~晩秋の避難小屋泊まり歩き、奥秩父の核心部へ~ 白泰尾根から十文字峠、入川谷 2000.11.3.~5. |
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●紅葉の入川谷軌道跡(柳小屋~入川谷登山道~荒川起点~川又) 日曜日の朝を迎えた。予報では曇り一時雨だったが、昨日にも増していい天気だ。 柳小屋をあとにし、入川谷の深みに分け入って行く。昨日に引き続き、しばらくは沢を見下ろすアップダウンの激しい道が続く。 色とりどりの落ち葉は路面を埋め尽くし、どこまでが道なのかわからないくらいだ。ザクザクと音を鳴らしながらの楽しい歩きとなる。 この音を聞くのは1年ぶりなのだ。春、夏でも落ち葉を踏む道はあるがやはり音が違う。早朝のピンと張り詰めた冷気の中、沢音をバックに落ち葉を踏みしめる音があたりに響く。物悲しくも、心洗われる晩秋の山の音である。
吊橋を渡り岩がちの道を下ると、いわゆる「荒川起点」で、平坦な軌道跡の道に入る。その地点の案内板によれば、この軌道は木材運搬用に、昭和23年から45年まで使われていたそうだ。 沢沿いにつけられている軌道跡、あたりは一面が落葉樹でまさに紅葉に染まれる道だ。柔らかい日差しの中、もはや傾斜の無い幅広の道を歩む。 三脚をかついだ空身の人、登山姿でない軽装のグループも目立つようになり、ここへきてやっと「下りてきた」印象が強くなってくる。
十文字峠から歩行時間だけで通算8時間、思えば遠い道のりだった。昔の旅人の苦労をしのび、川又の集落に向かった。 川又からはバス待ちの時間が長いので、再びタクシーを呼んだ。そうしたら、何と行きと同じ運転手さんだった。歩くコースは行きの時に話していたので、予約をした時点で運転手さんのほうもわかっていたようだ。 車中では柳小屋や股ノ沢、真ノ沢林道の話に花が咲いた。
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