~南九州の名峰を歩く~
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高千穂峰の裾野の新緑
高千穂峰の裾野の新緑

●第3日・高千穂峰へ
3日目の朝だ。小鳥の声で目覚めるのは気持ちがいい。
昨日「見る山」の感を強くした高千穂峰に登る。神社の前を通り、樹林帯の登山道に入る。

キリシマミツバツツジが咲いている。ツツジはなぜか今回、あまり見れなかった。
石のガラガラした登り。道というより斜面を登っている感じだ。地面は鉄分で赤茶けており、ドキドキしながら登る。振り返ると眼下には高千穂河原の売店の屋根を囲むように樹林帯が一面に広がる。




前日の縦走では不思議と風が無かったが、今日はやや風が強い。
御鉢は大きく深い。ここも鉢を半周し山頂へ向かう。山の中腹以上は樹林がないため、山の形が登っている最中でもよくわかる。下部の、傾斜が緩くなったところは赤黒色の山肌に樹林が続いている感じ。人の後頭部の生え際を思い出した。

それにしても不思議に思うのは、昨日韓国岳であれほど遠くのかなたに見えた山に、今日は登っているということだ。それが縦走の楽しさなのだろうか、よくあれだけの距離を人間は歩けるものだといつも思う。ただしこれは山の中での話。都心で健康のために1駅歩くなんてのは、これに比べたら微々たる距離なのだろうが、実際はその1駅さえ歩くのも、おっくうに感じるものだ。

そんなことを考えながら、高千穂峰山頂への急登を行く。富士山の砂走りのように、駆け足で下ってくる人もいる。

高千穂峰から御鉢
高千穂峰から御鉢
ミヤマキリシマ
ミヤマキリシマ

高千穂峰の頂に立つ。ここは坂本竜馬が新婚旅行に訪れた地という(しかもこれが、日本での初の新婚旅行とのこと)。こんなところに新婚旅行?しかし展望は素晴らしい。ここも360度の展望で、新燃岳の岩峰まで見える。しかし韓国岳は霞みの中だった。山頂には山小屋があるが閉鎖中とのこと。ただ、管理人とおぼしき人がいて、飼い犬?に餌をやっていた。

御鉢からの下りは、来た道を戻らずに少し南側の斜面を下る。こちらのほうがやや歩きやすい。傾斜が緩くなると、8,9分咲きのミヤマキリシマの潅木があった。今回一番花をつけていた株だ。広葉樹の道を下っていくとセミが鳴いていた。


ミヤマキリシマ 高千穂河原の新緑
ミヤマキリシマ 高千穂河原の新緑

●下山、鹿児島空港へ
テント地に戻り撤収。タクシーで霧島神宮駅の方向に下る。運転手の人に、「次は屋久島へどうぞ」と言われる。
途中の「神の湯」で汗を流すが、ヒリヒリと赤く腫れ上がった腕をお湯につけることが出来ない。

新緑と展望、火口湖と高千穂峰の秀麗な姿をみやげに帰途に着く。鹿児島空港の展望台からは、韓国岳・高千穂峰が主役のようにそびえていた。


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