山の写真集 > 奥秩父 > 雁坂峠から笠取山
-むかしの国道140号-
タイトル
道の駅みとみ-雁坂峠-雁坂小屋-笠取山-新地平
山域奥秩父
地域山梨県、埼玉県
標高雁坂嶺(2289m)、水晶山、(2158m)、古礼山(2112m)、燕山(2004m)、笠取山(1953m)
山行日2011年6月4日(土)~5日(日)天気1天気2
沿面距離1日目:8.3km、2日目:16.8km
歩行時間1日目:4時間30分、2日目:6時間35分
標高差1178m(道の駅みとみ~雁坂嶺)
宿泊雁坂小屋(テント泊)
温泉みとみ笛吹の湯
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2011年6月4日(土) 晴れ時々曇り

調布IC5:20
 中央自動車道
勝沼IC6:20
 国道20号、140号他
6:55道の駅みとみ7:40
7:45雁坂峠入口
8:45登山道入口
(沓切沢橋)
8:50
9:20沓切沢出合
10:00井戸ノ沢
11:00雁坂峠11:25
11:55雁坂嶺12:10
12:40雁坂峠12:50
13:00雁坂小屋
 (テント泊)

2011年6月5日(日) 曇り一時晴れ

5:25雁坂小屋
5:40主脈縦走路
6:00水晶山
6:30古礼山6:40
7:30燕山
7:55雁峠8:05
8:40笠取山9:05
10:15雁峠10:30
11:37風向計11:45
12:52新地平
13:05道の駅みとみ13:40
 国道140号、20号他
笛吹の湯立寄り
15:45勝沼IC
 中央自動車道
17:50上野原IC
 国道20号、466号他
21:00五反田


関連リンク
[記録] 雁坂峠から笠取山(1999)
[記録] 甲武信岳から雁坂峠、川又
山梨市
片平さん「三百名山めざして」
東アルプス楽集国


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土日と、秋田県・山形県境の神室山へ2度目の登頂を予定していたが、直前になって天気予報(天気ではない)に不安を覚え、結局キャンセルしてしまった。1日12時間近くかかる縦走を目前にして、おじけづいてしまった?かも。
でもまた、行くチャンスはあるので気を取り直して、もうひとつのプランでいくことにした。

雁坂峠から笠取山へ、このあたりは何度も歩いているが、同じコースとなると12年前にさかのぼる。奥秩父を初めて歩いたときだ。
百名山で人気の甲武信岳や雲取山に挟まれ、特に雁坂峠付近を歩く人はあまり多くない。奥秩父縦走にしても、ここ雁坂小屋を宿泊地とするパターンは少なく、たいてい笠取小屋や甲武信小屋が1日の起点・着点となってしまう。
今回は雁坂小屋でテント泊し、翌日笠取山まで行く。


笹の黄色が鮮やかな6月の雁坂峠

道の駅みとみに車を置いて出発。すでに何台も車が停まっているが、道の駅の人の話によればやはり、西沢渓谷や甲武信岳に登る人が多いようだ。
周回コースが取れるのでマイカー山行のしやすいところである。

しかも今はシャクナゲの季節。西沢渓谷や甲武信岳の戸渡尾根は多くの人で賑わうであろう。そちらの方とは反対に歩き、雁坂峠入口の道に入る。釣り場を見たあと、舗装の林道歩きが始まる。青空の下、360度の新緑がきれいだ。

雁坂トンネル
周囲は新緑
沓切沢
芽吹き色も
雁坂峠

少し登ると雁坂トンネルの入口が見えてくる。12年前は、このトンネルが出来たすぐ後だった。そのときに比べ、あまり記憶が定かでないが、トンネル入口付近の様子もずいぶんとあか抜けた感じがする。しかし交通量はそう多くないようだ。
日差しが強く、新緑の気持ちよい道とは言えど、長い林道歩きはやはり疲れる。それでも1時間ほどで沓切沢橋を渡ったところで林道は終わった。

入口には大きな倒木がある。山道に入ると今まで以上の気持ちよい新緑。平坦もしくは緩やかな登りが続くばかりで、なかなか高度を上げない。
やがて沓切沢出合と書かれた小さな沢をまたぐ。標識にはさらに「峠まで2h」とある。手前にあるはずのナメラ沢出合は気付かずに過ぎてしまったようだ。

しばらくすると沢沿いに登高するようになり、何度か渡渉する。トウゴクミツバツツジが緑の中鮮やかだが、高度を上げるにつれ緑の色合いも薄れていく。井戸ノ沢で左岸に移るとようやく沢を離れる。
小さな針葉樹の森を抜けると頭上が開け、明るい黄色の笹原が目の前に展開した。ここからは急登である。ひとり休憩していた。背負ったものを見ると、雁坂小屋の小屋番さんのようだ。
今日は雁坂小屋までです、と言ったら「もったいないから破風山まで行ってきたら」とのこと。12年前もこの登山道で小屋番さんに会い、同じことを言われた。やはりこの登路は一日コースとしては中途半端。何だか可笑しく、懐かしかった。
「写真なら、もう少し上がってからのほうがいいよ」。振り返ると、少し白くなってきた青空の中、雲海から富士山が顔を出していた。

急傾斜をジグザグと登り、雁坂峠に上がる。富士山も見え、黒金山や国師ヶ岳など奥秩父の山並み、そしてはるか下に広瀬地区の建物も見える。広瀬湖はここからだとギリギリ見えない。

主脈縦走路が通る
峠は展望よい
明るいテント場
雁坂小屋

日本三大峠のひとつである雁坂峠は、甲州と秩父を結ぶ秩父往還のルートの最高所であり、その歴史は古い。日本武尊が通ったとも伝えられている。そして雁坂トンネルが開通するまでは、今歩いてきた登山道が国道140号であった。
山間の国道というとまず、谷川連峰の清水峠を越える旧国道が思い浮かぶが、どちらも単なる山歩きではない、歴史とロマンを感じさせる山旅ルートである。
こういう例は日本全国探せばまだ他にもあるのかもしれない。

12年前のときは5月下旬で、笹原はまだ一面の黄色だったが、今回はちょうど緑に色を変え始めるところだった。6月下旬にもなれば緑豊かな草原に衣替えし、花も咲くであろう。

やはり時間が余っているので、少し稜線を登ってみる。雁坂嶺まで登り、その先の甲武信岳の姿を確かめる。大きいザックを背負った学生のグループがいた。雁坂峠にテント泊したのだろうか。
峠に戻り、雁坂小屋に下る。小屋前のシャクナゲは開花していた。12年前の5月下旬でも花を見ていたから、今年はやはり若干遅いようだ。
ここのテント場は、ちょっとした高台にあり眺めがまあまあいい。水場も近くにあるので、テントを張るにはなかなかいい場所である。しかもそれぞれのテント設営場所のすぐ隣りに、あつらえたようにベンチとテーブルがあるので食事もしやすい。
小屋番さんによると、水は標高1000mのところから汲み上げているそうである。それだけ手間がかかっている水なのに無料というのはうれしい。

この日張られたテントは合計4張り、雁坂小屋の宿泊者は10名を越えるくらいだったようだ。甲武信小屋などに比べれば空いている。
日中は日差しが強く、昼寝も汗をかくくらいだったが日が落ちてからはそれなりに冷えた。風も弱く、静かな夜になった。