~初のマイカー山行~
かまさわ
から
しょうとうざん
(990m)
2008年3月1日(土)晴れ時々曇り
初台IC-[首都高、中央高速道]-[相模湖IC]-[国道20号、県道522,521号]-7:40
鎌沢駐車場7:50-8:15鎌沢休憩所-9:00甘草水9:10-9:30三国山9:35-9:45生藤山9:50-10:20連行峰10:30-10:40山の神-11:20和田
-[車3分]-鎌沢駐車場
歩行時間:3時間
蒲田在住の父親が、年齢を理由にそろそろ運転をやめると言うので、車を譲ってもらえそうだ。
しかしうちのマンションには、幅2メートルの小さな駐車場しか空いてない。この10数年ペーパードライバーの自分にはそんな所への車庫入れは不可能に近い。近所の駐車場を借りると最低でも3万円でそれも自宅から500mくらい離れている。もっと近い場所だと4万円になってしまうのだ。
その後運転の練習をしたり車のことを調べているうちに、自分で車が買いたくなってしまった。軽自動車なら駐車場に入るので、中古の軽を購入した。
眺めのいい鎌沢休憩所にて
そして今日が初のマイカー山行である。場所は生藤山。中央高速で相模原ICまで行き国道20号、県道522号を通って藤野佐野川地区を走る。高速道路はこの数ヶ月で何度か乗り、最長は河口湖まで行っているので何とかなりそうだ。
山間の細い車道や林道を余裕を持って走る自信はまだない。生藤山、陣馬山の登山口が近い鎌沢駐車場なら比較的アプローチが楽だろう。しかも今の時期なら空いてそうである。初めての場所としてはいいところだと思った。
自宅を6時過ぎに出発。電車利用と比べ1時間ほど遅いが、暗いと運転が恐いので日の出を待っての出発となった。
高速は無事通過。佐野川の車道も比較的楽に走行できた。この県道は以前、下山後バスの時間が合わずに藤野駅まで歩いたことがある。こんな長い距離を歩いたとはものすごい、と運転していて実感する。
鎌沢入口バス停から左の細道を登り1kmほどで
県営鎌沢駐車場
に着く。1台も停まってなかった。
鎌沢駐車場
民家の脇が登山口
明るい尾根道
生藤山頂上
鎌沢からの登路は、下部はなかなか展望がよく、そうつらい急登もない。生藤山の登山コースとしては、あまり歩かれていない割にはいいコースだと思う。
自分は今回このコースは2回目だが、前回歩いたときに駐車場を見た記憶が全くない。。その頃は自分が車で山に来るなんてのは思いもしなかった。
背後に茶畑や集落の風景を見下ろしながら、鎌沢休憩所に着く。民家が数軒ありその裏が生藤山・三国山の登山口だ。
植林から低い潅木の尾根となる。見晴らしがよく富士山方面、奥多摩方面両方とも望める。もっとも富士山側は春霞のような空気ではっきりしない。
緩やかな尾根道を行くと「生藤山 桜のプロムナード」と書かれた看板が目に入る。それによると、ここ数年、生藤山の桜は何とか病という病気にかかりきれいに開花出来なくなってしまったという。
生藤山は甘草水あたりから山頂近くが桜並木になっていて、自分ももう何年も前に一度見たことがあるが、最近はあまり花をつけなくなっているらしい。
今は地元に人の手により病気の予防や、菌に強い木の再植樹などを行っているとのこと。生藤山の桜並木が復活するのを祈りたい。
石楯尾神社からの道を合わせ、
佐野川峠
に着く。足元は薄い雪が見られるようになる。ところどころで凍結している。
甘草水
(かんぞうすい)は明るく展望が開け、休憩にいい場所。しかし富士山や南アルプスは霞の中だ。
甘草水の水場に行ってみたが枯れていた。
日の差さない植林下は凍結気味の雪が目立つ。頭上が明るくなり
三国山
(さんごくやま・960m)の頂上へ。青空があるが富士山の眺めはない。
少し休憩して
生藤山
に登る。直下はちょっとした岩場になっている。生藤山は一頃に比べると樹林が伸び、展望が悪くなってきた。樹林の生育と伐採を繰り返し、展望もよくなったり悪くなったりするようだ。
茅丸は巻いて連行峰を目指す。北側の斜面に入ると雪道になる。一方で南に面した斜面にはまったく雪がなく、どちら側に道がつけられているかによって、明るさも暖かさも、雰囲気もまったく違う。
南関東の山の多くは東西方向に尾根を伸ばしているので、今の季節はよくこういう状況に出くわす。
雪が薄く残る
関東ふれあいの道
北斜面のみに雪
風が強くなってきた。春のような陽気だが、稜線を吹き抜ける風は意外なほど冷たい。
連行峰
(れんぎょうみね・1010m)の細長い頂上には、ベンチが3つ並んでいる。
連行峰を越えると、先のほうでくしゃみが聞こえた。花粉症の季節である。今日初めての登山者に会う。
急な下りを経て
山の神
の鞍部に着く。山の神といってもそれらしきものはなく、石に文字が書かれているだけだ。
いつもの調子なら醍醐丸を経て陣馬山までも縦走するところだが、なんとなく車が心配なので、今日のところはここから下山する。
山の神からの下り始めは落ち葉深い斜面の急降下で、慎重を期す。しかしそれも短い距離で、すぐに杉の植林に入り穏やかな道となる。
途端に鼻がグズグズいい出し涙目になる。自分はそうひどい花粉症持ちではないのだが、ここの付近は特に杉花粉が多く飛んでいるようである。
一軒の民家の前に出る。すぐ下は茶畑だ。昔ながらの田舎の家の造りに懐かしさを覚える。
ここから下の道は2輪くらいは通れるが、まだ未舗装の山道である。この民家の人は毎日、この山道を行き来して生活しているのだろうか。それは大変なことである。
もっともこういう所に住む人は、やおら都会の若者よりも足腰はずっと強いとは思うのだが、お年寄りだとやはり不便な生活を強いられるだろう。
やがて堰堤が見えてきて林道に出る。そこから少しの歩きで
和田
の県道だった。鎌沢駐車場まで歩いて10分ほどだろう。
道脇に車を停めている人がいる。今から陣馬山に登るとのこと。しかし、道路上に停車させておくのが気になるというので、鎌沢駐車場のあることを教えた。ついでにそこまで乗せてもらう。
車初心者が他の人に駐車場の場所を教えるなどとは、調子がよい。
このまま帰ってしまうのも何なので、温泉に寄り道することにした。どうせなら、ここから歩いてはいけない場所ということで「五感の里」にする。中央線の線路を越してさらに車で15分ほど、牧野のほうにある日帰り温泉施設だ。こういう時は車は便利である。
風呂上りのなんとやらが飲めないのは残念だが、登山後の暴飲暴食が最近は癖になってしまっているので、ちょうどいいのである。
温泉を出てからはしばらく県道を走り、八王子で高速に入って帰った。