~奥秩父の森に何が起こっている~
2007年6月1日(金)~2日(土)
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実に5年ぶりの甲武信岳。雁坂峠あたりを歩くのは、雲取山~甲武信岳縦走をした2000年以来となる。 akimasaさんの「日本百名山Webの旅」のサイトに、自分のところは甲武信岳のページとして掲載していただいているのだが、ずっと更新をしていなくて申し訳ない気持ちでいた。 一眼レフカメラを初めて使った思い出の山。自分で買ったテントを張ったのも甲武信岳が初めてだった。久しぶりの奥秩父の深い森林はどういう表情を見せてくれるだろうか。
●シャクナゲ回廊の戸渡尾根 塩山駅から西沢渓谷行きのバスは「観光シーズンなら平日も運行」ということなので、今回乗る予定でいた。しかし観光シーズンとは7月以降のことだった。大いなる勘違い。 山梨市駅からの市営バスなら平日でも運行なのだが、ここからではもう間に合わない。痛いが今さら帰るわけにいかず、タクシーに乗る。
タクシーで山に近づけば近づくほど、空の雲は厚みを増す。山中はまだ雨が降っているかもしれない。今日は久しぶりに天候を気にしての登山となりそうだ。 西沢渓谷バス停前から歩き出す。今年初めてのテント、シュラフを背負う。あたりは平日で閑散としている。ポツポツと雨もやはり残っていた。 本当に久しぶりのこの道で、一種の感動を味わう。20分弱で近丸新道登山口に着く。立てかけてあった木の杖を使わせてもらうことにする。この杖には結局、翌日反対側の登山口に下りるまでお世話になることとなる。 近丸新道の出だしは、沢を高巻いての平坦道が続く。ザレている箇所を慎重に通過する。 カラマツ林の登りあたりから、足元に白っぽい岩石がやたら目に付くようになる。これは、かつてこのへんで採掘が行われていた硅石という種類の岩石なのだろうか。またこの登山道には、当時の採掘に使われていた軌道跡が所々で見られる。 じきに小さな水の流れをまたぎ、やがてヌク沢本流を橋で渡る。 沢を渡った後は本格的な急登が始まる。青空や太陽も覗くようになり気温が上がってきた。しかし日がかげるととたんに肌寒くなる。 足場のよくないかなりの急な登り。新緑の中、濃紫のトウゴクミツバツツジが鮮やかだ。緑が芽吹き程度になるくらいに高度を上げた頃、アズマシャクナゲの群落が頭上に現れる。 いきなりの満開である。すぐにシャクナゲのトンネルになる。昨晩の雨でかなりの数の花が地面に落ちてはいるが、まだ咲いたばかりと思われるものも多く、赤々とたわわに花をつけている。 正面に木賊山(とくさやま)であろうか、端正ないでたちの山を見上げながらしばらくはシャクナゲの回廊を歩く。針葉樹林の割合が多くなってくるとシャクナゲも蕾のものが多くなる。 花の付きは全体では、5年前に見た満開のときとは少し違う。もう1週間先が一番の見頃だったろう。 |