山に登る。


落ち葉の絨毯

井戸バス停から歩き、雑貨店の前を右折する。軍刀利神社の石標が立つ

雑貨店を右折

井戸付近の民家は富士山も見える眺めのいい台地にある

眺めいい住宅地

熊倉山南西尾根は750mより上が自然林となる。コナラやカエデの紅葉が盛り

南西尾根

南西尾根から笹尾根縦走路へ出る

縦走路へ

熊倉山山頂から丹沢山塊の眺めが得られる

丹沢の眺め

軍刀利神社元社のある軍刀利山

軍刀利神社

軍刀利山からは富士山や南関東・甲信の山々の眺めがきく

眺めよし

上野原駅からバスに乗る。石楯尾時神社で自分たち以外の乗客を全て降ろし、バスはさらに奥地に向かう。
終点の井戸バス停は高台にあり、晩秋の山里を前景に富士山も見える。車道を北へ下り気味に200mほど進み、右手の小道に入ると井戸川商店(雑貨店)のあるT字路に出会う。ここには軍刀利神社の案内柱が立っていた。これを右折すると軍刀利神社の鳥居が見えてくる。

軍刀利(ぐんだり)神社は、永享3年(1049年)に三国山山頂に建立された。名前の通り軍神として崇敬され、武田信玄は自画讃水仙を奉献しているが現在は厄除け、縁結びの神として知られている。火災により、現在の元社は三国山の西方500mほどの場所に移されている。その軍刀利山は富士山の展望がよく、ハイカーにもなじみの神社である。
今回はこの鳥居には入らず手前を左に折れ、熊倉山南西尾根の取り付きである長泉寺を目指す。すぐに明るい坂道となって富士山も見える。正面の民家は、すごく眺めのいい場所に立っているなと思う。右上に登っていくと前方に長泉寺の赤黒い屋根が見えてきた。
社前の道を右に少し行くと、左上に登り口があった。バリエーションルートは標識などないのが当たり前で、特に登山口を探すのに時間がかかることがある。以前、取り付き口を間違えて別の山に登ってしまったこともある。今回はすんなり取り付けた。

ヤブが少しある中を登っていく。左に534mピークを見ながら右方向に向きを変え、尾根を乗っ越すように進むがすぐにその尾根上の登りとなる。薄暗い杉、檜の人工林の登りが続く。
左から雑木林のエリアが近づいてくる。758mピークに上がると、その自然林に包まれた。紅葉の色付きは地味めだが、青空を透かして明るい尾根となった。
その後、尾根の左側が植林に戻り、踏み跡もその中を通過したりもする。一方右側は自然林の明るさを保ち、笹尾根の稜線も覗くようになる。やがて急な登りが始まり、一番の頑張りどころである。
そのまま自然林と植林の境目を登り、920mを越えると笹尾根の縦走路に出た。途端に人の声が聞こえ始める。ここには特に標識はなく、赤テープはあるものの、南西尾根を下山に使うときは入口がわかりにくいかもしれない。
尾根伝いに少し登って熊倉山山頂である。狭いがベンチがあり、富士山や丹沢主脈が見える。ただし以前来た時より樹林が伸びており、広い眺めは得にくくなった。

紅葉のわずかに残る道を下り、小さなピークをひとつ挟んで軍刀利神社元社のある軍刀利山に着く。鳥居の裏側には写真家、白旗史朗氏の名前がある。おそらく寄贈されたものだろう。ここからは、熊倉山よりも富士山がよく見えた。平坦で広いので休憩適地である。
緩やかな登り下りの後、人で賑わう三国山(三国峠)へ。ここは東京・山梨・神奈川の3都県境。あまり山頂らしくない場所だが、富士山や南アルプス、中央線沿線の山々が眺められる。ベンチで昼食にした。

三国山付近にカエデの紅葉残る

紅葉残る

南西方面が開ける三国山

三国山

生藤山付近の稜線は葉もかなり落ち、晩秋から初冬の趣き

晩秋の趣き

万六尾根の下部は樹林帯が続く

万六尾根

数馬の湯は2012年4月よりリニューアルオープンした

リニューアル

なお、三国山はみくにではなく、「さんごく」と読む。この付近の地名は読みにくかったり、間違えやすいものが多い。文献によって一部違うものもあるが、人里=へんぼり、笛吹=うずしき、連行峰=れんぎょうみね、軍刀利=ぐんだり、生藤山=しょうとうざん、が正しいと思われる。濁点の部分の読みが間違えやすい。
そして生藤山の登山口である石楯尾神社だが、神奈川県神社庁サイトや多くの登山ガイドでは「いわだてお」と読みをふっているが、富士急山梨バスの車内アナウンスでは「いしだてお」と案内している。いったいどちらが正しいのだろうか。

熊倉山~軍刀利山~三国山と明るい尾根歩きができて、気持ちのいいコースであることは以前と変わらないのだが、全体的に少しずつ樹林が伸びて展望が遮られやすくなってきている。

さて、三国山から先は巻き道と尾根道に分かれるが、尾根道を登っていく。岩がちの急登ののち、生藤山山頂となる。紅葉が残っていたが、以前は大パノラマだったこの地も、ついに樹林に囲まれた頂となってしまった。でも何となく居心地のいい山頂ではある。
岩尾根を急降下ののち、落ち葉で敷き詰められた北側の斜面をたどる。茅丸は巻いて、尾根道は南側に移る。日差しが届いて明るく、暖かい。
なだらかな尾根道をしばらく歩き、連行峰。ここは奥多摩最南の1000m峰である。陣馬・高尾山に至る尾根道が伸びており、行き交う登山者もそちら方面へ行く人が多い。自分たちはここで万六尾根に入る。

高度を100mほど落とした後は、あまり高度を下げない尾根上の歩きが続く。笹が伸び、植林が多く薄暗い場所が多い。相模湾方面が見える場所があったはずだが、気つかずに通り過ぎてしまった。奥多摩らしさを残す落ち着いた尾根道、と言ってしまえばそうなのだが、杉・檜の植林帯からなかなか抜け出せず、肌寒い思いをする。
万六ノ頭のピークを巻くあたりからようやく、落葉樹が多くなってきた。足元にリンドウが、鮮やかな青い花を咲かせていた。

やがて尾根歩きが終わり、植林帯の急降下となる。いったん緩やかになって、下のほうから車の音が聞こえてきたりもするので、もう登山口かと思うが、もうひと下り、急坂がある。
斜面を下り切り、秋川にかけられた赤い橋を渡る。モミジの黄葉がハラハラと落ちてくる。民家の間の細道を上がると、檜原街道に出る。20mほど右に行くと柏木野バス停だった。

今回はバリエーションルートの登りを採ったが、全体としてはやや地味な尾根歩きであった。おまけに下山の時間が中途半端で、バス待ち時間が1時間以上ある。バス停前には休憩する場もないので、反対側のバスに乗って数馬の湯に行くことにした。
同じことを考える登山者はけっこういるようで、以降のバス停でも下山者がどんどん乗ってきて、皆数馬の湯で下りた。数馬の湯はリニューアルされていた。

武蔵五日市駅までのバスは、増発便も出ていたが満員で座れず。終点の1つ前で下り、ちょっと高めの蕎麦屋で打ち上げをした。