2013年7月7日(日) |
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富ヶ谷IC |
5:05 |
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首都高 中央自動車道 |
◇ |
勝沼IC |
6:15 |
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国道141号他 |
7:15 |
中島川橋 |
7:30 |
7:50 |
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馬止 |
◇ |
8:43 |
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黒エンジュ |
8:50 |
9:03 |
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シラベ尾根 |
◇ |
9:17 |
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水干 |
◇ |
9:40 |
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笠取山 |
10:20 |
10:40 |
小さな分水嶺 |
◇ |
10:55 |
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笠取小屋 |
◇ |
11:30 |
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一休坂 |
◇ |
12:35 |
馬止 |
◇ |
12:45 |
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中島川橋 |
◇ |
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国道141号他 |
14:15 |
勝沼IC |
◇ |
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中央自動車道 |
16:05 |
高井戸IC |
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関東甲信は梅雨明けしたとたん、うだるような猛暑の日々が続いている。どうもここ数年は、とってつけたような梅雨明け発表が多い。単に晴れればいいというものではない。スカッとした夏の空気に入れ替わっての梅雨明けというのが、最近はないような気がする。
いずれにしても、今年の夏山は勝負が早そうだ。8月中旬を過ぎると秋風が吹きそうな雰囲気である。しかしすでに8月1週に夏休みの予定を入れてしまい、動かしようがない。その頃までこの晴れの日々が続いてくれることを祈るのみである。
夏雲流れる笠取山山頂 |
笠取山へは、今回初めて中島川橋から登る。車利用での日帰りの場合、作場平橋からのコースがよく歩かれているが、その少し東側にある登山口である。
このコースは周回コースが取れる。笠取山登頂後に作場平方面へ下山し、途中で分岐する長い山腹の道を歩いて中島川橋に戻ってこられる。
一ノ瀬キャンプ場からさらに少し車を走らす。途中でそれなりの広さの駐車スペースがあったが見送り、車道なりに進むとすぐに中島川橋の登山口に着いてしまった。車を停めていい場所なのかはっきりしないが、すでに1台停まっていたので、登山口の真ん前の場所に駐車させてもらった。
空は青空半分、雲半分といったところ。青空は澄み渡り、雲は高くまるで秋の空のようだ。登山口から林道のような緩い坂を登っていく。20分ほどで馬止という十字路となり、左から下山に使う予定の山腹道が合わさっていた。登りコースの黒エンジュ尾根は正面やや左手の道である。唐松尾山の隣りに黒エンジュという名前のピークがあり、おそらくそこから派生している尾根なのであろう。
登りはきつくなく、やや大きめのジグザグを切っていく。進む方向が左の時は青空、右に向けば曇り空が見える。作場平橋コースのほうは一休坂が急登であるが、こちらのコースは全体的に穏やかだ。カラマツからミズナラ、カエデなどの自然林になり気分がいい。途中で樹林の切れ間があり、緑に覆われた山稜や遠くの眺めが見渡せる。すっきりした三角錐の山は大菩薩嶺だろう。
緩やかな登りはしだいに斜度のほとんどない散歩道のようになった。両側にスズタケが伸び、ダケカンバやミズナラの多い道が続く。
やがて標識のある場所に出る。奥秩父縦走路の巻き道の合流点へは、意外とあっさり着いてしまった。指導標はここを「黒エンジュ」と名づけている。ベンチがあるので少し休憩する。
しばらく縦走路巻き道に沿って進むと右に道が分かれる。指導標には「シラベ尾根」と書かれている。分岐に入るとようやくはっきりとした登りになって、本日一番の頑張りどころとなる。標識の名前通りに針葉樹林の割合が多くなり、高山の雰囲気が漂い始める。
かなり高度を稼いだと思う頃、再び変則的な十字路へ。水干(みずひ)尾根に上がった所で、笠取山山頂部への直登道が笹の中に細くついている。この道は何度か歩いているが登りは初めてだったかもしれない。
なかなかきつい斜面を登りきって上部の稜線に出た。地図を広げた人が、「この下はスイヒですかね」と聞いてくる。読み方が違うがはい、そうですとだけ答える。
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夏色の山 |
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大菩薩嶺と富士山 |
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形は笠そのもの |
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長い道 |
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岩の突き出た稜線を進む。シャクナゲのトンネルをくぐる。ここのシャクナゲは5,6月が花期のアズマシャクナゲであり、花はすでに終わっている。
時々南面が開け大菩薩嶺、そして富士山が見えた。大きく雲を被って、てっぺんが見えない。三角点と標柱のある笠取山山頂を過ぎ、西端の展望場所に着く。目の前いっぱいに広がる緑の山稜のパノラマは、夏が似合う風景である。
空には様々な形の雲がそれぞれ思い思いに浮かび、流れていた。この日は麓では35度以上の猛暑日となったようだが、標高2000m近い笠取山頂は、日差しがこれらの雲でうまい具合に遮られ、青空の下であるにもかかわらず意外なほど涼しかった。夏に奥秩父の山に来ると、山は避暑地だなあとつくづく感じる。
甲武信岳など奥秩父の高峰は雲に隠されていた。
登山者も次々と山頂にやってきて、けっこうな賑わいとなる。やがて富士山も、てっぺんのごく一部を除き、東西の緩やかな斜面が全部見えるようになった。
目の前の斜面を下り、緩い斜面を少し登り返して小さな分水嶺に立つ。このあたりも展望がいい。
見渡す限りの草原地だが、花はほとんど咲いておらず、ときどきニガナを見るくらいだった。花は年を追うごとにどんどん減っていて、それが唯一寂しい。雁峠方面へは今回は立ち寄らず、下山することにした。
笠取小屋の前を通って沢沿いの穏やかな道を下る。ここもミズナラなどの自然林が瑞々しい。急坂をしばらく下り、「一休坂」との指導標のある場所に下り立つ。ここから作場平橋方面に下る道を分け、中島川橋に至る水平道に入る。
案内板やガイドマップには「天然林の中のなが~い歩道」と書かれている、全長3.6kmの山腹道である。ところどころで沢をまたぐが急坂などはなく、歩きやすい。
小さい沢のほとりにクリンソウがあったが、花びらは大方落ちていた。6月中旬から下旬に奥秩父や大菩薩を歩くと、けっこういろんな場所でクリンソウにお目にかかることが出来る。
自然林が多く新緑や紅葉時には特にいいが、同じような景色が多く単調さはやはりぬぐえない。ただ単にボーっと長い距離を歩きたい人にはいいかもしれない。なお、先ほどの分岐から作場平橋に直接下り、車道を歩いて中島川橋に戻ったほうが時間的には早いと思われる。けれどもやはり最後まで山道を歩きとおしたいので、このなが~い道を歩くことにした。
くねくね歩き続けて1時間、朝通った馬止の分岐に戻ってきた。10分ほど歩いて中島川橋の登山口に下り立つ。朝と違って青く澄んだ夏空が頭上にあった。